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全国総県長会議 勇気ある信心で人生の行路を開け

2003.9.11 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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7  名画「第九の怒濤」に魂のメッセージ
 おかげさまで、東京富士美術館は今年、開館20周年になる。
 その佳節を記念して、この11月からロシアが誇る最高峰の名画が公開される。19世紀屈指の大画家・アイワゾフスキーの傑作「第九の怒濤」である。
 今回、国立ロシア美術館より特別に貸し出され、出展される運びとなった。
 アイワゾフスキーは生涯、若々しい青年の息吹で、海を中心に6000点もの絵を描き続けた。信念と人間愛の画家として知られている。
 主題である「第九の怒濤」は、嵐の海についての言い伝えに由来している。
 大波は一定のリズムをもって襲ってくる。そのなかで9番目の波が最も巨大で、最も激しい。しかし、その試練の怒濤を乗り切ることができれば、大きな活路が開けてくる――という言い伝えである。
 大画面に描かれているのは、長い嵐の夜が明けようとする早朝の海。いまだ荒れ狂う大海原の波間で、難破した船の帆柱が木の葉のように揺れている。船員たちは疲れ果てながら、折れた帆柱に必死にしがみついている。
 そこに、巨大な「第九の怒濤」が白いしぶきを上げながら、今にも襲いかかろうとしている。船員たちは力を合わせ、勇敢に怒濤に立ち向かう。
 その猛々しい怒濤の彼方には、まばゆいばかりの黄金の旭日が、新しい時代の希望の勝利を象徴するかのように、荘厳な光を放っている――。
 この名画には、「勇気を奮い立たせよ! 恐怖にも屈するな! 強靱なる人間の意志の力は、どんな嵐にも勝利することができるのだ!」との魂のメッセージが込められているといえよう。
 わが波涛会の同志の貴重な体験を伺うと、実際の航海でも、波から逃げよう、避けようとして不用意に旋回すると、かえって横波を受けて転覆してしまう危険があるということだ。
 広布と人生の航路にも「第九の怒濤」の試練が当然あろう。しかし「法華経の兵法」をもって越えられない波など絶対にない。
 「勇気ある信心」を、いよいよ燃え上がらせ、「来るなら来い!」「さあ、かかって来い!」と正面から迎え撃ち、断固として突破していくことだ。
 御聖訓には仰せである。
 「生死の苦悩に満ちた大海を渡ることは、妙法蓮華経の船でなければ、成し遂げられない」(御書1448㌻、通解)
 21世紀の激動の荒海にあって、生命尊厳の大仏法を掲げ、新しい人類の平和と共生と繁栄の大航路を切り開きゆく大船――それが創価学会である。
 今、世界の心ある知性は、未来の希望の光源を、この創価の勝利と拡大に見いだし始めた。
 仏教とイスラムに橋を架ける対談を私とともに行ったハワイ大学のテヘラニアン教授も、こう期待を寄せてくださっている。
 ――本来、文明というものは、一つに帰結する。それは「人間の文明」である。「生」と「死」という人類共通の根本課題を探究し、打開しながら、この新たな「人間の文明」を創造しているのが、SGIである――と。
 さあ、いかなる怒濤をも、強く麗しき「異体同心の団結」で、愉快にまた愉快に、そして、堂々とまた堂々と、乗り越え、勝ち越えていこう!
 そして「創価完勝」の旭日を、朗らかな笑顔で、朗らかな歌声をもって、また勝利の歓声をもって、ともどもに仰ぎゆくことを約し合っていこうではないか!
 どうか、お体を大切に!一人ももれなく丈夫になって、健康で長生きしていただきたい。
 何ものにも優先して、強い生命をつくることである。すべて祈りが根本である。
 「信心も、仕事も、頑健になるために戦うのだ!」――自分でそう決めて、そこから出発していくことである。
 お帰りになられましたら、各地域の皆さま方に、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい。
 各方面、各県の晴れやかな勝利へ、そして創価の「完勝」へ、勇躍、大前進して、来月、また笑顔で、愉快に、お会いしましょう!
 (創価文化会館)

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