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日蓮大聖人・池田大作

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ブラジリア「名誉市民証」等授与式、第2… 創価の世紀へ新しい人材を 新しい前進を!

1998.7.20 スピーチ(1998.3〜)(池田大作全集第89巻)

前後
2  イギリスの哲学者カーライルも論じた。
 「自分の仕事を見いだした人は幸いである。それ以外の幸福は求めぬがよい」「働くことができない、人間として使命を果たすことができない、これが結局、人間の唯一の不幸なのである」(『過去と現在』上田和夫訳、『カーライル選集』4、日本教文社)
 果たすべき使命がある。その使命に向かって進んでいる――その人こそが「幸福」なのだと、哲人たちは教えたのである。
3  トインビー博士も、そうであった。
 「博士のモットーは何でしょうか」。私が尋ねると、博士は言われた。
 「さあ、仕事を続けよう!――池田さん、これです。私のモットーは」
 私が四十代半ばの時である。
 さあ、きょうも仕事をしよう!――これが人間である。
 なすべき仕事をしないで、ずるく立ち回り、ただ食べて寝て、テレビを見て、遊んで……そんな人生の、どこが幸せか。どこに本当の充実があり、大歓喜があるだろうか。
 遊んでいるうちに、人生は、あっという間に終わってしまう。人間と生まれて、何か価値ある仕事をやりとげないで死ぬのでは、動物と同じである。
 私どもは、果たすべき使命が明確になっている。広宣流布という、全人類を幸福にする最高の仕事がある。この使命の道で苦労しながら、学会活動に励めることは、最高に幸福なのである。それを自覚できるかどうかである。
4  ともあれ、広宣流布への前進の大勝利、おめでとう! また、ご苦労さまでした!(拍手)
 全会員の皆さま方に、心からの感謝と敬意を申し上げます。
 きょうは、二十七の国から、代表の皆さまが、お越しになっている。ようこそ、おいでくださいました。ご苦労さまです!(拍手)
 また、改革同盟――″本当の僧侶″の方々もおられる。「聖教新聞」の配達員の代表の方々、全国の未来部長の代表も参加されている。
 鳳雛会・鳳雛グループの皆さん、結成三十二周年、おめでとう!(拍手)
5  「わが魂は権力者も縛れず」
 かつて(数十年前)、ブラジルで、暴虐な圧制に立ち向かった、一人の農民がいた。(F・ジュリアン『重いくびきの下で』岩波新書。趣旨)
 傲慢不遜な支配者は、ピストルを振りかざしながら、彼を侮辱し、脅迫した。
 「牢屋に入れるぞ!」「殺すぞ!」
 しかし農民は、悠然として答える。
 「お前たちは、その権力で、どんな横暴なこともできるかもしれない。しかし、ただ一つだけ、できないことがある」
 彼は、自分の胸をたたきながら、叫んだ。
 「私の魂の自由だけは、絶対に縛れない!」
 どんな権力も、私の魂は殺せない。やれるものなら、やってみろ! と。
 これこそ本当の信念である。我らの胸に燃えるのも、同じ不屈の信仰である。(拍手)
 民衆の一人一人が勇気をもつことである。「怒りの声」を上げることである。一人の人間の腹からの叫びほど強いものはない。いわんや正義の民衆が、こぞって立ち上がれば、いかなる権力の支配の歴史も、音をたてて崩れていく。(拍手)
 ブラジルの有名な格言に、こうある。
 「正義であれ! しからば強者とならん」と。
 正義によって立つことほど、強いことはない。その証明をしておられるのが皆さまである。
 全国のあの町でも、この村でも、わが創価の神々しき友は、正義によって立ち、見事に勝利した。同志と称え合い、友を、後輩を、最大にほめ称えていただきたい。(拍手)
6  「この世をよくするために私は生まれた」
 かのアンドレ・マルロー氏も最大級に賛嘆した「人類の未来都市」ブラジリア連邦区から、ただ今、「名誉市民」の栄誉を私ども夫婦に賜った。
 私は、全会員の皆さまとともに、代表として、お受けしたつもりである。おめでとう!(拍手)
