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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 「あの人を見よ」と仰がれる模範に

2003.6.13 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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2  力強く使命の道を前進
 昨年来、世界各地で新型肺炎「サーズ(SARS)」が猛威を振るっている。亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、一日も早い終息を私は真剣に祈念している。
 香港、台湾、シンガポール、カナダなどで、わがSGIの同志は、力を合わせ、励まし合いながら、この病魔と闘ってこられた。医療の現場で、人々を救う使命に徹し、勇敢に献身されている、SGIのドクターや看護師の方々もいる。
 また、これらの地域では、新型肺炎の影響のため、大勢で集まる会合が長い期間にわたって開けなくなった。そこで、皆が工夫し、電話等で連携をとりながら、声をかけ合い、メンバーや友人に希望を広げてきた。とくに香港、台湾のメンバーが、各家庭で展開してきたのが、その名も「1・2・3運動」である。
 「1」とは、1日に「1時間」以上の唱題。
 「2」は、1日に「20分」以上の御書の拝読ならびに学会指導の研鑚。
 そして「3」は、1日に「3人」以上の友を電話で励ましていこう――というものである。
 この問題が起こってから、夜は皆、外出を控えて家にいることが多い。そのため、これまで、なかなか連絡が取れなかったメンバーや友人とも、電話で話せるようになった。心を通わせ、じっくりと語り合うことができる。人と人とのつながりを、これまで以上に強め、広げゆく機会にしているというのである。
 皆が家にいるので、子どもたちに、じっくりと勤行を教えることができたという声もある。
 SGIのメンバーでない夫君が、家にいて、自然のうちに機関紙や書籍を読むようになり、信心への理解を深めたという報告もあった。
 さらに、「電話を活用した激励」の取り組みには、社会からも大きな共感が寄せられている。
 わが同志は、あらゆる苦境に負けずに、力強く、尊い地域貢献、社会貢献を続けている。
 御聖訓には、「妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり」と厳然と示されている。
 妙法には、決して行き詰まりがない。たとえ今は苦しくとも、法のため、人のため、社会のために戦い抜く。その行動と歴史は、あとになるほど輝きわたっていくものだ。
 苦労した分、自分が強くなる。大きくなる。深い人生を歩んでいける。苦労は全部、宝に変わる。これが信心の世界である。目先ではない。「冥益」という、計り知れない大功徳に包まれるのである。
3  嫉妬の策略は歴史が裁く
 創価学会を深く理解し、学会の常住御本尊をしたためてくださった日昇上人は、次のような言葉を残している。
 「今や学会の活躍は、宗門史上、未曾有の事で、万一、学会の出現なき時は、宗門はほとんど衰頽の期のところ、御仏の御利益により、戸田氏統率の学会が出現し、広宣流布の大願に邁進、日夜、止暇断眠、折伏の妙行に精進され、為宗(=本宗にとって)同慶の次第です。老生(=私)の時代に戸田氏と学会の活躍もまた妙縁で、名誉のことであります」(昭和27年11月4日付の書簡)
 広布に邁進する学会の三代の会長と歴代の法主との信頼の絆を破壊し、正義の学会を嫉妬したのが日顕一派である。
 大教育者ペスタロッチの警句を思い出す。
 「嫉妬は人間を歪ませる。嫉妬に狂った人間は物事をまっすぐに見ることができない。他人と同様に自分自身さえも曲がって見えてしまう」(Heirich Pestalozzi, The Education of Man : Aphorism, translated from the German original by Heiz Ruth Norden, Philosophical Library)
