Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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香港SGI最高会議 「香港の大発展」に世界が学ぶ

1994.1.28 スピーチ(1993.12〜)(池田大作全集第84巻)

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1  強き団結、柔軟な発想、勝ちゆく力
 愛する香港を八カ月ぶりに訪れ、お元気な皆さまとお会いできた。私は本当にうれしい。
 いつ来ても、香港の街は活気にあふれている。日本をはじめ、世界的に景気の停滞が広がっているなか、香港はますます栄え、ますます輝きを増している。
 香港の人々は、どんな環境にあっても、どんな時代の変化にあっても、そこで常に″発展しゆく知恵″″勝ちゆく力″を発揮する。何があっても、つぶされない″強き心″をもっておられる。
 なかんずく、香港の同志の皆さまは、私が最大に信頼し、尊敬する友である。
 皆さまは、何があろうと動じない。逆境をむしろバネにしている。常に向上を目指し、知恵を光らせ、新しい人、新しい発想、新しい行動を、次々に取り入れている。
 安定とは、ただ″じっとしていること″ではない。前進と挑戦のたくましい息吹の中にこそ、真実の安定がある。
 「いつも前に進む」──だからこそ「何があっても安定」している。そのことを皆さまは、満天下に示された。
 香港SGIは、最も安定し、最も安心できる世界の模範である。皆さまの福徳が三世に薫りゆくことは間違いない。
2  また、香港の皆さまは、どこにいっても、そこに根を張り、花を咲かせ、果実を実らせている。
 ご存じのように昨年九月、私はアメリカ、カナダを訪問した。李理事長はじめ香港の代表五人の方々もご一緒であった。
 理事長たちも驚かれていたようだが、サンフランシスコでも、ニューヨークでも、そしてカナダのモントリオールでも、バンクーバーでも、香港出身のメンバーが大勢、活躍しておられた。
 私どもが訪問した折も、多くの方々が役員として、陰ではつらつと、さまざまな行事を支えてくださった。この場をお借りして改めて御礼申し上げたい。
 今や世界のいたる所で香港の同志が活躍されている。
 香港からアジアへ。香港から世界へ。素晴らしい時代になった。素晴らしい香港に成長した。
 これからも人材の育成、とくに青年部、未来部の育成に全力をあげていただきたい。そして限りない希望をもって、「世界広布の港」大香港を、ともに構築してまいりたい。
3  広布に生きる場所、そこが宝土
 今回、「第一回SGI香港平和芸術祭」が行われる。
 「友情」と「文化」の力でつくり上げる、この″芸術の祭典″は、主要各紙も大きく紹介するなど、注目が集まっている。大成功をお祈り申し上げたい。
 晴れやかな芸術祭の陰に、合唱団、鼓笛隊、舞踊グループ、体操隊、音楽隊など、各種文化グループの皆さまの地道な貢献の活動があることを、私はよく存じ上げている。
 皆さまは、香港政庁をはじめ、市政局や各庁などの要請に応じ、これまで百回を超える対外出演を重ねてこられた。社会に″信頼の波″″平和の風″を贈ってこられた。文化グループの皆さまの尊い活躍を、私は心からたたえたい。
 また、婦人部の皆さまをはじめ多くの方々が、衣装作りなど、さまざまな面で真心の応援をしてくださっていることも、私は忘れない。
 出演者の皆さま、そして陰で支えてくださっている関係者の皆さまお一人お一人に、改めて深く敬意を表したい。
4  月刊誌「新世紀」の発刊おめでとう。(一九九四年一月号から創刊)
 これには中国語版『御書全集』も掲載されている。一月号、二月号で「立正安国論」が完結したと聞いた。私の小説『新・人間革命』の中国語訳も掲載してくださっている。
 教学は、我が生命に、いかなる変化にも揺るがない″信仰の柱″をつくる。″人間の柱″をつくる。
 香港SGIの更なる発展への土台が厳然と築かれていることを、心から祝福したい。
 「立正安国論」の末尾に、大聖人は、妙法を持った人の大功徳を明快に記されている。
