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日蓮大聖人・池田大作

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第19回SGI総会 SGI運動は″人間を輝かせる″闘争

1995.1.31 スピーチ(1994.8〜)(池田大作全集第85巻)

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1  胸中に無限の宝
 アローハ! 総会おめでとう。素晴らしい晴天おめでとう!(拍手)
 新ハワイ文化会館──皆さま方の素晴らしき″宝の城″を訪問でき、私はうれしい。
 SGI(創価学会インターナショナル)の会館は、何ものにも侵されず、仏子を守りゆく「王舎城」でありたい。今回の阪神大震災の折にも、その厳たる実証があったことは、皆さまもご存じの通りである。
 アメリカ全土、またアジア・オセアニアの各国、さらに日本から、お越しくださった皆さま、遠いところ、大変にご苦労さま。(拍手)
 そして、数多くの同志を迎え、あの忘れ得ぬ文化祭を行ってくださったハワイの皆さま、すべての役員の皆さま方に厚く厚く、御礼申し上げたい。(拍手)
 広布のための真心の行動は、自分自身の「幸せの種」を蒔いているのである。一切が、無量の幸福となって花開くことを確信していただきたい。
 たとえば王様や女王は宝を何でも持っている。だから何の不自由もなく、何を求める必要もない。
 いわんや、皆さまは、信心の王者であり、女王であられる。胸中に無量の宝が収められている。必要に応じて、その宝を取り出せば、何の不自由もない。全部、自由自在の境涯である。これが妙法という「不可思議の法」の秘術である。
2  「平和を愛する人よ、我らに加われ!」
 さて、今回、アメリカ創価大学の関係の方々が、貴重な一枚のビラを届けてくださった。それは、何と、あの史上最大の作戦とうたわれたノルマンディー上陸作戦の際、上空からフランスの市民に撒かれたビラである。
 表には、大きく「連合軍が上陸する」と記され、ナチスから民衆を解放するために、連合軍がいよいよノルマンディーに到着したことを劇的に告げている。
 このビラは、まさに、一九四四年六月六日のその日、連合軍の飛行機によって、敵の戦線を越え、田園地帯一帯に散布された。数千枚が配られたようだが、現在では、ほとんど残っていない。そのまことに貴重な一枚を、今回、届けてくださったのである。改めて、心より感謝申し上げたい。
 ビラの裏には、連合軍のアイゼンハワー将軍(のちのアメリカ大統領)が、勇敢なるフランスのレジスタンス(抵抗運動)の戦士と国民に呼びかけたメッセージが記されている。次元は違うが、今の私どもの「非暴力の戦い」にも、力強く共鳴する言葉である。
 「すべての愛国者たちよ!
 男性も女性も、老いも若きも、最後の勝利への行進において、役目を果たさなければならない。
 …… …… …… ……
 この上陸は、ヨーロッパを解放する作戦の始まりにすぎない。
 我々は、偉大なる戦いの瀬戸際に立たされている。
 我々は、自由を愛するすべての人々に、″我々に加われ!″と言いたい。
 我々の信念を揺るがすものは何もない。
 何ものにも、我々の前進は止められない。
 我々は、ともどもに勝利する!」
3  ご存じのように、このノルマンディー上陸作戦の決行された六月六日は、ちょうど、創価の父・牧口常三郎先生の最後の誕生日であった。
 七十三歳の高齢にもかかわらず、牧口先生は一歩も退かず、日本の軍国主義との獄中闘争を続けておられた。
 その弟子・戸田先生もまた、牢獄にあった。戸田先生は、この年の元日から、独房で、法華経の真髄への探究を開始された。
 この日も戸田先生は、師・牧口先生の誕生日を一人、祝されながら、「人間革命」への生命の法理を探究しておられたのではないだろうか。のちに、人類の精神を根本的に解放しゆく、あの獄中での悟達が、大きく開かれつつあったわけである。
 私どもは、この偉大なる「平和の闘士」「人権の闘士」「自由の闘士」の誉れある門下である。
 牧口先生は、悪の権力者と聖職者の結託に立ち向かい、「我々は敵前上陸するのだ!」と言われた。そして戸田先生は「追撃の手をゆるめるな!」と遺言された。
 二十一世紀の「民衆の時代」を勝ち取るために、私どもは、壮大なる「精神闘争」に、いよいよ精進してまいりたい。
4  御聖訓「法華経の行者のいる国えお諸天は喜ぶ」
 それぞれの国・地域にあって、「地涌の菩薩」たる皆さまの存在が、いかに、かけがえのない存在であることか。
 御書には仰せである。
 「日天・朝に東に出で給うに大光明を放ち天眼を開きて南閻浮提を見給うに法華経の行者あれば心に歓喜し行者をにくむ国あれば天眼をいからして其の国をにらみ給い
 ──日天(太陽)が朝、東に出て、大きな光明を放って、天眼を開いて全世界をご覧になるのに、そこに法華経の行者があれば心が歓喜し、法華経の行者を憎む国があれば、(日天は)眼を怒らして、その国を睨まれ──と。