 スイスの哲学者アミエルも、「不誠実、虚言、策略は、後でひどい罰を蒙る」(『アミエルの日記』3、河野与一訳、岩波文庫)と言っている。
 フランスの思想家ルソーは、迫害や弾圧を加えてくる者を前に、決然と言った。
 「彼らの高慢さは少しも私に対する威圧とはならない」「私はそんな脅迫を少しも恐れはしないでしょう」(『ルソー全集』7、西川長夫訳、白水社)
 アメリカの黒人運動の指導者デュボイス博士は叫んだ。
 「わたしは、たたかいに満ちた生活に焦がれる。わたしは、殺到する苛酷な試練をまえにして怯んだり、畏ろしいヴェールの影をまえにしておじけをふるう臆病者ではない」(『黒人のたましい』木島始・鮫島重俊・黄寅秀訳、岩波文庫)
 嫉妬の策略は、歴史が裁く。真実は必ず勝利する。我らは正義の大道を、威風堂々と前進してまいりたい。
4  SGIの全同志の名前を永遠に
 さて、学会本部新館の建設が、明春の竣工を目指して着々と進んでいる。(=創価学会本部別館として2004年6月に完成)
 地上7階、地下2階建てである。
 そしてさらに、「総本部」建設の準備も始まった。このほど「総本部」の建設委員会も発足した。
 永遠平和の原点となる総本部には、全世界の国や地域の「石」を大切に納めたい。
 総本部は「大法弘通慈折広宣流布大願成就」の法城である。完成したあかつきには、皆さま方をはじめ、全世界のSGIの同志の尊きお名前を、もれなく留めたいと、私は深く心に期している。
5  本部の私の執務室の屏風に刻んだ和歌がある。
  三世まで
    全会員の
      幸福を
    祈り念じて
      本陣厳たり
 今、私は、新たな“忘れ得ぬ同志”の執筆も始めている。タイトルは「わが忘れ得ぬ 尊き同志たちよ」に決定した。
 広宣流布の将の将として戦い抜いた同志は、それぞれに尊極な人生の使命の劇を刻み、残している。私は、その歴史を厳然と留め、永遠に宣揚してさしあげたい。
 御聖訓には「命限り有り惜む可からず遂に願う可きは仏国也」と仰せである。
 広宣流布に生き抜いた人は、必ずや、三世に崩れぬ幸福の軌道を歩んでいくことができる。
 ゆえに、何があろうとも、断じて退いてはならない。生涯前進であり、生涯闘争である。
 そして、「この人を見よ!」「あの人のごとく!」と後世の人々から模範と仰がれるような、見事なる闘争の一生を勝ち飾っていただきたい。
6  わが胸に広宣の魂を燃やしゆけ
 新しい希望を輝かせるのは、聡明な女性のスクラムである。
 フランスの作家、スタール夫人は語っている。
 「悪書が及ぼすかも知れない害は良書によってのみ正される」(『ドイツ論』1、梶谷温子・中村加津・大竹仁子訳、鳥影社)
 彼女は文豪ゲーテとも友情を結んでいる。彼女は権力の弾圧にも屈しなかった。
 こうも述べている。
 「雄弁は人をいっそう勇敢にし、勇気は人をいっそう雄弁にする」(同前)
 にぎやかに、愉快に、正義と幸福の対話を繰り広げていきたい。
 創価教育の父、牧口初代会長は言われた。
 「富よりも財産よりも、人材の養成が国家発展の根本義である」(『牧口常三郎全集』6)
 一切は人で決まる。未来の世界を変えるのは、偉大なる一人ひとりの人間革命である。
 リーダーの皆さまは、きょうも、わが胸に問いかけていただきたい。
 広宣流布に挑みゆく勇気が燃え上がっているか。
 同志を励ましてやまない大情熱がたぎっているか。
 異体同心の団結を築きゆく共戦の心は光っているか。
 そして、邪悪を断固として打ち破る正義の剣は、高らかに掲げられているか――。
 皆さま方が、ますますご健康で、ご長寿で、さっそうと広布の指揮をとり、仏の軍勢を勝利へ勝利へとリードされゆくことを、私は祈っている。
 そして各方面、各県の広宣流布の栄光の道が、無量無辺に開かれゆくことを真剣に祈っていく決心である。
 お帰りになりましたら、各地域の同志に、くれぐれもよろしくお伝えください。
 お体を大切に!

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