 ブラジル史上初の女性議長であられるルシア・カルヴァリョ先生! 並びに、著名な実業家であられるアマウリ・バーホス先生(議会補佐)! はるか一万七千六百六十キロの彼方のブラジルから、本当に、ようこそ、お越しくださいました。(拍手)
 両先生のご厚情を、私どもは、一生涯、忘れることはないでしょう。また、それにお応えしていく決心であります。
 議長は、四人のお子さんを育てながら、「女性やお年寄りの権利」のために、また「環境保護」のために、そして「青年の教育」のために、常に先頭に立って行動してこられた。教育者としても大変、有名な方であり、私のもとにも、しばしば、地元のブラジルSGIの友から賛嘆の声が寄せられている。
 人の何倍もお忙しいなかにあって、カルヴァリョ議長は、「心が大きければ、すべて、やりがいがあります」と、一切を生き生きと、やり切っておられる。
7  古代ローマの哲人(セネカ)の箴言に、こうある。
 「働くということは、高貴なる心の滋養なり」と。
 議長は、教育や人権、環境などに関する重要な法案を、この八年間の議員生活で、じつに五百件以上も次々と提出してこられた。この実績は、燦然と輝きわたっている。政治家の手本である。(拍手)
 なかでも、ブラジリアのブアルケ知事とともに、「恵まれない子どもたち全員に、もれなく奨学金を支給し、学校教育を受けさせる」という大偉業を実現された。これは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)も「世界の模範」として絶賛している。(拍手)
 (ブアルケ知事からはブラジリアへの招聘状が名誉会長夫妻へ寄せられている)
 なぜ、議長の改革は一つ一つ結実していくのか。その決め手は、ただ、「民衆のために戦う」という「確固たる信念」と「確固たる哲学」を持っておられるからである。
 これが真の政治家である。言葉でも格好でもない。「民衆のために死んでいく」覚悟で行動しなければ、何の歴史を残せようか。
 「確固たる信念」は、すなわち「行動」となる。「確固たる哲学」は、すなわち「行動」となる。民衆のために命を捧げ、行動してこそ「指導者」である。
 反対に、民衆に苦労させ、民衆を利用して、自分が偉くなろうというのは、裏切りの指導者である。そんな名聞名利の権力者に対しては、民衆が毅然と立ち上がり、叱り飛ばす強さを持たなければならない。
 それでこそ民主主義であると思うが、どうだろうか。(拍手)
8  議長は、こう語っておられる。
 「人が、この世に生まれてきたのは、何のためか。それは、この世界をより良くし、進歩させ、不平等をなくすためです。毎朝、起きるたびに私は、自分の使命について考えます。戦争を起こしたり、地球の環境を破壊したりする政治を変革するために、権力に対し訴える行動を助けるのが、私の使命であります」
 なんと気高き「人間主義の行動者」であろうか。
 わが創価学会婦人部と同じ情熱に燃え、同じ歩みで進まんとされる崇高なる議長を、私どもは、万雷の拍手で称えたい。(拍手)
9  「語りましょう! 人類のために」
 きょうは、ロシアSGIの同志も来ておられる。(拍手)
 八年前(一九九〇年)の七月二十七日、私は、モスクワのクレムリンで、ゴルバチョフ大統領と初めて会見した。会うなり、私は言った。
 「きょうは、大統領と″けんか″をしにきました。火花を散らしながら、何でも率直に語り合いましょう! 人類のため、日ソのために!」
 大統領は、にっこり笑って応じられた。
 「わかりました。やりましょう!」
 一流の人は、反応が速い。ただちに胸襟を開いて、友人になることができた。
 会見は、朝の十時半から一時間十分にわたった。席上、大統領は「ソ連の最高首脳として初めて、翌年の春に訪日する」意向を明かされた。
 当時、訪日が実現するかどうかは微妙であった。その焦点の問題について、大統領自身が明言してくださったのである。重要な意義があった。
 この第一報を、午後七時(モスクワでは午後二時)のNHKニュースに間に合うように、迅速かつ正確に発信されたのが、当時、モスクワ支局長であった小林和男氏である。テレビでお馴染みの名キャスター、名解説者でもあられる。記者会見に向かうエレベーターで、ご一緒したことも懐かしい。
