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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 獅子奮迅の名指揮を

2003.1.9 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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1  全国総県長会議の皆さん。どうか、この一年、まずみずからが、すべてを革命しながら、皆に「喜び」と「充実」を贈りゆく、前進の名指揮を、お願いいたします。そして、全同志が「希望」と「勇気」に満ちた一人一人に成長していけるよう最大に応援していってください。
 さらにまた、すべての戦いに大勝利の歴史を残しゆく、聡明なる指揮を、お願いいたします。
 使命深き広宣流布のリーダーの皆さまの決意によって、皆さまの指導・指揮によって、一切の歴史が連戦連勝になるかどうかが決定することを忘れないでいただきたい。
 断じて負けてはならない。絶対に事故があってはならない。それでは皆が不幸である。
 「法華経に勝る兵法なし」である。どうか、大信力、大行力を奮い起こして、断固たる完全勝利への確信の名指導・名指揮をよろしく頼みます。
 昨年、八王子市在住の識者の方から中国の兵法の古典『孫子』に関する貴重なご自身の研究書(服部千春博士著『孫子聖典』)を、お届けいただいた。
 『孫子』に、こういう言葉がある。
 「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め」――勝者は、戦う前の準備や作戦において、すでに勝利しているものである。
 さらに、私たちが心に銘記すべき英知の指針を紹介したい。
 イギリスの歴史家カーライルに味わい深い言葉がある。
 「諸君は強くなるべきである」「諸君は、心を強く、魂を高潔にすべきである」
 「誠実。それは、いっさいの根本である」
 「他人のために勇気をもって苦しむところに、気高さがある」(『過去と現在』上田和夫訳、『カーライル選集』3所収、日本教文社)
 すべてリーダーにとって大切な人間学である。
2  「万人を仏にする」法華経のメッセージ
 今、二十一世紀の世界に、仏法の哲理は、いやまして輝きを広げている。
 この二月には、私の『法華経方便品・寿量品講義』が、ロシア語で発刊される予定である。
 三十年ほど前、私が、ロシア――当時のソ連に第一歩を踏み出したとき、「宗教者が、なぜ宗教否定の国へ行くのか」等と内外から多くの非難を浴びせられたことは、皆さまもご存じのとおりだ。今日のこのロシアへの広宣流布の展開を、誰人が想像したであろうか。
 このロシア語版『方便品・寿量品講義』には、世界的な仏教研究の府である「ロシア科学アカデミー東洋学研究所」のマルガリータ・ヴォロビヨヴァ=デシャトフスカヤ博士が「発刊に寄せて」と題する一文を執筆してくださった。
 夫に先立たれた博士は、女手一つで、ご子息を育て上げた。そうしたなか、夫の遺志を受け継ぎ、仏教の真髄である法華経の尊い研究を貫いてこられた大学者である。
 七年前、初めてお会いした折、私は、博士の崇高な探求の人生を讃え、有名な御聖訓の一節を捧げた。
 「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる、いまだ昔よりきかず・みず冬の秋とかへれる事を、いまだきかず法華経を信ずる人の凡夫となる事を
 博士は、たいへんに喜んでくださった。
 「発刊に寄せて」のなかで、博士は、こうつづっておられる。
 「法華経は、あらゆる差異を取り払って成仏の可能性を万人に開きました。法華経が深く愛され、経典の最高峰であるとされる所以は、ここにあるのです」
 世界のさまざまな文化に対して、法華経は、どのように貢献していけるか――博士は、「法華経は、視野を広げ、視点を高める教えです」と述べられている。そして、こう続けておられる。