 「然れば則ち三界は皆仏国なり仏国其れ衰んや十方はことごとく宝土なり宝土何ぞ壊れんや、国に衰微無く土に破壊無んば身は是れ安全・心は是れ禅定ならん
 ──妙法に帰依すれば、この三界は皆、仏国である。仏国であるならば、衰えることがあろうか(あるはずがない)。十方の国土は、ことごとく宝土である。宝土が、どうして、こわれることがあろうか(あるはずがない)。国に衰微することがなく、国土が破壊されることがなければ、身は安全であり、心は何の不安もないであろう──。
 妙法を持つ人は、どこにあろうと、自分がいるその場所を「仏国」にしていける。「宝土」と輝かせていける。そして、永遠に崩れざる幸福を満喫できる。
 この大確信をもって、皆さまの力で、美しき香港の天地を、さらに輝かしき仏国へ、さらに幸福な宝土へと光らせていただきたい。
5  仲良きところに功徳
 香港の皆さまは、李理事長を中心に、まことに仲が良い。
 一人一人が伸び伸びと、自分らしさを発揮しながら、しかも、互いに理解しあい、尊敬しあい、励ましあい、前進しておられる。世界の模範のスクラムとたたえたい。
 有名な池上兄弟に対して、大聖人はこう仰せである。
 「我が法華経も本迹和合して利益を無量にあらはす、各各二人又かくのごとし二人同心して大御所・守殿・法華堂・八幡等つくりまいらせ給うならば此れは法華経の御利生とをもわせ給わざるべき、二人一同の儀は車の二つのの如し鳥の二つの羽のごとし、設い妻子等の中のたがわせ給うとも二人の御中・不和なるべからず、恐れ候へども日蓮をたいとしとをもひあわせ給へ、もし中不和にならせ給うならば二人の冥加いかんがあるべかるらめと思しめせ、あなかしこあなかしこ、各各みわきかたきもたせ給いたる人人なり、内より論出来れば鷸蚌いっぽう相扼あいひしぐも漁夫のをそれ有るべし、南無妙法蓮華経と御唱えつつしむべし・つつしむべし
 ──わが法華経も「本門」と「迹門」とが和合して利益を無量にあらわす。あなた方二人(池上兄弟)もまた、このようなものです。(二人が和合していけば、無量の価値を生んでいける)(中略)二人が一体で進む姿は車の両輪のようである。鳥の二つの翼のようである。たとえ、妻子などが仲違いをされることがあっても、兄弟二人の仲は、不和になってはなりません。こう言うと恐縮ですが、二人がともに日蓮のことを(師匠として)尊いと思って(心を合わせて)いきなさい。もし二人の仲が不和になられたならば、二人に対する(諸仏・諸天等の)加護がどうなってしまうかと考えていきなさい。(仲が悪いと功徳を消してしまいます)あなかしこ、あなかしこ。あなた方は、(法華経のゆえに)はっきりとした敵をもつ身であります。それゆえ、内輪から争いを起こせば、(中国の故事「漁夫の利」で)鳥(シギ、カワセミ等)と貝(カラス貝、ハマグリ等)が争っているうちに、どちらも漁師に捕られてしまったように、敵の乗じるところとなるでしょう(中国の「漁夫の利」の故事)。南無妙法蓮華経と唱え、身を慎んでいきなさい。慎んでいきなさい──。
6  人間の世界であるから、感情のぶつかりあいは、大なり小なり、どこにでもある。いわんや、末法は「愚癡の衆生」の集まりである。また一面からいえば、文句や不満が絶えない時代相でもある。ゆえに、一方が一方を抑えつけようとするのではなく、お互いに、感情に流されない聡明さをもっていくことである。
 そのために、「日蓮をたいとしとをもひあわせ給へ」と仰せのように、常に「師弟の道」という原点に立ち返って、心を合わせていくことである。広宣流布という大目的を見つめて、同志は、大きな心で、また賢い振る舞いで、互いに守り合っていくことである。味方を責めても、何にもならない。戦うべき相手は、魔の軍勢である。
 大聖人は、中国の歴史を通して、「日蓮が一類は異体同心」と仰せである。
 香港は、これからも「世界一うるわしい創価家族」のスクラムで進んでいただきたい。
 きょうは本当におめでとう。再び、ともに「永遠の歴史」をつづってまいりましょう。
 (香港市内)

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