10  米ソ会談の秘話――一言の大切さ
 その小林氏が、先日、近著を贈ってくださった。
 『エルミタージュの緞帳どんちょう』(日本放送出版協会刊)という本である。一気に読ませていただいた。感銘した。
 小林氏は、これまでジャーナリストとして数多くの賞を受けておられる。この本も「日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞した力作である。
 味わい深いエピソードや視点は、枚挙にいとまがない。その一つに、小林氏が取材した「ゴルバチョフ氏(当時、ソ連書記長)とアメリカのレーガン大統領との首脳会談」の秘話がある。
11  一九八六年。舞台は、アイスランドのレイキャビク。今後の世界の行く末を占う焦点の会談であった。皆、かたずを飲んで見守っていた。
 しかし、会談は、ほとんど物別れの状態で、失敗に終わってしまった。ところが、終了後に行われた記者会見で、ゴルバチョフ氏は、会談を「決裂」とは言わなかった。「将来への話し合いの第一歩だった」と位置づけたのである。
 この微妙にして絶妙な表現を、小林氏は聞き逃さなかった。この鋭さに重大な意味がある。
 小林氏は後に、この折のことを、ゴルバチョフ氏にインタビューで聞く。
 ゴルバチョフ氏は答えた。
 「記者会見場に入ったとき、異様な雰囲気がすぐにわかった。みんなに失望の顔色が見えた。『物別れ』とはとてもいえなかった。そうだ『次の話合いへの第一歩だ』といえばいい。そう、とっさに考えた」
 決裂ではない。まだ話し合いはできる。こう皆に、わかってもらおう。そのために、言葉を選び、含みのある表現をしたというのである。絶妙な呼吸である。
 ゴルバチョフ氏の記者会見の前、アメリカ側は「会談は決裂だった」と言っていた。しかし、この発言を聞いて、会談の評価を前向きに修正していった。
 小林氏は、こうした「ちょっとした一言」の役割を見落とさない。
 「冷戦が崩れていく兆しは、こんなちょっとした気配りからも始まっていた」と洞察しておられる。さすがである。
 ゴルバチョフ氏に関しては、私も、端々の言葉から「なるほど、こう考えておられるのか」と、言外の深い思いを感じとったことが、しばしばある。「戦争を欲していない」という真情も察することができた。
12  事態が、いい方向へいくか、悪い方向へいくか――それは「ちょっとした一言」で決まってしまう。じつに微妙である。
 ゆえに、「渉外」とか「外交戦」においても「智慧ある一言」が大事である。
 焦点のない、だらだらした話では、何の価値もない。いわんや、傲慢な態度や、だらしない態度では笑われてしまう。
13  同志に対しても、その人の「一言」を、どう読みとるのか。さらに、その人に、どういう「一言」を投げかけるのか。ここに深い思いを巡らしてこそ、指導者である。
 この人はいったい何を心配しているのだろう。何を言いたいのだろう。何を考えているのだろう。何を欲しているのだろう――それを鋭く察してあげる。知ってあげる。わかってあげる。キャッチしてあげる。ここに指導者の心労がある。
 要は、この人を何としても育てよう! 助けてあげよう! 守ってあげよう!――この強き一念をもっているかどうかである。その「慈愛」から「智慧」は生まれる。
14  「こんな理不尽が続くものか!」
 小林氏は、チェコのハベル大統領についても書いておられる。
 ハベル大統領には、私もお会いした(十九九二年四月二十四日、東京・迎賓館で)。忘れえぬ方である。
 東欧民主化の象徴となった「ビロード革命」(八九年)の中心者として有名である。
 小林氏は、ハベル大統領に、「過酷な獄中闘争を支えたものは、いったい何であったか」と質問した。
 大統領は答えた。それは「妻の手紙」であり、もうひとつは自分の正しさへの「確信」であった――と。
 「私がなぜ獄中にいるかわかっていたからです。私がやってきたこと、私が信じてきたことは正しい。一方、私を獄に閉じこめている側の人たちは明らかに間違いを犯している。私にはそのことがはっきりわかっていました。私が正しいために獄につながれている。こんなことは永久に続くものではないと思っていました」