 わがSGIの仏子が、元気に威光勢力を増せば増すほど、その社会も、国土も、必ず栄えていく。この大確信で進んでいただきたい。
5  インドの大詩人・タゴールは、七十歳の誕生会で、こう語った。
 「国は人間が創造したものです。国は土からできているのではなく、人々の心でできています。もし人間が輝いていれば、国は顕現されます」(「自伝的エッセイ」我妻和男訳、『タゴール著作集』10所収、第三文明社)
 「東西センター」の講演(一月二十六日、日本時間)でも申し上げたように、その「人間」を最高に輝かせゆくのが、「自体顕照」の妙法であり、ここにSGI運動の基調がある。
 今、たくましく立ち上がり、復興の歩みを開始した関西でも、″常勝″の関西魂を燃やした、わが偉大なる同志が輝いておられるかぎり、そこには無限の希望があると、私は申し上げたい。
6  「必ず幸せに」「そのための信心」
 わが恩師・戸田先生は、悩んでいる人、悲しんでいる人の味方であられた。先生は、一人一人を抱きかかえられながら生きられた。あるときは、御書を拝して、こう言われた。(昭和三十二年二月八日、豊島公会堂。「寂日房御書講義」、『戸田城聖全集』第七巻)
 「あせらなくてもね、この御本尊を持った以上は、必ずよくなるんだからね、心配しなくてもいいんですよ。
 少々は、苦しい時もあるさ、泣きたいような時もあるさ、あるけどもね、この御本尊をいただいているうちには、必ず、明朗な、人生になっていきます。
 (=御書には)『天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか』(天が晴れれば、大地は明るくなる。法華経を知る者は、〈太陽が大地を照らすように〉世法を明らかに知ることができるであろう)と。
 きちんと、自分の商売でもなんでも、こうやったらいいということが、わかるようになっていく。明らかになっていく。そして、必ず幸せになる。
 だから御本尊を信ずる以外にないんです」
 信心し抜けば、必ず幸せになる。何があっても、この一点を疑わないで、耐えて、耐えて、毅然と進んでいく。これが、まことの信心である。また、皆が疑わずに、安心して前進できるように励まし、希望を送っていく。これが、リーダーの使命である。
 幸福になるための信仰である。不幸へと「わき道」を行かないで、まっすぐに「幸福への直道」を歩み通していただきたい。堂々と「広宣流布の道」を進んでいただきたい。(拍手)
7  ある門下に、大聖人はこう仰せである。
 「世の中ものからん時も今生の苦さへかなしし、いわんや来世の苦をやと思し食しても南無妙法蓮華経と唱へ、悦ばしからん時も今生の悦びは夢の中の夢・霊山浄土の悦びこそ実の悦びなれと思し食し合せて又南無妙法蓮華経と唱へ、退転なく修行して最後臨終の時を待つて御覧ぜよ、妙覚の山に走り登つて四方をきつと見るならば・あら面白や法界寂光土にして瑠璃を以つて地とし・金の繩を以つて八の道をさかへり、天より四種の花ふり虚空に音楽聞えて、諸仏菩薩は常楽我浄の風にそよめき娯楽快楽し給うぞや、我れ等も其の数に列なりて遊戯し楽むべき事はや近づけり、信心弱くしてはかかる目出たき所に行くべからず行くべからず
 ──世の中がつらく感じられる時も、″今世の苦しみでさえ、このように悲しい。まして来世の苦しみはこれ以上である″と思われて南無妙法蓮華経と唱え、喜びの時も、″今世の喜びは、夢の中の夢である。霊山浄土の喜びこそ、まことの喜びである″と思い合わせて、また南無妙法蓮華経と唱え、退転せずに修行して、最後の臨終の時を待って、見てごらんなさい。
 妙覚の山(最高の悟り、最高の幸福の山)に走り登り、目を見開いて四方を見れば、ああ面白いではないか。その世界は、寂光土であり、地面は瑠璃でできており、黄金の縄で、八つの道を境としている。空から四種の花が降り、天空には音楽が聞こえ、諸仏・諸菩薩は、常楽我浄の風にそよめいて、楽しく遊んでおられる。
 我らも、その数の中に連なって、必ず遊戯し楽しめるのである。それは、もう間近である。信心が弱くては、このような素晴らしい所へは行けないのである。行けないのである──。
 かけがえのない人生である。この一生で、断じて「絶対的な幸福境涯」を勝ち取らなければ損である。そのための今世の仏道修行である。
 いつかではない。今、戦いきることである。いかなる変化にあっても、頭を上げ、朗々と妙法を唱えながら、広宣流布という大目的に徹していくことである。
 そこに、「生も歓喜」「死もまた歓喜」という、常楽我浄の三世の旅路が豁然と開かれるのである。
8  終わりに、皆さまが、「健康第一」で、また、ご長寿で、無事故で、幸福であられるよう、重ねてお祈り申し上げたい。いつも、いつも私は、そう祈っている。
 わが愛するハワイの楽土に、永遠に平和あれ! 安穏あれ! 栄光あれ! と心から叫んで、記念のスピーチとさせていただく。
 きょうを「最高に楽しい一日」にしていただきたい。また、お会いしましょう! サンキュー・ベリー・マッチ。
 (ハワイ文化会館)

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