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日蓮大聖人・池田大作

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関西最高協議会 「健全なる人間性」の土壌を社会に

1995.5.23 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

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2  生活に、地域に、信頼の根を張り
 大阪・兵庫には、沖縄の出身の方も多いと伺っている。
 美しき″平和の要塞″沖縄研修道場には、「タコノキ」という木がある。この木を通して、少々お話ししたい。
 「タコノキ」は幹の下部から何本もの気根きこん(空気中に出ている根)をタコの足のように出して、ガッチリと大地に「根」を張っている。ゆえに、海からの強風にさらされても、びくともしない。
 学会の強さも同じである。学会は、民衆の大地に、どっしりと「根」を張っている。ゆえに、いかなる圧迫にあっても揺るがない。学会の勝利は、まさしく民衆の勝利なのである。
 植物の根っこは、目に見えないところで、全体を支え、守り、全体に活力を送り、栄えさせている。
 それだけではない。根っこは周囲の環境をも変える。すなわち、根っこは、自分が根を張ったその場所の″土壌″をも豊かにしていく。
 たとえば、松の木などのように、硬い岩場でも、食い込んで育っていく木がある。その根っこは生長しゆく強い圧力で、少しずつ岩を砕いていく。
 また根っこは、盛んに呼吸をして炭酸を出したり、酸を分泌して溶けにくい鉄などの成分をも徐々に溶かしてしまう。そうやって硬い岩石をも突き崩し、土に変えていくのである。
 広布の運動にあっても、地域に、社会に、根を張ることが大事である。特に、近隣を大切にし、近隣に″人間としての信頼″を広げゆくことを忘れてはならない。
3  一方、砂丘などのやせた不毛な土地に進出した植物は、まさに先駆者としての使命を果たす。その根っこは生ある限り、周囲の土の中から、わずかな養分をもかき集め続け、そして死んでいく。そのように、みずからの体に蓄えた滋養によって、その土地を肥沃にし、次の世代に譲っていくのである。
4  昭和二十六年(一九五一年)五月三日、戸田先生の指揮のもと、創価学会は、戦後社会の荒廃した精神の土壌を変えゆく運動を本格的に開始した。
 あの地でも、この地でも、わが同志は勇敢に「根」を張っていった。なかんずく関西の友は、けなげであった。偉大であった。
 「健全なる宗教」こそが、「健全なる人間性」を育む土壌をつくり、「健全なる文化」を生む。
 妙法によって、人類の精神を潤し、耕しているのが私どもの広宣流布運動である。その栄誉、その使命、その福徳は、計り知れないことを確信していただきたい。
5  「母の一子を思うが如く」諸天は″広布の人″を護る
 若葉の季節のことである。大聖人は、妙密上人夫妻に御手紙を送られた。大聖人に真心の御供養を重ねた功労者であった。
 大聖人は、まじめに信仰を貫く在家の門下を最大に尊ばれ、「上人」と呼びかけておられる。
 「行躰ぎょうたい即信心」である。広布のために行動している人が、一番尊貴なのである。御手紙の中で、こう仰せである。
 「国中の諸人・一人・二人・乃至千万億の人・題目を唱うるならば存外に功徳身にあつまらせ給うべし、其の功徳は大海の露をあつめ須弥山の微塵をつむが如し、ことに十羅刹女は法華経の題目を守護せんと誓わせ給う、此を推するに妙密上人並びに女房をば母の一子を思ふが如く・犛牛みょうごの尾を愛するが如く昼夜にまほらせ給うらん、たのもし・たのもし
 ──国中の人々に、一人から二人へと妙法が広がり、やがて千万億の人が題目を唱えるようになれば、思いもよらぬほどの功徳が、あなたの身に集まることでしょう。その功徳は、あたかも、露を集めて大海となり、微塵を集めて須弥山となるようなものです。
 ことに(諸天善神である)十羅刹女は、法華経の題目を唱える人を守護すると誓いを立てられました。このことから推察すると、十羅刹女は、妙密上人ならびに夫人のことを、母が、ただ一人のわが子を思い、犛牛みょうごという牛が自らの長い尾を大事にするように、昼夜にわたって守っておられることでしょう。頼もしいことです。頼もしいことです──。
 末法万年に先駆けて、妙法を唱え、妙法を弘めゆく学会員が、いかに大切な存在であることか。この崇高な仏子の集いを、諸天が厳然と守らないわけがない。
 この尊き仏子を大事にし、たたえ、励ましゆくところに、威光勢力が限りなく増していくのである。
6  信心が″勢い″を、″勢い″が勝利を生む
 大聖人は、この妙密上人に、″春を留めようと思っても、必ず夏が来るように、広宣流布への流れは絶対に止めることができない″と教えておられる。
 勢いある水の流れが、やがて大河となり大海となる。広布の戦いにあって重要なのは″勢い″である。「獅子王」のごとき″勢い″である。その″勢い″を生む根本は、信心である。
 戸田先生もよく「戦いは、勢いがあるほうが勝つ」と言われていた。
 常勝関西の″勢い″が、日本、そして世界の広布をリードしていく。学会は関西を軸として、みずみずしい若草のように、また若葉のように、はつらつたる生命力で、いよいよ″勢い″を増していく。不思議な勝利のリズムである。
 希望の春から、凱歌の夏へ、さらに勢いよく前進していきたい。
7  「知恵の時代」である。「知恵」こそ「幸福」への原動力である。
 幸福の中身は「美」「利」「善」の価値と言える。知恵があれば、一切を「美」の方向へ、「利」の方向へ、「善」の方向へと向けていける。
 「皆が幸福になるための知恵」。それを分かち合うために、私もスピーチしている。しかし、私の言葉を単に伝達したり、口まねしているだけでは、「知恵」は得られない。思索し、行動して、自分のものにしていただきたい。
 「民衆を幸福にする知恵」は「民衆を幸福にする行動」の中でしか得られない。広宣流布の最前線で、自ら語り、ともに祈り、苦労した分だけ、「知恵」を自分のものにできるのである。
8  「健康」で「無事故」の日々であっていただきたい。
 四十代半ばまでは″鍛え″の年代かもしれない。しかし、それ以上の年齢になれば、むしろ自分の体力を守る″保護″に力点を置くのが人生の知恵であると思う。
 日々、はつらつと行動できるよう、睡眠を十分とり、疲れをためない工夫をしていただきたい。
 生活即信心であり、身近なところにこそ、最も大切な実証の場がある。
 また交通事故をはじめ、事故は本当に悲惨である。事件が増加している地域もあると聞く。夜は早めに帰宅していただきたい。
 会合は午後八時半終了、九時には解散が学会の原則である。特に婦人部・女子部の方々は夜遅くの活動は絶対にあってはならない。
 全同志の皆さまが、健康で無事故で、長寿の人生を楽しく満喫してほしいと念願し、記念のスピーチとしたい。″常勝四十周年″開幕、おめでとう!

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