Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第十六回SGI総会 妙法は人類に「遊楽」贈る秘術

1993.2.28 スピーチ(1993.1〜)(池田大作全集第82巻)

前後
1  「確信の響」の演奏に感謝
 ″世界一″のここサンパウロの自然文化センターでのSGI(創価学会インタナショナル)総会、本当におめでとう!
 創価学会の会合は″家族″の集いです。堅苦しい形式など、必要ありません。じっくりと、心にしみいる対話の集い、和やかで、楽しい座談会にしていきましょう!
 遠いところから集われた方々、また朝早くから準備に当たってこられた役員の方々、本当に、ご苦労さま。ムイト・オブリガード(本当に、ありがとうございます)!
 広布のために心を尽くし、動いた分だけ、全部、自分の福運になる。それが仏法である。その厳然たる法則を確信していただきたい。
 また、日本の交流団の皆さまも、ご苦労さま! そして、今回初訪問したコロンビア、アルゼンチン、パラグアイ、チリの皆さま、そして各国の代表の皆さまに、心から御礼申し上げたい。さあ、皆で演奏を聴きましょう!
 (ここでブラジルSGI交響楽団が、交響曲「革新の響」を演奏。これは、この日、来賓として出席したブラジル最高峰の作曲家アマラウ・ビエイラ氏が、SGI会長に贈った曲である)
2  素晴らしい!。まさに「革新」の響きがある。勝利に輝く地涌の勇者が、爛漫たる福徳の花々に包まれながら、堂々と前進していく姿を、ほうふつさせる。名曲です。ビエイラ氏に、改めて深く感謝申し上げたい。
 また、演奏してくださった方々、本当にありがとう。
 これほどまでに見事な演奏の陰で、どれほどの練習を重ねてこられたか──。
 どうか、これまでの努力のうえに、さらに精進を重ね、将来は、世界中を演奏旅行して回れる実力をつけていただきたい。
 そして、世界に名を残しゆく、大芸術の歴史を刻んでいただきたい。
3  「遊楽の人生」のための信仰
 「楽しむため」の人生である。「幸福になるため」の人生である。では、真に「楽しく、幸福な人生」とは、何か。
 いくら、おいしい、ごちそうでも、食べ過ぎれば見たくもなくなる。睡眠もとり過ぎれば、かえって不健康である。恋愛も、楽しいように見えて、それだけではすぐに消えてしまう刹那の喜びに過ぎない。苦しみや、むなしさだけを残して終わる場合もある。
 いくらお金があろうと、ぜいたくをしようと、それのみで幸せとはいえない。かえって、それらのために心を堕落させ、自分も他人をも不幸にさせる人も多い。
 日蓮大聖人は「南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽なきなり」──南無妙法蓮華経と唱える以外に遊楽はない──と仰せである。
 悲しみにつけ、喜びにつけ、何があろうと、ただ「南無妙法蓮華経」と唱題していく。その「信心」に最高の「遊楽」の人生がある。
 心の願いのとおりに、ありのままの姿で、唱題を重ねていく。すべてに深き祈りを込めて、唱題根本の「信心即生活」を重ねていく。その人は必ず所願満足の人生となる。妙法こそ御本仏が全人類に贈られた「遊楽の人生の秘術」なのである。
4  そのうえで、御本仏・日蓮大聖人との「信心の血脈」があってこそ、妙法の真の功徳は顕れる。ここに、大聖人直結の「広宣流布の組織」の決定的な重要性がある。
 世界広宣流布をなしゆくSGIにのみ、正しき「信心の血脈」はある。
 戸田先生は、御本尊について「もったいないことではあるが、『幸福製造機』に、たとえられよう」と言われていた。どんなに素晴らしい車も、運転する人しだいである。戸田先生の言葉に従っていえば、「幸福製造機」も、広布への正しき信心で、正しく″運転″してこそ、無限の「幸福」が生み出されるのである。
5  SGI総会は、「信念の人」「正義の人」「慈愛の人」の集まりである。
 また、仏法流布とともに、世界の平和を推進しゆく、崇高なる使命を担った方々の集まりであり、大聖人の直結の地涌の同志の集まりである。最高の意義ある究極の人生を送りゆく「人間の王者」の集まりである。
 とともに本日の総会は、南北アメリカ大陸の新たな五百年、千年の未来を開く集いである、と私は確信する。
6  梵語「ブハー(輝く)」に通じる「ブラジル」の語源
 南米、そしてアメリカ大陸は、壮大なる民族の融合、文化の融合、精神の融合の天地である。
 そもそもブラジルという名前それ自体に、人類の交流のロマンが結晶している。ブラジルという国の名前がパウ・ブラジル(炎のように赤い木)と呼ばれる木の名前からきていることは有名である。
 ご存じのとおり、この木からは、美しい赤の染料がとれる。日本はじめアジアでなじみ深いスオウの木と近い種類とされる。
 著名な詩人で、ブラジル文学アカデミーの会員であったリカルドは、こう歌っている。
   暗闇を 赤々と照らす炭火さながら
   燃え立つ 元始の朝のように
   炎の色 血潮の色をした木々(ブラジルという名前の木)が
   安らぎの大地を 紅に染める
   その木々の 数多あまたなる茂りのゆえに
   この地に ブラジルという名が贈られた
   おお! 恵み豊かなブラジル
   鳥も豊かなブラジル
   そして 光豊かなブラジルよ
 この「ブラジル」という言葉は、実はインドのサンスクリット語の言葉と兄弟である、といわれる。すなわち、サンスクリットのなかに「ブハー」という言葉がある。これは「輝く」「燦然と輝く」を意味している。仏典の「光明」という表現もここからきている。
