Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

全国総県長会議 激流の時代を勝ちぬけ!

2001.11.13 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

前後
2  怒濤を超えよ 青年ならば
 このほど、沖縄の同志が、私の大好きな歌の一つである『黒潮の闘魂』のレコードを、わざわざ届けてくださった。
 今をさかのぼること1世紀、1905年の沖縄が舞台である。日露戦争中、「(ロシアの)バルチック艦隊発見」の知らせを打電するため、沖縄の宮古島から石垣島まで、約130キロもの荒海を、「サバニ」と呼ばれる小さな丸木舟で乗り越えた、若き5人の勇士がいた。(無線施設は当時、石垣島にはあったが、宮古島にはなかった)
 その名も「久松五勇士」。わが身をなげうつ覚悟で挑んだ、決死の旅であった。
 その青年たちの心意気を、勇壮に歌い上げた名曲が「黒潮の闘魂」である。
 怒濤逆巻く黒潮の
 しぶきを浴びて漕いでゆく
 沖の煙はロシア船
 早く知らせにゃ祖国危うし
 賭けて悔いない男の命
 腕もきれよと漕いでゆく――
 (奥平潤作詞・作曲。JASRAC出1005671-001)
 怒涛の荒波を、腕も切れよと漕ぎ抜いた5人の雄姿――。
 それは、「世界で一番早い広宣流布の平和の楽土」を目指して進む、沖縄の同志の尊き姿と重なって、わが胸に迫ってくる。
 久松五勇士を生んだ宮古島の同志も、本年、見事な友好拡大の勝利を飾った。
 地域に友好と信頼を広げゆく、わが沖縄の友の姿は素晴らしい。
 先月、沖縄の各地で行われた支部総会には、全世帯数の、じつに3・5倍の友人が参加。地域のあちこちで、にぎやかな和楽の対話の花が咲いた。
 (=「沖縄タイムス」では、2001年10月から02年3月まで、名誉会長の連載記事「沖縄で平和を考える」を掲載。毎月第1日曜日に、名誉会長の著作・発言から沖縄社会に向けた提言を紹介し、大きな反響を呼んだ)
 沖縄は、まことに国際性豊かな天地である。
 世界に雄飛した沖縄の出身者の方々が故郷に戻って交流を行う、第3回の「世界のウチナーンチュ大会」が今月、盛大に開催され、28カ国・2地域から約4000人の方が集われた。
 沖縄出身であるボリビアSGI(創価学会インタナショナル)の理事長、ザンビアSGIの婦人部長らも参加した。
 大会では、“民間大使”を務めるなど、多くのSGIメンバーの活躍が光っていたそうである。
3  法華経こそ平和と安穏の大法
 私は、インドを代表する思想家のロケッシュ・チャンドラ博士と、「世界の哲学を語る」と題して対話を重ねてきた。(=対談は『東洋の哲学を語る』と題し、2002年10月、第三文明社から発刊)
 インドは仏教発祥の地であり、法華経の智慧の源流である。
 その最高峰の知性との対話は、格別に意義があると私は思ってきた。その対談の連載が、まもなく完結する。
 結びに博士は、光栄にも私どもの運動を評価して言われた。
 “池田先生と創価学会が人類に貢献している姿は、あたかも法華経の寿量品の偈のようです”と。
 そして、自我偈の一節を唱えられた。私たちも日々、勤行で読誦している「我此土安穏。天人常充満」の部分である。
 自我偈には、こう、うたわれている。
 「衆生が『世界が滅んで、大火に焼かれる』と見る時も、私(仏)の住むこの国土は安穏であり、常に天界・人界の衆生で満ちている。
 そこには、種々の宝で飾られた豊かな園林や多くの立派な堂閣があり、宝の樹には、たくさんの花が咲き香り、多くの実がなっている。まさに衆生が遊楽する場所なのである。
 多くの天人たちが、種々の楽器で、常に妙なる音楽を奏でており、天空からは、めでたい曼陀羅華を降らせ、仏やその他の衆生の頭上に注いでいる」
 インドの大哲人である博士は、創価の運動が、この法華経の真髄の経文どおりに、人類に対して「人間であることの喜び」を呼びかけ、「精神の開花」を促し、「世界平和への協調」を広げていると、結論された。「生命について本質的な価値を創造しているという意味で、創価学会は、現代世界における比類なき存在なのです」とも讃嘆してくださった。
 創価学会は、国を超え、民族を超えて、一人また一人と、仏の大境涯を開かせながら、「歓喜の中の大歓喜」の生命の宝塔を打ち立てている。各地の会館、研修道場は、法華経に説かれる「園林諸堂閣」そのものであり、それぞれの地域社会の「安穏と繁栄の大城」である。
 とともに、学会には、「人間教育の力」が満ち満ちている。「青春の華」が咲き薫り、人生の総仕上げの「勝利の実」が結実している。さらにまた、鼓笛隊や音楽隊、合唱団の方々などが、絶えず「妙なる音楽」を奏でてくださる。芸術部の活躍をはじめ、「文化の創造の力」が、みなぎっている。そして、天から麗しい曼陀羅華が降り注ぐように、世界中から学会に、信頼と共感と賞讃を寄せていただいている。
 まさに、この創価の和合のなかに、「人間の共和」の縮図がある。「生命の共生」の模範がある。「平和の文化」の理想がある。
 世界は今なお、大火に焼かれるような苦悩に直面している。
 日蓮大聖人は、内乱が勃発した時、大確信をもって、厳然と叫ばれた。
 「(国を助けたまえと祈る)日蓮が控えていればこそ、(日本は)今までは安穏であったのだ」(御書919㌻、通解)と。
