Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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ロッキー・マウンテン桜総会 「楽観主義」で人生を広々と

1996.6.9 スピーチ(1996.6〜)(池田大作全集第87巻)

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1  ついに来りて君と握手を
 遠いところ、本当にご苦労さま。私も、やっと皆さまにお会いできました。遠い道のりをやってこられて、お疲れのことと思う。きょうは、ゆっくり疲れをとるための総会にしていただきたい。
 遠くからこられた分、全部、功徳に変わる。何ひとつ無駄はない。何ひとつ犠牲はない。これが妙法である。御書には「道のとをきに心ざしのあらわるるにや」と仰せであり、遠い道をかよって仏法を聴く功徳が説かれている。
2  記念に和歌を贈りたい。
  開拓の
   心燃えゆく
     デンバーに
   ついに来りて
     君と握手を
   
  アメリカの
   世界広布の
     歴史たる
   今日のデンバー
     天地晴れたり
  
  デンバーの
   友の笑顔を
     大聖人
   笑みをたたえて
     護り讃えむ
 また「ロッキー・マウンテン五項目」を提案申し上げたい。
  一、みんな仲良く!
  一、みんな明るく!
  一、みんな無事故で!
  一、みんな健康で!
  一、みんな幸福に!
      (参加者が賛同の挙手)
 デンバーは素晴らしい。街も広々とし、空気も皆さまの心のように本当にきれいである。ロッキーの山頂の白雪と、まばゆい緑との対照も、じつに鮮やかで美しい。
 また、デンバーは、大平原に位置し、″平原の女王都市″とも呼ばれている。
3  皆が仲良く、魔名が幸福に
 アメリカの女性詩人ローラ・デュバルは、デンバーを美しく謳い上げている。
 ここデンバーには最優秀の学校がそろい、優れた教育と文化を提供する。
 いざ来れ! このはるかな黄金の西部の素晴らしい贈り物を、我らと分かち合うために。
 ひとたびデンバーを訪れたならば、コロラドの空気の虜となって、あなたはここに留まるだろう。
 その空気は、あなたに未来の富と、この上ない健康をもたらしてくれる。
 ほめたたえよ!
 ″平原の女王都市″を。
 輝ける名声を誇るデンバーで、魔法のような魅力にとりつかれて暮らす喜びを!
 (``COLORADO IN VERSE AND PICTURE''LAURA S.DUVAIL)
 この素晴らしい天地で戦う皆さまこそ、幸せな方々である。
4  力強く「獅子吼」の唱題を
 妙法の祈りは必ず叶う。
 日寛上人は述べられている。
 「しばらくもこの本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、すなわち祈りとして叶わざるなく、つみとしてめっせざるなく、福としてきたらざるなく、理としてあらわれざるなきなり」(文段四四三㌻)
 「祈りとして叶わざるなく」である。
 祈りを叶え、夢を叶え、だれよりも幸福になっていくための仏法である。人生を勝利するための仏法である。祈りが叶ってこそ真の仏法である。
 信心という「幸福の種」を植え、大切に育てていけば、必ず「実」がなっていく。ただし、きょう「種」を植えて、「明日、実が欲しい」と言っても、それは無理である。仏法は道理である。
 道理にのっとった信心即生活を続けていけば、絶対に祈りは叶っていく。これが日蓮大聖人の御約束である。日蓮大聖人だけは絶対に、うそをつかれない。
 また「罪として滅せざるなく」である。どんな罪も妙法の力で消える。消えて功徳に変わる。
 「福として来らざるなく」である。どんどん福運がついてくる。最後には必ず、すべて「所願満足」の軌道になってくる。
 そして「理として顕れざるなきなり」と。
 すべての正しい道理が、法理が、厳然と生活の上に顕れ、証明される。必ず現証が顕れる。そして「人生の達人」となり「生活の博士」となる。この四つを、自分自身の一生で立派に証明していただきたい。
5  「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」と大聖人は仰せである。
 ライオンがえるような「力強い」題目が、諸天善神を揺り動かしていく。声が大切である。声は力である。
 奥さんが、ご主人を叱る時にも、弱々しい声では効果がない。「あなた!」と家中に響きわたるような声が大事であろう。
 もちろん近隣の迷惑になってはいけないが、朗々たる、十方の諸天・諸仏にまで響いていくような力強い唱題を心がけていただきたい。
