Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 広布の同志は尊き「宝塔」

2003.12.10 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

前後
2  1945年の5月8日、あの悪逆のナチスは、ついにベルリンで無条件降伏をした。
 その日、イギリスのチャーチル首相は、わき立つ民衆に心の底から感謝を捧げた。
 「これは、あなた方の勝利だ!」
 すると、民衆からも、こだまのように声が返ってきた。
 「これは、あなたの勝利だ!」
 歴史に薫る名場面である。(David Jablonsky, Churchill, the Great Game and Total War, Frank Cass.)
 広宣流布という、平和主義、文化主義、そして人間主義の大運動を担う私たちは、「君も勝ちたり!」「我も勝ちたり!」と、互いに讃え合いながら、いやまして勇猛果敢に前進してまいりたい。
3  誉れの名前を永遠に懸賞
 今回の第33回本部幹部会の衛星中継は、「第2総東京」の総会、さらにまた「福島」の総会の意義を込めて行われると、うかがった。おめでとう! いつもありがとう!
 今、全国の各方面、各県が総立ちとなり、それぞれの目標に向かって新たな拡大を続けている。
 尊き地涌のわが同志のお名前を、私は後世に厳然と留め、永遠に顕彰させていただきたいと願っている。
 以前、北海道、また九州、そして四国に「広宣流布の塔」を建設する構想が発表された。
 その後、検討を重ねて、この塔を各方面の全同志のお名前を納める「記念碑」として建立する運びとなった。ここに一言、ご報告させていただきたい。
 まず、北海道では、明年、厚田村の戸田記念墓地公園に、広布50周年を祝賀して「世界広布誓願の碑」が設置される。おめでとう!(=2004年8月に完成)
 また九州では、明後年、大分に完成する待望の墓地公園(=九州池田記念墓地公園)に「世界広布先駆の碑」が建立される予定である。おめでとう!(=2005年7月に完成)
 さらに、四国研修道場にも、同じく明後年の5月3日を目指して、「世界広布大願の碑」が誕生する。おめでとう!(=2005年5月に完成)
 いずれの碑にも、各方面でこれまで戦ってこられた草創の功労者の方々、そしてまた、今、戦っておられる全同志の芳名が、もれなく、永久に納められる。
 さらに大中部でも、そして大関西でも、わが同志の誉れ高きお名前を、万代にわたって残させていただくことになっている。
 妙法を持ち弘める皆さまが、どれほど尊いか。
 大聖人は、“法華経に説かれる宝塔は何を表しているのか”と問われ、明確に仰せである。
 「末法に入つて法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり
 皆さま方自体が、最高に尊い「生命の宝塔」なのである。だからこそ、そのお名前を、私は最大に大切にしたい。
4  青年よ、戦い舞え! 人類の平和の大舞台で
 青年部の新出発を祝福し、私は戸田先生の言葉を贈りたい。
 「若人は、雄々しく血潮を燃やしながら、今日も、また明日も、“戦舞”していくものだ」
 雄々しく戦い舞っていけ!――と。
 また先生は、常々、学会は「人類救済の組織」であると言われた。その通りである。
 その組織で、若きリーダーとして指揮を執りゆく青春が、どれほど誇り高く、どれほど幸福であるか。これほどの充実と栄光の人生の大舞台は、絶対に、どこにもない。
 青年時代に思う存分、戦わなければ損である。平和を築く大舞台で乱舞してこそ青春である。
 青年部に託された使命は何か。それは「広宣流布の拡大」である。
 何よりも大聖人が、そのことを言い残された。若き南条時光には、明快にこう示されている。
 「ともかくも法華経に身をまかせて信じていきなさい。あなた一人が信じるだけでなく、信心をすすめて、過去の父母等を救っていきなさい。日蓮は、生まれた時から今にいたるまで、一日片時も心の安まることはない。ただ、この法華経の題目を弘めようと思うばかりである」(御書1557㌻、通解)
 どうか、御書を深く拝しながら、青年部時代に「私は、これだけ広宣流布の拡大を成し遂げた」という歴史を、悔いなく残していただきたい。
 思えば、牧口先生も、常に率先して、青年とともに動き、青年とともに戦いながら、広宣流布の人材を育て、増やしていかれた。
 牧口先生から直接、折伏され、故郷の九州に帰って、懸命に戦っている青年がいた。しかし、なかなか折伏が実らず悩んでいた。その青年のために、牧口先生は、はるばる九州へ足を運ばれた。そして一緒に青年の友人宅を、一軒また一軒と折伏に回られたのである。青年の自宅で、座談会も開かれた。そこでは牧口先生自らが折伏の模範を示されて、青年の友人の家族全員を入会に導いていかれたのである。
 牧口先生は言われた。「広宣流布は青年のリードによらねばならない」
 その青年たちを、牧口先生は心血を注ぎ、手づくりで薫陶された。投獄される年の春、学生たちに「立正安国論」の講義を始められた。
 牧口先生の指導に、「いてほしいと言われる人になれ。その極限が仏である」(『牧口常三郎全集』10)とある。
 自分が、わが使命の天地にあって、「いてほしい」と慕われ、「いなくてはならない」と信頼される存在になることだ。
 広宣流布の指導者は、光る人間でなければならない。青年や後輩を真剣に守り、育んでいくことである。また、会員・同志に心から尽くし、誠実に仕えていくことである。
 そして、仏敵に対しては、一歩も退くことなく戦い抜き、悪を滅していくことである。
5  「一人」から始まる、「自分」から始まる
 御聖訓には、繰り返し、繰り返し、広宣流布の限りなき拡大について示されている。
 「撰時抄」には、こう仰せである。
