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日蓮大聖人・池田大作

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第八回全国婦人部幹部会 信仰は最高の人生への道理

1989.9.6 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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20  イギリスのチャーチル(一八七四年〜一九六五年)は、最後までインドの独立には反対した。彼は一九四〇年から四五年まで首相を務めた(二度目は一九五一年〜五五年在任)。もしも当時、彼が政権の座にあったなら、インドの独立は果たせなかったかもしれない。
 チャーチルとガンジー。二人とも二十世紀の歴史に名を残す指導者である。両者を比較した言葉がある。
 二人は「生涯を唯一の目的に捧げたことで似通っている。偉人は立派な彫像のようにまったく首尾一貫しているものだ」、しかし「チャーチルは老いるにつれますます保守主義者になり、ガンジーはますます革命家になっていった」(前掲書)と。
 ある意味で極度に対照化した表現かもしれない。ただ、人生の真理の一端を示唆しているといえまいか。
 「権力」に生きる人間は時とともに硬直化し、保守化し、みずからを狭い世界と視野に閉じ込めてしまう。一方、「精神」をわがすみかとする人間は、年とともに、いよいよ熱き情熱で理想を追求し、みずからの世界を高め、深め、拡大していくことができる。
 ひとたび心に権力や財力の甘い蜜を染みこませてしまえば、もはやその魔力から脱することはむずかしい。堕落と保身への汚染が生命をむしばむ。よどんだ川のゴミがたまるように、保守の弱さに「魔」や「鬼」がつけこみ、巣をつくってしまう。そうであってはならない。
 ひとたび、広宣流布という革命の同志として立ったならば、一生涯、最後の最後まで、「首尾一貫」していなければ「同志」とはいえない。そのためには、年とともに、ますます若く、「ますます革命家に」なっていく以外にない。「永遠の革命家」こそ真の信仰者の姿なのである。(拍手)
 本日の話は、少々、むずかしかったかもしれない。ただ、仏法の本当の実践を志す多くの人々のため、また将来の間違いなき学会の軌道のために、あえて言い残させていただいた。(拍手)
 終わりに、大切な大切な皆さま方が、また皆さま方のご一家が、「信心即幸福」で、朗らかな、無事故の一日一日であられますよう、心からお祈り申し上げ、きょうのスピーチを結ばせていただく。
 (創価文化会館)

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