 人生は楽しむためにある。悲観主義ではいけない。常に楽観主義で、楽しく、強く、明るく、生き抜いていく。そのための信仰なのである。
6  デンバー大学の伝統――学問の前に皆平等
 昨日(六月八日)、学問のパイオニア精神みなぎるデンバー大学から、「名誉教育学博士号」を受章した。
 教育の称号ほど世界性、普遍性のある栄誉はない。この誉れを私は、わが偉大なる創価の開拓者である皆さま方と分かち合いたい。
 儀式は屋外で行われ、まことに開放的かつ格調があった。太陽は燦々さんさんと輝き、月も天空にあった。太陽は情熱、月は知性を象徴している。ロッキー山脈は厳然たる信念の姿を見せていた。風は戦いの憩い。木は学びの場。屋外で行われるのは、社会の第一線に出ていくという意義があろうか。
 席上、私が着用したデンバー大学のガウンと帽子にも、それぞれ深い伝統の意義づけがなされていた。
 すなわち、ガウンは「学問の民主主義」を象徴している。それを着用することで、その下のさまざまな衣装や社会的地位の違いは、すべて覆い隠される。学問の前では、皆、平等であることを示している。また帽子は、ローマの法律が奴隷を解放した時、人々が帽子をかぶる権利を獲得したことに由来する。「学問することの自由と責任と尊厳」を象徴しているという。
 日寛上人も、僧侶の「衣」の意義について、本来″仏道修行の作業衣″であり、″広布の行動服″であると定められた。それがいつしか、信徒を見くだす権威の象徴となってしまった。
 ガウンも帽子も、いわゆる権威の象徴ではない。「民主」と「自由」と「平等」の象徴として語り伝えられている。素晴らしい校風である。
7  デンバー大学のリッチー総長は、無償で教育に奉仕されている希有の教育者であられる。
 また、デンバー大学で、二年前、皆さま方アメリカSGI(創価学会インタナショナル)の「環境と人間展」が開催された折にも、来賓としてあたたかな賛辞を寄せてくださった。皆さまが、ご存じの通りである。
 昨日の卒業式で、総長は、こうあいさつされた。
 「″自己″を超えた人生の目的観をもつことが、健全で幸福で充実した人生を生きるための最高の道である。自己中心主義は、健全でなく、たいして楽しいものでもない。皆さんが、もしまだ見つけていなければ、情熱を傾ける対象を見つけてほしい。そして、それを貫いていってほしい。これが私の願いであり、一人一人の責任として感じていただきたいことである」
 総長の言葉は、卒業生の心に深く刻まれたに違いない。と同時に、日々、尊い″奉仕の人生″を貫いておられる皆さま方を、私は重ねて、たたえたい。
8  また総長とは、卒業式後の懇談でも種々、親しく語り合った。
 ある時、総長は語っておられる。
 「学生の人生を変えるのは、講義ではなく、人間である。だからこそ、常に学生と交流しゆく、教授の存在が重要なのである」
 ここに、総長が強調するデンバー大学の精神がある。
 また総長ご自身、若き日に、良き学問の恩師に恵まれた経験をもつ。
 総長がハーバード大学で学んでいたころ、アジアからの留学生がいた。その留学生の人権運動に共感した総長は、ともに運動に取り組む。
 運動に熱心なあまり、総長は授業に出ず、落第すれすれとなる。そのことを心配した担任の教授が、″今は勉強する時だ″と全体観に立って指導してくれた。そればかりか、毎日、個人教授をしてくれて、勉強の遅れを取り戻させてくれた。その教授の献身があったゆえに、自分は大学を落第せずに社会人となることができた、と。
 こうした強い原体験があるゆえに、「とくに青年には、人生の経験豊かな指導者、師匠の存在が不可欠である」と総長は強調される。
 「今、自分が教育に献身するのは、そうしたお世話になった人たちへの恩を返しているのです」と。これが総長の信念である。
 人間こそが、人間を育てられる。人間だけが人間を幸福にすることができる。
 皆さま方も、そういう「人間教育者」として、多くの後輩を立派に育てていただきたい。
 かつてデンバーは、(黄金を求めての)ゴールド・ラッシュで有名であった。今は広宣流布の「金の人材」のラッシュが始まったと私は思う。
9  皆さま方は″大聖人の子ども″である。御本仏の仏子である。これ以上、尊い方々はおられない。
 私は一生涯、皆さまの幸福と勝利、健康と長寿を祈り続けていく。
 ロッキー・マウンテンの無限の天空が、皆さまの無限の希望を象徴している。
 どこまでも楽観主義で、世界一、愉快で、仲の良いロッキー・マウンテンであってほしい。
 きょう、お会いできなかった方々に、くれぐれもよろしく伝えていただきたい。
 またお会いする日まで、全員がお元気で!

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