Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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霧ケ峰・第三回研修会 希望! 汝の力は偉大なり

1991.7.27 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

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20  「失意泰然、得意淡然」(失意の時も悠々と動ぜず、得意の時も淡々としてふだんと変わらない)という言葉があるが、何ものにも動ぜぬ「心の世界」を確立している人は強い。着実に向上していく。そこに自立した「人格」の力がある。
 人生の目的は幸福である。その幸福を決めるのは自身の境涯である。″境涯を開く″人が″幸福を開く″人なのである。その境涯を無限に開きゆく原動力が「信心」である。
 有名な御書に、「賢人は八風と申して八のかぜにをかされぬを賢人と申すなり、利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽なり、をを心は利あるに・よろこばず・をとろうるになげかず等の事なり、此の八風にをかされぬ人をば必ず天はまほらせ給うなり
 ――賢人は八風といって八種の風に侵されないのを賢人というのである。八風とは、利・衰・毀・誉・称・識・苦・楽である。そのおおよその意味するところは、世間的利益があっても喜ばず、それを失っても嘆かないなどということである。この八風に侵されない人を、必ず諸天善神は守られるのである――と。
 要は、八風に侵されない、八風に微動だにしない「自分自身」であればよい。それが、「賢人」である。
 現代は、あまりにも虚栄、誘惑が多い。刹那主義、享楽主義が、社会を覆っている。しかも、日本人は、世間体や格好、形式ばかりを気にして、内実をおろそかにする傾向がある。風評に動かされて、事実を冷静に確認しようとしない弱さもある。
 それでは、状況の変化のまま、風向きのままに動かされる。あまりにも不安定な人生であろう。大きな嵐、時代の変動の前には、ひとたまりもない――。
 そうしたなか私どもは、何ものにも左右されることのない、信仰という、不動の支柱をもっている。八風に断じて侵されることなく、堂々とまた仲良く、この最高の「人類貢献の道」「永遠の幸福の道」を歩んでまいりたい。
 全国的に暑い日が続いている。健康にくれぐれも留意され、有意義な、楽しい夏を過ごされることをお祈りして、きょうの話としたい。
 (長野青年研修道場)

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