 ″自分は正しい。間違っているのは、やつらだ!″。この「確信」で生き抜いた。戦った。″こんなことが、いつまでも続くものか。必ず自分の正義を証明してみせる!″と。
 お会いした大統領は、じつに柔和な方だったが、内に燃える情熱は熱い。
 なぜ迫害されるのか。正しいことをしているからである。正しいからこそ、悪から迫害され、嫉妬されるのである。
15  小林氏ご自身、ジャーナリストとして、万般にわたって、「こんなはずはない!」「こんな道理に合わないことが、長く続くはずはない」という感覚を大切にしてこられた。
 また、ロシアの大地には、共産主義の独裁のもとで、「こんな時代が長く続くはずはない」と確信して、危険を恐れず、偉大な芸術文化を守り抜いた人々がいた。小林氏は、そうした隠れたドラマにも光を当てておられる。
 こういう人々の「偉さ」を、永久に伝えていきたい――。小林氏の思いは、本の題名である「エルミタージュの緞帳」にも表れている。
 (緞帳には、革命政権が倒したロマノフ王朝の紋章がある。王朝のすべてを抹殺した共産主義独裁の約七十年間、この美術品はどう生き延びてきたのか。誰が守り続けてきたのか。作業した人々は何を思ったのか――それらの秘話がつづられている)
16  小林氏が、ジャーナリストとして出発して以来、目標としてこられたことは何か。それは「直接、人に会って取材をする」ことであった。
 当然のことのように思う人もいるかもしれない。しかし、この当然のことが、あまりにも実行されていないのが現状なのである。
 会いもしないで、その人のことを書く――それが「ジャーナリスト」と言えるだろうか。(拍手)
 小林氏は、また「毎日、誰か、新しい人に会う」――これが私の目標ですと書いておられる。
 「新しい人」に会えば、自分が開かれる。何か刺激があるし、進歩がある。
 学会のリーダーである皆さまも、心して、どんどん人に会っていただきたい。会ったことのない人に会っていただきたい。これが「開けゆく人生」の生き方である。
17  「気迫」が歴史を動かす
 きょう、ブラジルから来られたバーホス先生が尊敬しておられるのは、ガンジーである。
 ガンジーいわく。
 「その使命に対する抑え難い信念によって火がつけられた、決然とした人々からなる小さな団体は、歴史の流れを変えることができる」(『私にとっての宗教』浦田広朗ほか訳、新評論)
 見かけの人数ではない。一人一人が、本当の使命感に燃えているかどうかである、と。さすがに、ガンジーの目のつけどころは違う。
 創価学会も「小さな団体」であった。しかし、決然と信念に燃えていた。だから大発展した。だから歴史の流れを変えてきた。(拍手)
 アメリカ・ルネサンスの哲学者エマソンは言う。
 「気迫」という力について、「歴史上、めざましい行為や偉業はすべてこの力を用いてなされた」と(「力」小泉一郎訳、『エマソン選集』3所収、日本教文社)。
 「気迫」で決まる。格好や形式で決まるのではない。どんな、いい洋服を着て、立派そうな姿をしても、人の心はつかめない。話だって、原稿の棒読みでは、何も伝わらない。
 堂宇を揺るがすような「気迫」の叫びができなければ、悪を打ち破る戦いはできない。
 「気迫」である。その力は本当の「信念」から生まれる。民衆のために命を捨てる覚悟から生まれる。
18  さらにエマソンは言う。
 「古来熱心さがなくて偉大なことが達成されたためしはない」と(「円」入江勇起男訳、同選集2所収)。
 私どもは「熱心な信仰だったから」「広宣流布の闘争に熱心だったから」――だから勝ったのである。
 だから、これほどの世界一の学会になった。どんなに弾圧しようと、学会は微動だにすることなく、今や日本の平和の「柱」となった。
 使命感に燃えた人々――我が創価学会こそが歴史の流れを変える団体であると宣言しておきたい。(拍手)
 広宣流布は「末法万年」である。我らの舞台は「全世界」である。
 日本のちっぽけな争いなどは悠々と見おろして、広布の基盤を着実に固めながら、我らは「世界へ」「世界へ」と進んでまいりたい。(拍手)
19  民衆万年の幸福へ、青年の出番!
