Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

アメリカSGI各部合同研修会 寛容、忍耐、紳士たれ

1990.2.28 スピーチ(1990.2〜)(池田大作全集第74巻)

前後
1  今回のアメリカ訪問では、十七日間、本当にお世話になり、心からお礼申し上げたい。まだまだ皆さまと懇談し、対話し、大仏法のことを語りたいと思っていたが、帰国の期限もきたので、これで一応終わらせていただきたいと思う。重ねて、お世話になったお礼を申し上げたい。また、お会いできなかった方々にも、くれぐれもよろしくお伝えください。
 楽しい所には人が集まる。苦しい所からは人が去っていく。また、純真な、真剣な人々が集った所では、人々も真剣になって求道の心を起こしていくものである。反対に、幹部が怠惰であっては、真面目な人がついてこない。
 人生も、団体も、みな苦労しながら発展していくものである。それが道理であり、仏法の法理に照らし、正しいあり方である。
 わがアメリカSGIも、この広布三十周年を節として、また一つの山を越えたと思う。どうか「希望」と「自信」をもって進んでいただきたい。
2  宗教の高低は別として、ある友人と、キリスト教がなぜ世界宗教になりえたか、を語りあった――。
 キリスト教を研究しているその彼は「教義や宗教的信念は別として、布教にあたった人々が、寛容で忍耐強かったからである。また彼らがつねに″紳士″であり、礼儀正しく振る舞っていったことが、大きな要因であるといえる」と語っていた。
 たしかに、そうした面は歴史的事実である。そしてそれは、たいへんに重要なことである。
 当然、私どもは仏法者として、宗教の高低・浅深については峻別していかなければならない。そのうえで、この人間社会にあって、よき歴史に学んでいく必要がある。そのなかから、新たな発展・向上への糧をくみとっていくべきである。
 どうか皆さまは、わが社会、わが地域にあって、つねに正法の正しき信心のうえからの、「寛容」「忍耐」「紳士」の振る舞いを、どこまでも貫いていっていただきたい。
3  何よりも仲の良いアメリカSGIであっていただきたい。仲の良い世界は強い。発展していく。
 そこにいる人たちも幸せである。仲の悪いところは、おたがいに傷つき、不幸である。いつしか必ず崩れてしまう。
 また、仲の良い世界は美しい。庭園の花々も″仲良く″咲いているからこそ、美しい花園となる。もし、それぞれの花が、折れたり、曲がっていたり、あちこちを向いてバラバラに咲いていたのでは、花園の美しさは生まれてこない。
 さらに「仲が良い」とは「調和」の世界である。私たちの体も、あらゆる器官が調和して、リズミカルに働いているがゆえに、健康を保ち、生き生きと活動することができる。各器官の調和が崩れれば、病気となり、死にいたることにもなる。
 ゆえに、皆さまは、御本尊を根本に、どこまでも異体同心の″妙法の家族″であっていただきたい。何があっても、仲の良いほうへ、仲の良い方へと心を向け、進んでいただきたいのである。
 仏法は「法」が根本である。広布の前進も、根本は、すべて御本尊である。「人」は一次元からいえば、正しく正法を受持し、広宣していく組織の責任者である。
 要するに、その中心者が御本尊を根本としているかどうか。それがもっとも肝要の一点となる。中心者が、その根本を忘れて、権威の力で、人を上手に左右し、動かしていこうとすることは危険である。正法の世界を壊してしまう場合すらある。
 ゆえに、あくまでも「法」を根本にし、大事にするリーダーでなければならない。
4  私も時間の許すかぎり何度も、皆さま方の応援に来たいと思っている。アメリカの皆さま方の奮闘を、日本に帰ってもいつも見守り、祈っています。
 (マリブ研修センター)

1
1