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日蓮大聖人・池田大作

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シドニー大学「平和貢献顕彰状」、ハワイ… 「新しい千年」を人間主義で拓け

1999.5.5 スピーチ(1998.11〜)(池田大作全集第90巻)

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1  未来部の名前を永遠に
 きょうは、「親孝行の人」ばかり集まったとのこと、おめでとう!(爆笑、大拍手)また全員が「成績優秀の人」だそうで、おめでとう!(拍手)
 衛星中継も合わせて、五十万人の未来部の集いと、うかがっている。その全員のお名前を、永遠に「記念碑」に残してさしあげたい。「二十一世紀後継者之碑」として、創価大学の「本部棟」のそばに建設することを提案させていただきたい。(拍手)
 きょうは、「こどもの日」の記念日。しかし、「こどもの日」という名前は、あまり賛成できる名前ではないと、私は思ってきました。むしろ、「二十一世紀の指導者の日」とか、「二十一世紀の少年少女の日」とか、「青春の日」とか――そういう新しい意義を含めた名前を考えてはどうかと私は思う。
 ″子ども″といっても、立派な一個の人格だからです。″大人″だからです。姿は大人でも、悪い人間、子ども以下の人間も、たくさんいる。皆さんのほうが、よほど立派だ。
2  未来は自分の「決心」しだい
 きょう、来られた皆さんのなかには、ご両親がいない人もいるかもしれない。お父さんがいない人は、「自分がお父さんだ!」と思って生きなさい。弟や妹を大事にしてあげなさい。
 お母さんがいない人は、「私がお母さんだ!」と思って生き抜きなさい。
 さびしがったり、悲観的になったり、悲しい顔をするのは不幸です。
 幸福になるのも、不幸になるのも、自分の一念です。自分自身の決心です。
 毎日、親と一緒にいても、けんかばかり――そういう家庭もある。親と一緒が、いいともかぎらない。親がいない、そういう家庭から、偉い人がたくさん出るものです。
 どんな境遇であろうと、「自分はいちばん幸福だ」と言える人間になってもらいたい。そう言える、立派な自分をつくってもらいたい。
 今、成績が悪い人もいるかもしれない。その人は、猛勉強することです。やれば、必ず成績はよくなる。大事なのは、一念です。
 また「もっと、お金もちの家に生まれたかった」と思う人もいるかもしれない。
 しかし、若い時から、おいしいものばかり食べて、いい服ばかり着て――それで、立派な人間になれるわけがない。欲望のままに生きていては、動物のようになって、堕落してしまう。あまりにも不幸だ。
 お金がないなかで頑張るから偉くなる。そのほうが、どれほどすがすがしいか。
 将来、大人になり、働いて、その時に、お金に困らない自分になればよい。
 今は我慢することも勉強です。お父さん、お母さんの苦労がわかる皆さんであっていただきたい。その人が大人です。
3  いじめにあった人もいるでしょう。さまざまな場合があるだろうが、卑怯な″いじめ″に負けてはならない。堂々と、言い返し、敢然と相手の悪を責めていきなさい。
 または、賢明に、よき友達をつくって、団結することです。
 また、先生方が動いてくれない時は、お父さん、お母さん、未来部のお兄さん、お姉さんに相談しなさい。私は諸君を守ります。一千万人の同志がついていると思いなさい。
 一人で悩んではいけない。そんな必要もない。そして、祈ることです。しっかりと祈りきることです。題目は最高の武器です。全部、必ず、いい方向にいく。
 成績がよかろうが、悪かろうが、「将来、親孝行していくよ!」――そういう麗しさがある一家であってほしい。
 また、お父さん、お母さんに対して、絶対に暴力を振るってはいけない。家庭内暴力はあってはならない。これほど、みじめで、あわれな一家の姿はない。親は子に口うるさいものだ。「早くしなさい!」とか「テレビを消して!」とか。それは久遠元初以来、変わらない(爆笑)。
 聡明に、親を怒らせないように、喜ばせ、安心させるように、家庭に「紛争」を起こさないように――そういう皆さんであってください。(「ハイ!」と賛同の返事)
 うちへ帰っても、そういう返事でお願いします!(爆笑)