 「多くの流れが集まって大海となる。小さな塵が積もって須弥山となる。日蓮が法華経を信じ始めたことは、日本の国にとっては、一つのしずく、一つの小さな塵のようなものであるが、二人・三人・十人・百千万億人と唱え伝えていくならば、妙覚(仏の悟り)の須弥山ともなり、大涅槃(仏の悟りの境地)の大海ともなるであろう。仏になる道は、これよりほかに求めてはならない」(御書288㌻、通解)
 さらにまた、流罪の佐渡で著された「諸法実相抄」には、「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし、是あに地涌の義に非ずや、剰へ広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」と、広宣流布の大確信を綴られている。
 広宣流布は「一人」から始まる。「自分」から始まる。時代や社会がいかに変わっても、この根本の方程式は不変である。
 そしてまた、「種種御振舞御書」には、「法華経の肝心、諸仏の眼目である妙法蓮華経の五字が、末法のはじめに全世界に広まっていくべき瑞相として、日蓮が先駆けをしたのである。わが門下よ、二陣三陣と続いて、迦葉・阿難にもすぐれ、天台・伝教にも超えていきなさい」(御書910㌻、通解)と、峻厳に命じられている。
 この御本仏の師子吼に応えて立ち上がったのが、仏意仏勅のわが創価学会である。
 尊き学会員の死力を尽くした戦いによって、いまだかつてない仏縁の広がりゆく好機が到来している。
 今再び、今世の栄えある地涌の使命を、互いに深く自覚しあいたい。
 そして、「あの人は変わった」と言われるような、新たな息吹に満ち、学会精神をみなぎらせて、わが国土の広宣流布の道を、令法久住の道を、断じて切り開いていっていただきたい。
6  「創価学会は人権運動の模範」
 きょう「12月10日」は、55年前、「世界人権宣言」が採択された日である。
 私がともに対談集を発刊した、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁も制定に尽力した一人であり、世界人権宣言の意義を幾重にも論じ合ったことが懐かしい。(『二十一世紀の人権を語る』、本全集第104巻収録)
 「人権」なくして「平和」はない。「正義」もない。「幸福」もない。
 現在、アメリカのデンバー大学副学長で、世界法律学者協会・名誉会長のナンダ博士と対談の連載を進めているが、語らいの中で「世界人権宣言」が大きな話題となった。(=対談は『インドの精神――仏教とヒンズー教』と題し、2005年5月、東洋哲学研究所から発刊)
 ナンダ博士は、こう語ってくださった。
 「私は、長年にわたって人権運動を推進してこられた創価学会とSGIを、心から称賛しています。人権を推進し、人権の重要性について世界的な意識を宣揚してこられた貴団体の活動は、まさに模範的です」
 私たちの人権闘争に、世界の識者が大きな喝采を送っていることを誇りにしていただきたい。
 この宣言の起草の中心を担った、エレノア・ルーズベルト(アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領夫人)は、こう書いた。
 「普遍的な人権とは、どこからはじまるのでしょう。じつは、家の周囲など、小さな場所からなのです」「住んでいる場所の近くで、この権利を求める市民行動がなければ、さらに大きな世界での改善を求めてもむだでしょう」(『エレノア・ルーズベルト』箕浦万里子訳、偕成社)
 明年の年頭、世界一の婦人部は、グループ単位の婦人部総会を、全国各地で朗らかに開催する。
 「一人の人」を大切にし、「一人の人」を守り抜く。そしてともどもに、人間として、人間らしく、心を通わせて語り合い、悪の根を断ち、幸福の花を咲かせ切っていく。ここに、偉大な人権と正義と平和の大連帯がある。私たちは、総会の大成功を祈りたい。
7  最後に、賢人の言葉を贈りたい。
 ドイツの詩人で劇作家のシラーは、劇中の人物に、こう言わしめた。
 「唯――裏切者にはお成りなさるな......それは暗い、地獄のように暗いことです」(『ヴァレンシュタイン』鼓常良訳。岩波文庫)
 いずこにあっても裏切りの末路はわびしい。地獄である。なかんずく仏法において、破和合僧の罪は「無間地獄」と説かれる通りである。
 また、古代ローマの哲学者であり、大政治家・大雄弁家であったキケロ。彼は、社会で重責を担う友を讃えた。
 「多くの者が妬んだが、君は才能と努力によって彼らを粉砕した」(「縁者・友人宛書簡集Ⅱ」大西英文・兼利琢也訳、『キロケー選集』16所収、岩波書店)
 嫉妬は、世の常である。しかし、断じて負けてはならない。全身全霊で行動することだ。「真実」と「実証」が嫉妬を打ち砕く。
8  「勝つことが正義」と恩師
 世の中は再び、動乱の時代を迎えている。大聖人は仰せである。
 「一閻浮提(全世界)がひどく乱れたならば、法華経に説かれている『閻浮提の内に広く流布せしめる(世界広宣流布)』の文が実現することは、よもや疑いないでしょう」(御書1467㌻、通解)と。
 わが学会は、21世紀の「平和の柱」「文化の大船」そして「教育の眼目」として、いよいよ真髄の力を発揮しゆく時である。
 その使命と誇りに、胸を張って前進していただきたい。戸田先生は叫ばれた。
 「勝つことが正義である。ゆえに、正義は絶対に負けてはならない」
 あらゆる「智慧」と「忍耐」、そして「勇気」と「努力」をもって、一千万の「平和」と「人道」の大連帯を築き上げ、断固として「創価完勝の年」を飾りゆくことを、ここに誓い合って、私のメッセージといたします。
 各地の大切な大切な同志の皆さまに、どうかくれぐれもよろしくお伝えください。
 (創価文化会館)

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