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日蓮大聖人・池田大作

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「11・18」創立記念勤行会 学会の使命は「平和の大計」と「民衆の幸福」

1995.11.18 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

前後
2  全同志の真心の題目に包まれて、アジア歴訪の旅を無事、成功裏に終えることができた。厚く御礼申し上げたい。
 交流団に参加された方々からも、すでにご報告があったと思うが、アジア各国のメンバーは、皆、大変に意気軒高である。
 「私たちは元気いっぱいです。日本の皆さんに、どうか、くれぐれもよろしくお伝えください!」との伝言があったので、お伝え申し上げたい。
 また世界各国から「創立の日」への祝福のメッセージが続々と届いている。いずこの国、いずこの社会でも、SGIは、平和と文化と教育の運動体として完璧に根を張っている。
 戸田先生は宣言された。
 「百年の大計、いな、何千年の平和の大計をたて、もって、日蓮大聖人様の御恩に報ずるとともに、民衆万年の幸福を確立することが、創価学会の使命である」まさに、この宣言の通り、人類の平和と幸福の大道を、全世界に開いているのがSGIなのである。
3  「精神の自由」はだれ人も縛られない
 本日は、創立の父・牧口先生の御命日でもある。
 狂った軍部権力の脅迫にも恫喝にも、牧口先生は、いささかも動じなかった。
 先生の悠然たる大境涯をしのぶ時、私には古代ローマの哲人エピクテトスが語った話が浮かんでくる。(『世界大思想全集』3所収の「語録」春秋社刊から要約)
 それは、暴君と賢者の対話である。
 暴君が、居丈高いたけだかに「お前の足を縛るぞ!」と脅かしてきた時、どうするか。
 その時、自分の足を大事に思う人間は「あわれみをかけてください。許してください」と泣く。
 しかし、自由な意思を重んじる賢者は、暴君に対してこう答える。
 「もし、あなたの得になると思うなら鎖をつけるがよい」
 思いがけない反応に暴君は驚く。
 「なんだと? お前は、わしのことを何とも思っていないのか?」
 賢者は応じる。「ええ、何とも思っておりませんとも!」
 暴君はいきりたつ。「わしが、お前の主人であることを思い知らせてやるぞ!」
 賢者は悠然と答える。
 「どうして、あなたが私の主人であり得ましょうか。私は、もともと『自由な人間』として生まれたのです。私の主人は私自身です。
 あなたが私の主人だというなら、それは、私のぬけがらの主人に過ぎません。ぬけがらがほしければ、勝手に取っていくがよい!」
 暴君は、ますます躍起になる。
 「お前は、わしに仕えることを欲しないのか?」
 賢者は「その通り! 私は欲しない。あなたを認めよというならば、よろしい、台所の壷くらいには認めよう!」と。
 痛快な話である。この話を伝えたエピクテトスは、もと奴隷であったが、学びに学び、解放されてからは教育に従事した。権力者に追放されたこともあったが、追放した者のほうが「心の奴隷」であったといえよう。
4  どんなに権力・権威を振りかざそうとも、まことの賢者には通用しない。
 「魂の自由」は、だれびとにも縛れない。「心の王国」は、何ものにも侵されない。
 いわんや、絶対に私どもの「信心」を侵すことはできない。ゆえに「信心」で戦い、「信心」で勝つことである。「信心の王者」こそ永遠の勝利者である。「信心」こそ創価学会の魂なのである。
 反対に、傲慢な権力は、一時の幻である。あぶくのごとく、はかない。そのむなしさを見破ってしまえば、恐れるものは何もない。あわれみながら、悠々と笑い飛ばしていけばよいのである。
 日蓮大聖人は「臆病にては叶うべからず」と仰せである。
 「勇気」の信心にこそ功徳がある。臆病では祈りもかなわない。
 「勇気」さえあれば、「信心」で乗り越えられない山など絶対にないのである。これが日蓮大聖人の仏法であり、大聖人の御言葉だけは断じて間違いがない。
5  楽しめ人生を!妙法は「変毒為薬」の法
 人生には、悲しみもある。苦しみもある。山もある。川もある。谷もある。しかし、悲しみの川が深ければ深いほど、苦しみの山が大きければ大きいほど、それを乗り越えた喜びは深く、幸せは大きい。
 まして、妙法は「変毒為薬へんどくいやく」の法である。「毒」をも「薬」に変える不可思議の法である。ここに妙法のすごさがある。
 牧口先生は、獄中からのお手紙に大確信を記しておられる。
 「必ず『毒が変じて薬りとなる』御法門を信じて安心してくらしおります」
 「信仰さえして居れば必ず『変毒為薬』は経文通り、今までの通りと、信じて居ればこそ、この冬を元気で、くらせたのです」
 牧口先生の獄死が悲劇であったことは間違いない。しかし、まさにこの「大法難」が変毒為薬され、不滅の「栄光の歴史」となった。
 牧口先生のこの闘争があり、私どもが、そのあとを、まっすぐに進んでいるからこそ、アジアの民衆が、また世界の良心が、創価学会に絶大の信頼を寄せているのである。
6  この世界を「諸行無常しょぎょうむじょう」と説くのは爾前経である。この世界を「常楽我浄じょうらくがじょう」と説くのがまことの大乗仏教であり、法華経である。
 われわれもまた、日蓮大聖人の教えのとおりに、牧口先生のごとく、すべてを「変毒為薬」してまいりたい。仲よく、どこまでも仲よく、「常楽我浄」の三世の旅を続けてまいりたい。
 私どもは御本仏の大慈悲に抱かれた御本仏の仏子である。御本仏を信じ、御本仏の仰せの通りに、広宣流布へと働いている。その私どもを御本仏日蓮大聖人が守ってくださらないわけがない。皆さまが断じて幸福にならないわけがない。
 必ず幸福になり、必ず仏になるからこそ、今、障魔との戦いがある。三類の強敵との闘争がある。この仏道修行をやり切ってこそ、永遠の福徳が固まるのである。ゆえに断じて退してはならない。
 生命は永遠である。御書の仰せのままに、朗らかに、楽観主義で、前へ前へ、堂々と前進してまいりたい。
7  創価学会が、どれほど偉大な平和の団体であるか──。これからが、学会の真価、学会の底力が世界に輝きゆく本舞台である。いよいよおもしろくなる。
 どうか、お一人お一人が、体も鍛えて、長生きして、人生を心から楽しみながら「偉大なる創価」の証明役として生ききっていただきたい。
 名古屋西区万歳! 大中部万歳! 全世界の創価学会万歳! と叫んで、祝賀のスピーチとさせていただく。きょうは本当におめでとう!

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