 「仏は、個々の人間の認識力(境涯)を高めようとして種々の教えを説きました。内面世界のドラマは、個人のあり方だけでなく、環境世界にも影響を与えていくからです。仏法が説く、いわゆる『依正不二』です。こうして境涯を高めていく作業の中に、社会における個人の貢献も、また個々の内面の完成も達成されていくという教えです。正義と良心に支えられた人格を涵養し、人類を人間主義に導き、地球文明が大宇宙と調和して存続できる方途を指し示すものです」
 まことに鋭い洞察といえよう。
 さらに博士は、法華経の重要なメッセージとして、このように記しておられる。
 「あなたがどんな人間であっても、いかなる行いをしてしまったとしても、社会の最も低い場所に落ちてしまったとしても、仏はあなたを決してあきらめません。それでも、あなたの命は尊いからです。仏は、粘り強く教え、戒め、諭し、許すのです。衆生は決して弱く愚かな存在ではないと法華経は励ましています。人間の自立を促す仏の教えは、多くの人々にとって良き助けとなっていくことでしょう。釈尊がこの世を去ってから大きな時間が経過しました。その間、仏は、決してどこか遠い世界から衆生を傍観しているのではありません。仏陀の声は、その教えを正しく受け継ぐ生きた人間の声となって私たちに語りかけ続けているのです」
 博士の法華経への理解は深く、そして温かい。
 無限の希望は自分の中にある。自分で自分をあきらめるな。強くなれ! 強くなれ!――そう法華経は呼びかけているのである。
 (=博士は続けて、こう書いている。「〈仏陀の教えを正しく受け継ぐ〉そのような声の一つが、本書の著
 者、池田大作博士といえます。池田博士が読むように法華経を読む人は、現代にあって、仏陀の声を聞く人です。仏の心をたもつことになります」)
 ともあれ、真実の法華経の人問主義を現代に開花させているのは、創価学会だけである。だから、経文のとおり、怨嫉され、悪口罵詈され、三類の強敵が襲いかかってくるのである。
3  励ましの声で人材を育成
 私たちが広宣流布のために真剣に祈って発する声は、それ自体が、菩薩の声であり、さらには、仏の声に通じていく。
 まさしく、「声仏事を為す」――「声が仏の仕事をする」のである。
 どうか、リーダーの皆さま方は、徹底して、励ましの声を贈っていただきたい。ある時は激励し、ある時は支え、ある時は後押しし、ある時は包容し、ある時は心を込めて真剣に注意をしていく。そうした忍耐強い積み重ねなくして、人材を育てていくことはできないからである。
 さらに、皆さまは、広宣流布の名外交の旗手として、誠実の声で大いに味方をつくり、広げていっていただきたい。声一つ、言葉一つで、どれほど大きな戦いができることか。
 そしてまた、広宣流布の大将軍たる皆さまは、邪悪に対しては、「法華折伏・破権門理」と説かれるとおり、勇猛果敢なる破折の声を上げていくことだ。一つまた一つ、祈りきり、祈りぬきながら、断固として明快なる勝利の決着をつけていくことである。
 邪悪な人間は虚偽の仮面を身につける。その本質は嫉妬である。
 イギリスの歴史家カーライルが「山師(=詐欺師)は虚偽の化身である」「まるっきりの虚偽を、語り、作り上げ、行為する」(「チャーティズム」宇山直亮訳、『カーライル選集』4所収、日本教文社))と見ぬいたとおりである。
 スコットランドの詩人バーンズは「妬み心は黒い悪魔だ、地獄の使い」(「オヒルトリーのウィリアムス・シンプソンへ」川畑彰訳、『ロバート・バーンズ詩集』所収、国文社)と喝破している。
4  広布の苦労は一切が幸福の土台に
 日蓮大聖人は「一生成仏抄」に「皆我が一念に納めたる功徳善根なりと信心を取るべきなり」と仰せである。
 いかなる人生の道にあっても、何らかの修行がなければ、人間は鍛えられない。いわんや、仏道修行は、仏になるための鍛錬である。金剛不壊の生命を勝ち取ることを思えば、本来、修行の苦労は楽しいことである。
 広宣流布のための祈りと行動は、一切が、三世の幸福の滋養となり、永遠の栄光の土台となる。
5  6  の勝利の金字塔を、断固として打ち立てましょう!
 どうか各方面、各県、各区のあの友にも、この友にも、くれぐれもよろしく、お伝えください。
 お体を大切に!また「伝統の二月」に元気いっぱい、お会いしましょう!

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