4  自分自身の為に、正しき信仰
 きょう、私の妻も出席していますが、妻は小学四年生の時に、この信心を始めました。当時は戦争中です。
 軍部の権力からは迫害され、いじめられ、近所の人たちからも、さんざん悪口を言われました。そのなかを、″第一号の未来部員″であった彼女は、お母さんと一緒に学会活動に歩き回ったのです。その自分の体験のうえから、妻は、三人の子どもたちが小さいころから、こう教えてきたようです。
 「遊びに行く前は、楽しい。しかし、遊んで、帰ってくる時は、むなしさや疲れだけが残る。それにくらべて学会活動は、行く前は、あまり気が進まなくても、帰りには、心が広がる。喜びが生まれる。大きな充実感が残る」と。
 これが信仰の世界です。皆さんも、きっと「その通り」と実感して賛成してくれると思う。
 信仰は「自分を向上させる」ためにある。「希望をつくる」ためにある。
 自分自身の「人生の推進力」――スクリューが信仰です。全部が、自分のためになる。
 多くの人が、目的もなく、さすらいゆく人生のなかで、「いったい自分はどうしたらいいか」、わからない。
 その時に、決然と立って、堂々と、わが道を、明るく、正しく、ひとつの無駄もなく、生き抜いていく法則が信仰です。
 東から太陽が昇る。春が夏になる。それも法則です。地球が太陽の周りを回っている。その太陽系自体が、猛烈なスピードで動いている。
 全宇宙を整然と動かしている何か――その不思議なリズム、宇宙の大法則がある。それが妙法であり、南無妙法蓮華経は、宇宙の大法則です。あとから人間がつくったものではない。
 ゆえに、妙法にのっとって生きるのが、宇宙で一番正しい人生であり、生活である。この意味から、「宇宙の大法則」を教えた正しい宗教、正しい信仰が、人間にとって、絶対に必要になるのです。
5  たとえ学問があっても、病弱な人間もいる。いくら優秀であっても、心の悪い人間がいる。偉い人であっても、多くの善人をいじめる人間がいる。戦争にかりたてる人間も、そうです。
 学歴があっても、人々をバカにし、傲慢になって、皆に嫌われ、排斥される人間もいる。その意味で、自分自身を立派につくっていくための正しい法則をもちなさい。それは創価学会しかない。自分自身のために、信仰をやるのです。
 「自分自身のために」ということが、実は「社会」に通ずる。「世界」に通ずる。
 一本の木を植えれば、花が咲き、木の実がなる。「一人」が大事である。「一人の人間革命」から始まるのです。
6  「平和の顕彰」を二十一世紀の主役の皆さんとともに
 本日は、希望の大陸オーストラリアのリース教授、また憧れの島ハワイのテヘラニアン教授、そして「アフリカの世紀」を開くルワンダの大使ご夫妻という、素晴らしい知性と人格の先生方をお迎えすることができました。(拍手)
 ただいま、世界的な名門であり、それぞれの地で最古の伝統をもつ、シドニー大学、ならびにハワイ大学から、厳粛なる「平和の顕彰」を、私は、二十一世紀を担いゆく、わが愛する後継者とともに、つつしんでお受けいたしました。心より、御礼申し上げます。(拍手)
 (会合の席上、「オーストラリアのシドニー大学」と「アメリカのハワイ大学」から池田SGI会長に対する顕彰が行われた。シドニー大学平和・紛争研究センターのリース所長、ハワイ大学スパーク・マツナガ平和研究所のテヘラニアン元所長〈同大学教授〉が出席。池田会長の平和行動をたたえて、シドニー大学から「平和貢献顕彰状」、ハワイ大学S・マツナガ研究所から「平和顕彰盾」が授与された)
 どの先生のお話も、「グローバル(地球的)な視野」と「詩心」があり、その底には大河が流れて、美しい真鯉や緋鯉が泳いでいる――そういう心豊かなお話でした。
 テヘラニアン教授は、皆さん方の年代から、「平和」と「正義」のために言論の戦いを貫いてきた勇者です。
 アメリカのハーバード大学に留学中、祖国イランの民主化のための運動に身を投じて、秘密警察から、つけ狙われた。祖国に帰国した時には、空港に到着するやいなや、出迎えにこられた家族の目の前で連行された――。皆、大闘争をしています、偉い人は。偉くなる人は。だらだらと、時を過ごしたりはしていない。所長は、すぐに釈放されたが、以後、七年間にもわたって、常に監視され続けたという。
 正しいからこそ、悪口を言われる。正義であるからこそ、迫害される。これが歴史の方程式なのです。