 きょうはブラジリアから、牧口先生、戸田先生にも特別の顕彰を賜り、これほどの喜びはない。(拍手)
 牧口先生は言われた。
 「現代のことは政治家の応急手当に一任し、吾々は未来に望を嘱して(=望みをかけて)子孫の計を立てんのみ」(「教育改造論」『牧口常三郎全集』第六巻)
 政治家は応急手当、つまり一時しのぎであり、未来に希望を託して「子々孫々の計」を立てるのは我々であると。教育者をはじめ、民衆自身である。
 また戸田先生いわく、「民衆万年の幸福を確立することが、創価学会の使命である」。(昭和三十年〈一九五五年〉十月四日、大阪・堺での講演)
 皆さん、どうだろうか。(拍手)
 目先の小さな動きに一喜一憂するのは愚かである。本当の創価学会の心は、そんな小さなものではない。
 ともあれ、今、青年部が立ち上がった。先駆して戦った。強くなった。「新しい扉」は開かれた!(拍手)
 これからも青年は陸続と立ち上がっていくであろう。皆で青年部を励まし、見守っていきたい。
 今や完全に「新しい時代」に入った。「新しい人材」を育て、「新しい光」を輝かせ、「新しい未来」を創造してまいりたい。
 年老いた世代は、いつかはいなくなる。青年しかない。青年部の諸君が、断じて広宣流布の全責任を担い立っていただきたい。未来は、すべて諸君のものである。
 学会本部としても、二十一世紀を展望しながら、中央と地方の人事、また全てを含めて、「機構の充実」「新しい態勢」を推進してまいりたい。秋谷会長を中心に各方面長と協議を重ねながら、建設的な手を着々と打っていただきたい。二十一世紀のために。民衆が輝く「創価の時代」をつくるために。(拍手)
20  「魂を嫉妬に毒されるな」とシェークスピア
 シェークスピアいわく、「貧しくても心満ちたりたものは富んでいます、十分に。かぎりない富をもつものもいつ貧しくなるかとつねに怖れをいだけば、冬枯れのように貧しいと言えます。あらゆる人々の魂がどうか嫉妬にだけは毒されませんように」(「オセロー」、『シェイクスピア全集』1〈小田島雄志訳〉所収、白水社)
 「心満ちたりた人」。その人こそ「富める人」である。
 「つねに怖れをいだく人」。その人は「貧しい人」である。
 大事なのは「心の財」である。「信心」なのである。
 「信心」を失えば、心は貧しくなり、卑しくなる。広宣流布へ「一緒に闘争しない人」は、「冬枯れのような人」になってしまうのである。
 「嫉妬に毒されてはいけない!」と、シェークスピアは言う。その心配通りの「嫉妬の日本」である。
 皆さんは同志を絶対に嫉妬してはならない。妙法を持った同志は「無量無辺の″最高の財宝″を持った人」なのである。「広宣流布をする人」であり、「世界でいちばん尊い方々」だからである。
21  ゆえに幹部も、同志の皆さまを尊敬し、感謝し、「ご苦労さまです」「ありがとうございます」「お体を大切に」と、真心で接していかねばならない。「あれは、まだか」「これは、どうなっているのか」などと、いばる資格は絶対にない。
 皆、幸せになるために学会に入ったのである。幸せになるための学会活動である。
 同志から、心から尊敬され、信頼されてこそ幹部である。傲慢に命令しているだけでは、学会利用であり、信心利用である。
 結びに、心から敬愛するブラジリアの無限のご繁栄と、議長ご一行のご健勝を深くお祈り申し上げたい。また大切な同志の皆さまのご健康、ご活躍を、心から念願しております。
 では、八月の幹部会で、元気で、またお会いしましょう! 音楽隊も、海外の皆さんもありがとう。
 ブラジリア万歳! ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で大変にありがとうございます)
 (東京牧口記念会館)

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