Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第一回ブラジル最高会議 「事実」が「正義」を証明する

1993.3.2 スピーチ(1993.1〜)(池田大作全集第82巻)

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1  ブラジル人は「真心のある人」
 今回の南米訪問は、おかげさまで一切が順調に進んでいる。これもすべて各国の学会員の皆さまが偉大だからである。
 ある外交関係者も「常識では、とうてい考えられないスケジュールであり、しかも信じられない驚異的な成果を収めていますね」と感嘆されていた。
 とくにブラジルの皆さまには、リオ、サンパウロと二都市で、しかも長期間にわたってお世話になり、心から御礼申し上げたい。
 SGI(創価学会インタナショナル)総会で来伯されていた南米各国ならびにアメリカの方々も、ブラジルの皆さまの温かな歓迎に深く感謝しつつ、帰国された。
 ブラジル人は「コルジアオ」(真心のある人)と呼ばれるが、本当にあふれんばかりの皆さまの真心に、私は合掌する。ムイト・オブリガード(本当にありがとう)!
2  日淳上人は、一九五七年(昭和三十二年)四月、創価学会第一回九州総会の席上、次のように述べられた。
 「今や世界を見ますならば、今の世界は宗教でなければ救うことはできないということが、世界の先覚をもって任ずる役をもっている人の間に叫ばれつつあるのであります。これはもう世界はもう宗教でなければならぬ、宗教以外のものでは救うことができないのだということが西洋の方からもそういう声がおこっております。これは、今後においてますます叫ばれるのは明らかなことであります。日一日とそこへいくことは火を見るよりも明らかなことであります。
 皆さま方は、今や正しい信仰をもって自分も信心され、人を導くということをなさる。このことが、今に世間で一番正しいことになるのです」
 「創価学会の牧口先生は実証ということを常に叫んでおられました、実証です。正宗の信仰というのは理くつではありません。皆さま方の生活の上に正しい法の結果というものを実証されることが何よりも肝心であります。これが、正しいことを実証する所以ゆえんであります」と。
 皆さま方は、「世界広宣流布」の尊き先覚者であられる。自身も妙法を実践され、人々をも導いてこられた、地涌の勇者のさきがけであられる。それは最も根本的な次元で、全世界のリーダーであることを意味する。御本仏は御称賛され、その功徳は無量であろう。三世永遠に大福運に満ち満ちていかれることは、絶対に間違いない。
3  発展の因は「正しき法」「正しき信仰」「正しき指導」
 「実証」について、大聖人は「日蓮仏法をこころみるに道理と証文とにはすぎず、又道理証文よりも現証にはすぎず」──日蓮が仏法の勝劣を判断するのに、道理と証文とにすぎるものはない。また、道理・証文よりも現証にすぎるものはない──と仰せである。
 実践した人が幸福になったのか、不幸になったのか。人生に勝ったのか、負けたのか、その現実の証拠こそ、正しい法か、誤った法なのかを判断する基準となる。
 その意味で、SGIの正しさは、全世界のメンバーの「勝利の実証」を見れば、あまりにも明らかである。これはSGIが、正しい法を正しく信心し、正しく指導してきたからである。
 日淳上人も、創価学会の信仰に功徳がある理由を、「正しき御本尊、正しき信仰、正しき指導、この三つによって大利益を生ずる」と明確に示されている。
 これに対して、日顕宗には、御本尊はあっても信心は全くない。正しき指導もない。正法に背いた、邪義と邪見、嫉妬と憎悪、冷酷と阿諛あゆ(へつらい)、不信と疑惑、破壊と絶望に支配された、暗黒の教団となっている。
 日亨上人は、早くから、「信・行・学の無い僧侶が増加しており、行学を飯の種と考えて、邪道に驀進する輩が多い」(趣意)と警告されていたが、まさに宗門全体が″邪道に驀進″してしまった。
4  日興上人が、広布のために厳格に教え残された二十六カ条の御遺誡にも、ことごとく背いており、大聖人に敵対し、日興上人に敵対する邪教団となっている。
 ゆえに、日顕宗に従った場合には、どんなに御本尊を拝んだとしても、功徳はなく、地獄の苦悩を味わうことになる。
 皆さまは、これからも、SGIの正しい指導によって、正しい信仰を貫き、功徳の実証によって正法の偉大さを証明しながら、わが住む地域・社会に、幸せと安穏の楽土を築いていただきたい。
 ブラジルSGIは見事な広布の組織をつくりあげられた。盤石な基盤ができあがったと、たたえたい。
 大聖人は仰せである。
 「一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候」──一切のことは国により時によります。仏法はこの道理をわきまえていくべきです──と。
 どうかブラジルの社会をさらに尊重しながら、また時代の変化をいち早く見極めながら、二十一世紀の「広布」と「人間」のスクラムの模範を、世界に示していただきたい。
5  ブラジルでは「儀式」すら「人間的なもの」に
 ブラジル文学アカデミーの講演でも論及した作家のオランダは、ブラジル人の国民性と日本人の国民性を対比させて、こう論じている。
 「ブラジル人は、日本人の態度と、まったく逆の行動様式をとることに注意する必要がある」と。
 ここでいう日本人の態度とは″儀式ばった態度が、社会的行動の領域にまで入り、その行動を格式ばったものにしてしまう″とされる形式主義である。
 「ブラジルでは、儀式の持つ厳しさは力を失い、人間的なものになってしまうのである」と彼は言う。
 この対照的な、ブラジル人と日本人を見事に調和させながら、このように立派なブラジルSGIを築きあげた皆さまの労を、あらためてねぎらいたい。
 とともに、ブラジル人のもつ、素晴らしい人間性、すなわちおおらかさ、伸びやかさ、朗らかさ等を、さらにさらに大切にしていただきたい。
 皆に気を使わせ、委縮させるのが、指導者ではない。皆が元気に伸び伸びと力を発揮できるようにするのが、真の指導者である。
 どうか皆さま方は、ブラジルの天地に永遠に薫りゆく名指揮をお願いしたい。
 ブラジルSGIの、世界一楽しく、世界一希望にあふれた前進を祈ってスピーチとさせていただく。

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