 私が三年前に創立した「戸田記念国際平和研究所」は、テヘラニアン所長の力強いリーダーシップのもと、″文明と文明を結ぶ対話″を推し進め、早くも世界に知られる平和機関となりました。
 私の師匠である戸田先生の名前が、平和の象徴として、地球的なスケールで広まっていることが、うれしい。直弟子である私には、それが何よりも、何よりも、うれしいのであります。(拍手)
7  父母を尊敬できる人が大人
 また、リース教授も、「行動する平和学者」として有名です。
 偉大な方は謙虚です。偉ぶらない。いばる人は、権威ぶっても、口はうまくても、何もできない。ゆえに信用されません。
 教授は、決して研究室に閉じこもらない。自分のことよりも、これからの青少年のために、また「人間性の復権」を目指して、イギリスで、カナダで、アメリカで、インドで、そしてスリランカで、一つ一つ、尊い「人道貢献」を積み重ねてこられた大事な方であります。
 また、リース教授は、オーストラリアのSGIの友とも深く交流してくださり、このように語ってくださったと、うかがっております。
 「SGIのメンバーが、集い、団結して、創造的な活動を体験すること、それ自体が、戦争や武器の使用による破壊の対極にある」と。
 皆さんのお父さんや、お母さんたちも、日々、学会活動に奔走しておられる。大ぜいの人を励ましながら、皆を幸福にしていくために働いておられる。
 これこそ、最も地道で、最も気高い平和の創造であり、建設です。無名ではあっても、その人にこそ、大勲章を贈るべきではないかと私は思う。(拍手)
 毎日毎日、一年中、人々のために働いている。そんな人間が、どこにいるのか。権力者よりも、著名人よりも、いかなる人よりも尊い方々と私は思う。
 そういうお父さん、お母さんを、心から尊敬し、大切にしてあげられる皆さんであっていただきたい。
8  きょうは、来月に離任なされるアフリカのルワンダの大使ご夫妻も、お越しくださいました(拍手)。まことに英邁な大使であられる。SGIの諸行事にも、何度も出席してくださいました。
 ご夫妻のますますのご健勝と、ルワンダの大発展を、私たちは、心よりお祈り申し上げようではありませんか。(拍手)
 なお、現在、このルワンダの天地でも、皆さん方と同じ未来部の出身で、わが創価大学の卒業生が、社会開発の援助で活躍しています。
 仕事の関係で、ちょうど、一時帰国しており、きょうのこの会場に、祝福に駆けつけてくれました。二十一世紀は「アフリカの世紀」です。後輩に道を開く、ご健闘を祈ります!(拍手)
9  平和ために「語学」「知性」「人間性」を
 もはや人類は、いがみ合いや、紛争には、あきあきしています。
 人間が、人間として、人間のために、おたがいに協調して、人間らしく幸福に生きていく社会――その平和の楽土を追求していく時代に入りました。
 愚かであった人類が、苦い経験を積んで、少しずつ聡明になる時代に入ってきました。だからこそ、これから大事なのは「語学」です。皆さんは「語学」を勉強し抜いていただきたい。
 「知力」です。頭脳を鍛えることです。そして、「誠実な人間性」を磨くことです。
 語学ができても傲慢だったり、頭がよくても、小さな国を見くだしたりするのでは、かえって友好を壊してしまう。愚かです。そういう日本人も少なくない。
10  シドニー大学の紋章に刻まれたモットーは、まことに素晴らしい。
 それは、「天座(天の星座)は変われど、我らの精神は不変なり」と。
 天空に輝く星々は、季節とともに変化する。しかし、我々の精神は変わることなく、永遠に智慧の光を発揮していこう! というのです。
 要するに、人間の真髄である「精神の力」に勝るものはありません。ナポレオンも、そう言いました。その「究極の力」を発揮させていくのが、正しき信心です。
 どうか、わが創価学会の未来部は、人間主義の大哲学の「宝剣」を、そして「ペン」を振りかざして、人類の「新しい千年」を、みずみずしく開拓していける一人一人になっていただきたい。
 結びに、本日、ご出席くださった先生方とご一緒に、私は、新世紀の若き「平和の博士」の皆さん方に対して、何があっても負けるな、断じて負けるな! 明るく、明るく、生き抜け! 強く、強く、勝ちゆけ! と申し上げ、あいさつといたします。
 サンキュー・ベリー・マッチ!
 (創価国際友好会館)

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