Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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全国総県長会議 「断じて勝つ」一念で進め

2001.5.22 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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1  全国総県長会議、大変にご苦労さま! きょう、私は、国賓として来日されているアフリカ・ナイジェリアの民主の指導者オバサンジョ大統領と元赤坂の迎賓館で会見することになっている。3年間の投獄にも、死刑の宣告にも屈することなく戦い抜いてこられた信念の闘士である。このたびが、4度目の語らいとなる。
 大統領は、SGIの平和・文化・教育の運動に深い理解を示され、「何ものにも盲従しない。何ものをも抑圧しない。これが仏教の精神ですね。仏教には、人間を高めていく力があります」と洞察されていた。
 また、波瀾万丈の試練のなかで、民主化への闘争を貫いてきた大統領は「リーダーの課題は、自分の“焦点”を明快にすることです。焦点がぼけた指導者は、周囲の声などに動かされ、引きずられてしまうものです」と論じておられる。
 どうか皆さまも、「広宣流布の指導者」として、「焦点」を明確に定めて、獅子奮迅の指揮をお願いしたい。どうせ戦うのであれば、中途半端では何にもならない。断固として、また徹底して勝つことである。
 また大統領は、「私の目標は、人々が、自分自身や政府、そして国に対して自信を持つようになることです」と語っておられた。リーダーの強い強い祈りと一念が、全同志に波動を広げる。わが県、わが区、わが方面の同志に、常勝と拡大への自信をみなぎらせていただきたい。
2  大聖人は、弟子の無事安穏を最大に祈り、細心の注意を繰り返しておられた。
 御聖訓には、「家へ帰るときには、第一に心に深く用心しなさい。ここを必ず敵は狙うからである」(御書1176㌻、通解)と仰せである。
 とくに女子部・婦人部の帰宅が遅くならないように、細心の注意をしていただきたい。
 御書には、「神の護ると申すも人の心つよきによるとみえて候」とも仰せである。
 心にスキがあると、諸天善神も離れてしまう。「油断は大敵」「油断は禁物」である。
 五濁悪世である。互いに注意しあい、心を配りながら、「信心即無事故」「無事故即勝利」の前進をお願いしたい。
3  女性の力で時代を変える
 21世紀は「女性の世紀」である。それを考察する興味深い記事が、お隣の中国の新聞『ハルビン日報』に掲載されていた。
 それによると「彼女(中国語でター)」という女性の代名詞は、中国では、二十世紀になって初めてつくられた言葉であるという。英語を見ても、「彼女」を意味する「she」という単語が使われたのは、十二世紀になってからである、と。
 あのフランス革命の「人権宣言」(1789年)でも、「人」には、男性を意味する言葉が使われ、いわば女性の権利は排除される形となっていた。それに抗議した女性が処刑されたことも有名な史実である。
 (=フランスの女性解放の先駆者・グージュ〈1748年~93年〉。人権宣言に抗議して、その2年後の1791年、“女性の権利宣言”を発表、93年に断頭台で処刑された。名誉会長は、1996年11月3日の創価教育同窓の集いで、グージュの信念の生涯についてスピーチした
 21世紀は、女性を女性として、また人間として最高に敬う時代である。女性の力が最大限に発揮される時代である。
 さらに新聞の記事には、こうあった。
 「21世紀は『知識経済の時代』である。それは、これまでの工業文明の時代のように、『ハードパワー』で競争する時代ではない。『どう企画し、どう広めるか』『どのように奉仕するか』『どうやって共に動いていくか』『どう交流し、どう力を合わせていくか』などの点で競い合っていく時代である。
 すなわち、それは、女性が豊かに持つ『敏感』『繊細』『柔軟』『忍耐』『慈愛』『注意力』、そして『第六感』などの力が、ますます活躍していく時代である」と。
 これからは、国であれ、企業であれ、組織であれ、「女性の力」が生き生きと発揮されるところが発展していく。それが世界的な潮流である。
 わが創価学会は、その先駆を行く団体である。また、そうあらねばならないと、私は改めて申し上げておきたい。
4  ルクセンブルク「虹支部」は今、着実に発展
 ヨーロッパに「緑のハート(心臓)」とも、「緑のダイヤモンド」とも呼ばれる美しき国ルクセンブルクがある。この国でも、女性リーダーが中心となって、さっそうと広宣流布の道を開いている。
 私が、このルクセンブルクを訪問したのは、ちょうど10年前(1991年)の6月である。その折、「世界で一番小さい支部」が結成された。支部結成の直後、諸天も寿ぐように、天空に大きな虹がかかった。そこで私は、「虹支部」との愛称を贈らせていただいた。
 この虹支部は、女性の支部長であった。彼女は東京出身で、高等部時代に世界広宣流布への雄飛を決意した学会っ子である。生まれて間もない幼子を抱えながら、けなげに奔走していた姿は忘れられない。ルクセンブルク人のご主人は、高校の数学の先生であった。ご主人は、彼女を深く理解し、入会されてはいないが、温かく活動を支えておられた。
 私は、ご主人に感謝するとともに、支部の顧問となっていただき、奥さまを、また同志を守っていただくようにお願いした。
 以来10年、ルクセンブルクの友は、地道に、誠実に、また粘り強く、広宣の歩みを綴ってこられた。私たち夫婦も、一生懸命、お題目を送り続けてきた。
