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日蓮大聖人・池田大作

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第1回アメリカ最高会議 「励ましの人」は崇高

1995.1.28 スピーチ(1994.8〜)(池田大作全集第85巻)

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2  昨日(一月二十六日、日本時間)、光栄にも私は、″平和の学府″ハワイ大学のスパーク・マツナガ平和研究所から、「アロハ国際平和賞」をいただいた。
 この栄誉を、私は何よりもまず、この三十五年来、苦楽をともにしてきた、わが″平和の同志″である皆さまと分かち合いたい。(拍手)
 今年は創価学会創立六十五周年。世界広布三十五周年。SGI発足二十周年。この幾重にも意義のある節を、わが愛するアメリカの同志と、ここ″原点の地″ハワイで迎えることができ、まことに感慨深い。
 また、多くの交流団にも、真心の歓迎をいただき、心より感謝申し上げたい。
3  ハワイ大学の「創立者の門」には、ハワイ語と英語で大学のモットーが刻まれている。それは「人間は国家を超える」という言葉である。まことに素晴らしいモットーである。
 私が、昨日の講演(「平和と人間のための安全保障」)で申し上げたテーマのひとつも、ここにある。
 SGIは人類史の最前線である。この「人間主義」の大道を、世界の良識と連帯しながら、さらに力強く進んでまいりたい。
 また、ハワイ大学の紋章には、太平洋の円形地図の中心に、″かがり火″とともに、「学は光」と記された本が描かれている。
 「学は光」──牧口先生が愛されていた言葉である。
 このハワイ大学にも、現在、多くの学生部のメンバーが学んでいる。その中には、創価大学、創価学園出身の留学生もおられる。また、ハワイ大学会の皆さまの活躍も目覚ましい。こうした姿を、牧口先生も、さぞかし喜ばれているにちがいない。
 頼もしい青年が、陸続と育ってきている。最高幹部の皆さま方は、今こそ、人材の激励・育成に全力で取り組んでいただきたい。
4  釈尊は温かく語り、明快に教えた
 大事なのは、励ましである。励ましの声である。
 大聖人は、「声仏事を為す」と仰せである。現実に、生きゆく希望と勇気を人々に送るのは真心からの「励ましの声」である。
 釈尊が、なぜ尊敬されたのか。その一つの理由も「声」の力にあった。
 仏典には「その声は美しくて、蜜の如く、温雅おんが(穏やかで上品)の声を備えて、音吐朗々、意義明瞭たり」と。
 また「朗らかに語り、朗らかに述べ、優雅に語り、明瞭にして、嗄れ声にならず、しかして、意義を明確に表わす弁舌の才あり」等と記されている。
 その「朗らかな声」「明瞭な声」で、釈尊は生涯、人々を励まし続けたのである。
 釈尊は、どんな人に対しても、「よく来たね、よく来たね」と語りかけ、「親愛」と「歓喜」と「柔和」をもって接したとも説かれている。
 だれびとにも、丁重にあいさつをし、しかめっ面など、決してしなかった。そして、相手が話しやすいように、まず釈尊の方から口を開いて、語りかけたというのである。
 ここに、仏教が当時の民衆の心に深く広く、染み透っていった力がある。
5  今回の阪神大震災にあっても、わが偉大なる関西の友は、自分のことをさしおいてまで、人々のもとに足を運び、激励を続けている。その温かな「声」に、どれほど安堵し、元気づけられたことであろうか──。
 感謝の言葉が次々に寄せられている。
 ここにおられる皆さま方は、「指導の達人」「激励の達人」の方々である。
 どうか、慈愛あふれる「励ましの声」、勇気凛々の「確信の声」、そして、魔を打ち破る「明快な声」で、友を激励し抜きながら、人生の総仕上げをお願いしたい。
 人の面倒をみた人、友を励まし続けた人。その人には、だれもかなわない。その人こそ、このハワイの荘厳なる夕日のごとく、最極の人生を飾りゆく人である。
6  皆さまご存じのイギリスのコーストン理事長も、そうした模範の姿を厳然と示されながら、先日、逝去された。享年七十四歳。最後の最後まで、広布のため、同志のため、未来を託す青年のために、戦って、戦って、戦い切った、崇高なる″妙法のジェントルマン″であられる。わが三世永遠の戦友である。
 ここハワイは、イギリスともゆかりが深く、州の旗の左上には、イギリスの旗・ユニオンジャックが描かれている。
 この地で、私は重ねて、コーストン理事長の追善をさせていただいた。一月二十八日(イギリス時間)、イギリスの友は、そのコーストン理事長の尊き遺志を受け継ぎ、新理事長を中心に、新出発の会合を開く。
 アメリカの皆さまとともに、心からのエールを送りたい。(拍手)
7  正義が栄えるところ国土も栄える
 あのハワイ大学の紋章には、ハワイの州のモットーも、ハワイ語で刻まれている。「正義が栄えるところ、国土の生命は永遠に続く」と。
 敷延すれば、仏法の「立正安国」の理念にも通じゆく言葉である。
 思えば、私どもは、奇しくも、大聖人の「立正安国論」御執筆(一二六〇年)より、ちょうど七百年目のその年(一九六〇年)に、ここハワイから恒久平和への民衆運動をスタートした。
 三十五年後の今、再び、壮大なる二十一世紀のアメリカ広布、世界広宣流布への大闘争を、ここハワイの地から、皆さまとご一緒に開始したい。
 大目的に向かって、「人生は楽しく」「人生は朗らかに」「人生は強く」生きていただきたいと申し上げ、記念のスピーチとしたい。
 (ハワイ・オアフ島)

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