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日蓮大聖人・池田大作

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職員との語らい 信心は″急速に良く変わる″実践

1992.12.27 スピーチ(1992.6〜)(池田大作全集第81巻)

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1  日淳上人「年々歳々自己の展開に精進を」
 今年は、まさに「黄金の年」を、学会員の皆さまの偉大なる信心によって、連続勝利で飾ることができた。心から感謝申し上げたい。
 皆さまの功徳は、三世永遠に連なることを確信していただきたい。この「黄金の一年」から、明年は、より素晴らしい「金剛(ダイヤモンド)の一年」としてまいりたい。
 本日は「お正月」について、日淳上人、戸田先生の言われたことを通し、申し上げておきたい。
 大聖人は「月月・日日につより給へ」と仰せである。またつねに「本因」から出発する仏法である。その意味では、私どもには「毎日が元日」ともいえる。そのうえで、新たな年を、より有意義に迎えるために、その心構えを語っておきたい。
2  日淳上人は、正月の意義について、こう述べられている。
 「正月一日は一年のはじめでありますが、此のはじめということは物事のはじめであります。一切の旧衣きゅうい(着古した着物。古いもの)を脱して新規になるのであります。正月には老若男女皆新しい気持ちに立ち返るのであります。人間は生れて年を経るに従って環境に左右され、自分の無明のために種々に悪くなるのでありますが、元本来に戻れば皆善人である訳であります。正月はその元本来に返るのであります。それ故正月を大事大切に考え此れを尊重する人程元本来に立ち返ることを喜ぶ人でありまして立派な心掛のよい人が為すところであります」
 「恐らく正月を大事に祝うことは法華経より出たことと思われます。正月に於て法華経を供養することは是も意義のあることで、正月の行事に魂を入れることになります。功徳、その心構えこそ一切の幸を招きよせる根元であります。
 人間はつねに久遠無始の境に住し、三世常住の自己に徹し、年々歳々自己の展開に精進をしなければなりません。その区切りをつけてさらに新しく、よりさらに新しくと進取してゆくところが新年の意義であります」
 「久遠無始の境に住する」とは、私どもにとって、久遠の誓いに生きることと言えよう。「広宣流布」への三世の使命を自覚することである。その″生命の原点″に立ち返って、より新しく、よりみずみずしく「自己の展開」に出発していく。それが「新年の心」なのである。
3  日蓮大聖人は、重須殿女房に、弘安四年(一二八一年)の正月に与えられたとされる御手紙の中で、おっしゃている。
 「法華経を信ずる人は・さいわいを万里の外よりあつむべし
 ──法華経(御本尊)を信ずる人は、幸いを万里の外から集めることでしょう──と。
 御本尊を信じ、広宣流布の勝利へ走り抜く──その強盛な「一念」は、「一念三千」であるゆえに、全宇宙へと広がり、「幸福」を「万里の外」から集めるのである。全宇宙が、私どもの幸福のために動いてくれるのである。これほど素晴らしい人生はない。
4  「本年も相変わらず」は惰性、「今年こそ」の決意で
 昭和二十三年(一九四八年)の元旦。戸田先生は、ある幹部が「おめでとうございます。……本年も相変わらず……」と挨拶したことに対して、信心の惰性を厳しくいましめられた。
 小説『人間革命』(第三巻「新生の章)にも書いたが、先生は次のように指導されている。
 「人々は、正月になると、自然に改まった気持ちになり、今年こそは、と決意する。今年こそはが、年々歳々つづいて、人の一生ということになるのだが、妙法を受持しない人は、根本的に宇宙運行のリズムに乗ることができないのだよ」
 「おなじ今年こそは、という決心でも、この信心をしているものと、していない人とは、天地水火の違いがあることがわかるだろう。今年こそは、と決心した時、われわれは、その証拠を、その年の自分の生活に必ず出すことができる。だから、本年も相変わらずなどといっていては、仕方がないよ」と。
 戸田先生は鋭かった。人の心の奥の奥まで見抜く天才であられた。幹部の「本年も」という一言で、その惰性を見抜かれ、「本年こそ」でなければならぬと教えられたのである。
5  新年は、惰性を破るチャンスである。「新しい自分」へと脱皮する好機なのである。
 「決意」を貫いたとき、生活のうえに、必ず「実証」を示せるのが信心である。年頭の決意を貫いたとき、どれほど大きな実りが、年末にもたらされることか。
 新生の決意に立てば「前進の一年」になり、「相変わらず」の心であれば「後退の一年」となってしまう。
 戸田先生は「信心は、急速に、そして良く変わっていくための実践活動です」と言われた。
 大いなる希望と、具体的な目標をもつことである。「すべてに勝利する」との強き一念を貫くことである。義務感では境涯は開けない。惰性は空転を生むだけである。
 大聖人は「ただ心こそ大切なれ」と。
 戸田先生も、「信仰が惰性に陥った時、それはまさしく退転である」と、指導された。
6  「広布の開拓」が、わが人生の開拓に
 戸田先生は、「創価学会は世界にただ一つの、末法御本仏の正義を信ずる折伏団体なのですから、そこをよく思い合わせて、閻浮提第一の大事なりと思ってください」(四信五品抄講義)と話されている。
 学会は、かけがえのない世界唯一の「広布の団体」である。学会ほど正しく、尊く、使命重き団体はない。このことを心の底から確信するとき、限りない勇気と力がわいてくる。
 本格的な広布の「大交流時代」が到来している。私どもは明年、いよいよ地域に、社会に、そして世界に、仏法の本義、学会の正義を堂々と宣揚していきたい。
 広宣流布の険路を開拓することは、そのまま自身の生命の開拓に通じ、人生の幸福の開拓に直結しているのである。
7  ホイットマンは、うたった。
    あらゆる過去はうしろに取り残すのだ、
  わたしたちは一層新しい、一層力に満ちた世界へ、変化した世界のうえに進出するのだ、
  生き生きと力強く、わたしたちはしっかりと世界をつかむ、労働の世界と苦しい長旅を、
  開拓者たちよ! おお、開拓者たちよ!
 「広布の開拓者」「生命の開拓者」「人生の開拓者」──緑したたる沃野を目指して、私どもは、ますます「生き生きと力強く」前進を開始してまいりたい。
8  「人生には、希望がなくてはならない」──亡くなる前年のお正月の戸田先生の言葉である。
 「新年の初頭にあたって、吾人ごじん(私)が同志にのぞむものは、老いたるにもせよ、若きにもせよ、生活に確信ある希望をもち、その希望のなかに生きぬいてもらわなければならないことである」と。
 希望に燃える人は若い。希望に生きる人は強い。どうか、皆さまは、明年も「無限の希望」に生き、多くの人に希望を運ぶ、無上道日々を歩んでいただきたい。
  日本一、世界一、良いお正月を!
 明年が、最高に良い一年でありますように。素晴らしい一年でありますように。そして燦然と輝く「金剛の一年」でありますことを、私は切にお祈り申し上げます。

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