 このインドの「輝く」という言葉が、スウェーデン語の「炎」、英語の「火で焼く」、フランス語の「燃える炭火」、そしてポルトガル語の「ブラジル」(炎のように赤い)といった言葉と、密接につながっているのである。
 つまり、ブラジルという美しい国名は、仏法にもゆかりの深い、「輝く」という東洋の言葉と深く結びついている──。
 この名のごとく、ブラジルには、美しい自然が輝いている。豊かな文化が輝いている。そして人間が最も人間らしく輝いている。この光彩を、さらに限りなく、さらに永遠に輝かせていくのが仏法である。
7  今、混迷を深める世界は、新たなる「哲学の輝き」「思想の光」を渇仰してやまない。
 歴史を振り返るとき、釈尊の仏法は、東洋を超えたとは言えない。そして大聖人の仏法も、七百年間、小さな日本に閉ざされたままであった。この大仏法の光彩を、ここ南米に、そして全世界に伝えたのは、だれか。
 それは殉教の牧口先生、戸田先生を誉れの原点とする、私たち創価学会である。皆さま方お一人お一人である。皆さま方こそ、前人未到の「一閻浮提広宣流布」の開拓者である。大聖人は「法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し」──法がおのずから弘まることはない。人が法を弘めるゆえに、人と法はともに尊いのである──と仰せである。この大聖人直結の「創価の誇り」を永遠に胸中に燃やしてまいりたい。
8  世界が仏法の「人間主義」を渇仰
 本日、出席してくださっているビエイラ氏と、昨年、東京で、お会いした折、私たちは語り合った。
 「人間以上の人間はいない。皆、平等である」「どんなに権威ぶっても、人間は、人間以上に偉くはなれない。ゆえに人間として輝いた人が、真の王者である」と。
 一人一人が「人間」として最大に輝き、その「人間の光」で家庭を照らし、地域を照らし、社会を照らしていく。「人間」と「人間」の友情を、幾重にも結び、世界に希望の光を送っていく。このSGIの「人間主義」の大道を、さらに、にぎやかに愉快に進んでまいりたい。
9  ここサンパウロをはじめ、ブラジル各地(リオ、クリチバ、マナウス)で開かれた「環境と開発展」は、皆さまのお力で見事な成果を収めた(三十六万人を超える入場者)。皆さまの、ご尽力に、改めて感謝申し上げたい。
 とくに、環境展の「大アマゾン」のコーナーでは、先住民であるインディオの人々が、自然と共生してきた知恵に光を当て、大きな注目を集めた。
 本年の「SGI提言」等でもふれたが、今年は「国際先住民年」である。こうした先住の人々の英知に、さらに謙虚に耳を傾けてまいりたい。
 たとえば、アマゾンのデサナ人の方々は「どんな種の生きものでも、小島のごとく孤立して存在することはない」と洞察し、生態系の調和をはかってきた。
 桜の木を二百八十本も切り捨てるのが、どんなに野蛮な行為か、おわかりと思う。(日顕宗では総本山の三門から総門に続く桜を伐採した)
 私たちは、この「自然文化センター」を大きな拠点として、環境問題にもさらに真剣に取り組んでいきたい。
 ビエイラ氏も、私との語らいのなかで「『ハーモニー(調和)』のなかにこそ人間の『エゴ』を克服させゆく鍵があります」と語っておられた。
 私たちは「妙法」という最極の「調和の法」にのっとり、「人間と自然」「人間と社会」「人間と人間」の、麗しいハーモニーを奏でてまいりたい。
10  「友人の拡大」は「仏縁の拡大」「幸福の拡大」
 また、その意味で私は、ブラジルをはじめ、南米の皆さまが、社会に、信頼と共感をさわやかに広げている姿をたたえたい。
 大聖人は、御書の中で、たとえ自分は信仰しなくとも、人が仏法を実践することを理解し、国に妙法が広まることを喜ぶ人は、それ自体が大きな仏縁となって、福徳に包まれていく、という原理を示されている。
 この大聖人の御心にかなった、私たちの「会友運動」なのである。万人の生命の尊厳と平等を説き明かしたのが仏法である。
 社会の人々と、お互いに尊敬しあいながら、わが生命に、そしてわが友の生命に、美しい「平和」と「幸福」の花を咲かせてまいりたい。
 「友人の拡大」が「仏縁の拡大」であり、自他ともの「幸福の拡大」なのである。
11  とともに大聖人は、ひとたび正法に縁した人は、信仰の心を破ろうとする悪知識に負けなければ、永遠に栄えることを示されている。
 世界の仏子の「歓喜の心」をねたみ、破壊しようとする宗門のような「悪知識」は、断じて許してはならない。
 心豊かな人は人を大切にし、人を育てる。人も自分も幸福にしていく。心貧しき人はグチや悪口で人生を暗くする。人も自分も不幸にしてしまう。
 私たちは心豊かに、心美しく、「幸福の交響曲」で友を包んでまいりたい。
12  この自然文化センターも、今後ますます整備され、充実されていく予定である。
 最後に、皆さま方の「ご健康」「ご多幸」「ご長寿」を心よりお祈り申し上げるとともに、和歌をお贈りし、第十六回SGI総会を終了させていただく。きょうは本当にありがとう!
  
  梵天も
   帝釈天も
     厳然と
   SGIをば
     護りし誓いを
  
  十方の
   諸天も諸仏も
     祝賀せむ
   地涌と創価の
     総会楽しく
  
  太陽と
   園林みごとな
     師弟山
   我らの幸福
     見守る如くに

1
1