 この10年間で、メンバーは、じつに4倍にも増加した。地域社会からの信頼も抜群である。そして、このほど、ルクセンブルクのSGIが晴れて法人の資格を取得したという、うれしい報告が届いた。
 これは、本年4月28日付の官報に掲載され、「SGIルクセンブルク」は法人として正式に認可された。これに伴い、ルクセンブルクの組織も、支部から本部へと発展した。
 「SGIルクセンブルク」の法人の理事長も彼女である。彼女を支える2人の役員も女性である。ここにも「女性の世紀」のうれしい象徴がある。
 またご主人は現在、副市長の要職に就いて活躍しておられる。今回、SGIルクセンブルクの名誉本部長にも、喜んで就任してくださった。
 「虹の幸福家族、大万歳!」と心から祝福申し上げたい。
5  ヘンダーソン博士”SGIは不撓不屈の民衆の組織”
 現在、私は、「女性の世紀」を代表するアメリカの未来学者のヘイゼル・ヘンダーソン博士と、対談集の発刊を目指して対話を重ねている。(=『地球対談――輝く女性の世紀へ』と題し、2003年1月、主婦の友社から発刊)
 博士とは、今後も、「環境」や「エネルギー問題」「地球市民の連帯」「女性の活躍」「平和の文化と教育」など、21世紀の焦点となるテーマをめぐって、自由闊達に語り合っていく予定である。博士は、今回始まった対談の中で、このように語ってくださっている。
 「(=市民運動で学んだ)重要な教訓は、不撓不屈であることです。そして、人々に対して、絶えず、あきらめることなく、私たち一人ひとりの中には『神』、すなわち、より高貴な自我が内在することを訴えていくことです。たとえ相手が有力な政治家や実業界のリーダーであってもです。そしてこれが、池田会長、ならびに私が会った世界中の創価学会の皆さまについて、私が賞讃する資質なのです。皆さま方は、最もよく組織された、かつ最も不撓不屈の民衆の組織です。私は、精神的に何かをしたいという動機をもっていても、何事も起こせない人々の団体を、世界に数多く知っております。けれどもSGIの人々は、現実に多くのことを成し遂げてきました。たとえばSGIは、平和を推進し、核兵器禁止への偉大な事業に取り組んでこられました。私はその事実に、大変、感銘を受けるのです」
 自ら、市民運動のリーダーとして、幾多の苦難と試練を乗り越えて、不撓不屈で戦い抜いてこられた、崇高なる博士の言葉である。その博士が、「最も不撓不屈の民衆の組織」と信頼してくださっているのが創価学会であり、SGIなのである。戦う我らの誇りは、あまりにも高い!
6  社会を不幸にする一凶を禁ぜよ!
 日蓮大聖人は「立正安国論」で「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」と仰せである。社会の不幸をなくすためには、多くの祈祷を行うよりも、「一凶」、すなわち、社会を不幸にする元凶を禁ずるべきである――と。
 「一凶」とは、「根本悪」ということである。人間も社会も、「根本」が狂っていたら、いかなる善行も策も無益となる。では、この「根本悪」とは何か。それは「正法正義への誹謗」である。仏の大願である「広宣流布」への敵対である。
 万人の尊極の生命を輝かせ、生命尊厳の平和な社会の実現を目指す「根本の善」に対して嫉妬し、違背する。そして、権力と結託し、正しい哲理を踏みにじり、正義の人を迫害する。この魔性の働きこそ「一凶」であり「根本悪」である。現代でいえば、まさに日顕の罪業が、その典型である。
 大聖人は、「一凶」を放置しておけば、「自界叛逆難」と「他国侵逼難」が起こると断言された。内部の対立・分裂をもたらし、民衆を最大に苦しめる戦争への道に引きずり込んでしまう、と。
 それゆえ、大聖人は、「一凶」を禁ぜよと、峻厳に仰せになられたのである。
7  今、創価学会は、戦争を根底的に阻止する真の平和勢力として、そびえ立っている。これが世界の識者からの期待であり、信頼である。
 日本においても、世界においても、戦争への危険な動きが絶えない今、私たちが堂々と連帯を広げ、断固として勝ち進んでいくことが、「平和への希望」であると自覚し、自負してまいりたい。
 この現実社会で、悪と戦い、社会の善を実現していく変革の行動こそが、日蓮仏法の真髄である。悪と戦わない宗教は、それ自体、悪世の濁流の中に呑み込まれてしまう。これが「末法」という時代の本質である。
 これまでも、何回も拝してきたが、「御義口伝」には「悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云う」と御指南されている。
 生命の濁りを滅し、清浄な生命を生じるのが「功徳」である。唱題に励み、悪と戦ってこそ、その「功徳」もわいてくる。戸田先生もよく、「敵と戦わない人間は信用できない」と厳しく言われた。
 さらに大聖人は、「悪は多けれども一善にかつ事なし」と言い切っておられる。
 「一善」とは、「善」を実現するために、心を合わせて戦う大聖人の一門である。それは、末法今時においては、創価学会しかない。
 この崇高な、仏意仏勅の創価学会を利用したり、破壊しようとする「一凶」とは、断じて闘争せねばならない。我らには「異体同心」の団結がある。これに勝るものはない。「正義の精神」「破折の精神」、そして「広宣流布の精神」を燃え上がらせて、痛快に戦い、勝ち抜いてまいりたい。
 最後に、お帰りになられたら、来る日も来る日も、仏の使いとして活躍されている尊き同志の皆さまに、どうか、私の、心からの感謝と敬意をお伝えいただきたい。皆さま方のご尊家のご長寿と無事安穏、ご多幸とご繁栄を、私は祈りに祈ってい
 る。
 ともに創立75周年を目指して、「勇敢に!」「健康で!」と申し上げ、私のメッセージとさせていただきたい。
 (創価文化会館)

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