 大聖人正統の創価学会は、「人類の安穏」と「世界の平和」のために、新世紀の希望の光明である人間主義の連帯を、いよいよ広げ、深め、強めてまいりたい。
4  一心に広布へ戦う人を仏が賛嘆
 ここで御聖訓を拝したい。在家の夫妻に送られた御書である。
 真心の御供養を重ね、広宣流布に尽くす、けなげな門下である夫を、日蓮大聖人は「妙密上人」と呼ばれ、讃えておられる。これが御本仏の御心である。一心不乱に折伏し、広宣流布へ戦い続けている皆さまを、大聖人は、どれほど讃嘆しておられることか。
 大聖人は、妙密上人に仰せである。
 「上行菩薩は、末法に出現して、妙法蓮華経の五字を全世界の国ごと、人ごとに弘めていくのである」(御書1239㌻、通解)
 重要な一節である。
 この大聖人の実践と精神を受け継ぎ、広布の使命に立ち上がったのが、創価の同志である。時代や思想の乱れが極まった、この時に、日本中のそれぞれの地域で、世界中のそれぞれの国々で、一人また一人と妙法を弘め、平和と幸福への行動を進めているのは、創価学会しかない。SGIしかない。
5  さらに大聖人は仰せである。
 「経文には、『この法華経は、如来が世にいる時ですら、数多くの怨嫉がある。まして滅後においては、なおさら怨嫉が多い』とある。また、『一切世間にあだむ者が多く、この法華経を信ずることは難しい』。さらに、『仏法に無智の人が多くいて悪口罵詈する』とある。あるいは、『法華経の行者は、刀や杖、瓦や石をもって迫害を加えられ、あるいは、しばしば追い出される』とも書かれている。これらの経文は、日蓮が日本国に生まれなかったなら、ただ釈尊の言葉のみあって、その義が虚妄となったにちがいない」(御書1240㌻、通解)
 釈尊の法華経は、大聖人が大難を耐え忍び、戦い抜かれたゆえに、真実と証明された。
 そして700年の後、大聖人の御書の通り、怨嫉され、悪口罵詈され、迫害されながら、世界への広宣流布を進めてきたのが、牧口先生であり、戸田先生である。そして私であり、皆さま方である。創価学会が出現したゆえに、大聖人の御書が真実であることが証明されたのである。
 どれほど偉大な、どれほど深遠な、どれほど尊極な使命をもった、広宣流布の団体であるか。
 ゆえに、学会に敵対すれば、大聖人に敵対することになる。学会に反逆すれば、大聖人に反逆することになってしまうのである。
 大聖人は記しておられる。
 「日本国の人々は、『法華経は尊いけれども、日蓮が憎いので、南無妙法蓮華経とは唱えまい』と拒んでいても、もう一度、二度と大蒙古国から兵が押し寄せて(中略)強く責める時は、どうして南無妙法蓮華経と唱えないでいられようか」(御書1241㌻、通解)
 現代もまた、荒れ狂う怒涛のような時代に入った。人々は、確固たる平和と幸福の大哲学を求め始めている。
6  大聖人は、妙密上人夫妻の真心の御供養を最大に賞讃され、こう説いておられる。
 「国中の人々に、一人から二人へと妙法が広がり、やがて千万億の人が題目を唱えるようになれば、思いも寄らぬほどの功徳があなたたちの身に集まることでしょう。その功徳は、あたかも、露を集めて大海となり、微塵を積んで須弥山となるようなものです」(同㌻、通解)
 この御聖訓の通りに、わが創価の同志が、一人ももれなく、大海原のような大境涯を開き、大山脈のような大福運を積まれゆくことを、私は祈りに祈っている。
 まずは、2005年の「学会創立75周年」に向かって、健康で、長寿で、最高に幸福な人生を、ともどもに歩み、勝ちゆくことを誓い合いたい。
7  一人の人間が「勝利の一生」を生ききったかどうか――それは人生の最終章で決まる。
 フランスの思想家モンテーニュは、「死」について、「それはもっとも重要な日であり、他のすべての日々を裁く日である」(『エセー』1、原二郎訳、岩波文庫)と述べている。
 大聖人は厳然と仰せである。
 「このような苦悩の世界(死後の地獄等の世界)に行ったならば、王の位も、将軍の位も、何の役にもたたない。獄卒(=地獄の鬼)の責めにあう姿は、猿回しに回される猿と変わらない。こうなった時は、どうして名聞名利や我慢偏執(我を頼んで心が傲り、偏ったものに執着すること)の心でいられようか」(御書1439㌻、通解)
 仏法の因果は厳しい。どうか、「私は勝った。何の悔いもない」と言いきれる、人生の総仕上げを晴れ晴れと飾っていただきたい。
8  トップが動け! トップが先頭に!
 混迷極まる激変の時代を勝利しゆくカギは何か。それは、トップが動き、トップが先頭に立ち、すべてにわたって、トップが率先して動きに動いていくことである。
 ゆえに、どうか皆さま方は、どんどん人と会い、味方をつくっていっていただきたい。情報を逃さず、全責任を担って、常に先手、先手を打っていただきたい。広宣流布は、即、最高の人間外交であり、究極の正義の渉外戦であるからだ。
 乱世である。油断してはならない。「勝って兜の緒を締めよ」である。戦いは「やりきっていく」ことだ。この「やりきっていく」精神が皆の心に燃えている限り、学会は、いくらでも発展していける。
 皆さまも、また尊き同志も、法のため、地域のために、人の何倍も働いておられる。だからこそ、人一倍、健康に配慮していただきたい。睡眠不足にならないよう、疲れをためないよう、気をつけていくことだ。
 偉大な広宣流布の闘士たる、大事な大事なわが創価学会の各県・各区のリーダーの皆さま方のご健康とご活躍をお祈りして、私のメッセージとさせていただく。
 (創価文化会館)

1
2