Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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青年教育者会議 青年よ奮起せよ 先師に続け

1996.1.7 メッセージ集(池田大作全集第67巻)

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2  牧口先生は権力追随者を笑い飛ばして人権闘争
 創価教育の父、牧口先生は謹厳な方であられた残っている写真にも笑っている写真がほとんどないといわれます。
 その牧口先生が大笑いされたという。戸田先生が、こう教えてくださった。
 「牧口先生は、いつも(「佐渡御書」の)このお言葉を口ずさんで、大いに大笑いされたものであった。『師匠にておはせども余にこはし我等はやはらかに法華経を弘むべしと云んは螢火ほたるびが日月をわらひ蟻塚ありづか華山かざんを下し井江が河海をあなづり烏鵲かささぎ鸞鳳らんほうをわらふなるべしわらふなるべし』」
 ――「日蓮さんは私たちの師匠ではあられるが、あまりにも剛直である(妥協がない)。私たちは(師匠とちがって)柔らかに法華経を弘めましょう」と言うのは、ホタルの光が太陽と月を笑い、アリ塚が華山(約二千メートルの中国の名山)を見下し、井戸や小川が大河や大海をあなどり、小鳥のカササギが偉大な鸞鳥と鳳凰を笑うようなものである、笑うようなものである――。
 この「わらふなるべしわらふなるべし」のところを口ずさんで、牧口先生は高らかに大笑いされるのが常であったというのです。日蓮大聖人は、全人類の未来のために妥協なく権力と戦われました。戦ったからこそ弾圧され、佐渡に流罪されたのです。ところが、その姿を見て、多くの弟子たちが、大聖人を守るどころか、非難した。
 ”師匠のやり方はまずい。あんなやり方だから、迫害されるのだ。私たちは、もっとうまく柔らかに法華経を弘めよう”
 こう言って批判した。また、陰で笑っていた者もあったでしょう。
 牧口先生の時も同じでありました。あからさまに「私は退転する」とは言わない。しかし実際には、大難を恐れた「心の退転」であった。
 大聖人は、臆病な門下の姿を悠々と見おろしておられました。
 ――私は太陽であり、大月天である。私は大いなる高山である。私は大河であり、大海である。私は大鳥である。私は大宇宙と一体である――。
 そういう気概であられた。
 ――小さな国の小さな政府が迫害しようと、流罪しようと、それが何だ。小さなことではないか。むしろ誉れではないか。経文のとおりではないか。喜ぶべきではないか。永遠の歴史を今、つくっているのではないか――。
 それもわからない弟子たちを、大聖人は嘆かれ、また笑い飛ばされたのです。
3  「日蓮と同意」の祈りに諸仏・諸天が動く
 牧口先生も、軍部権力の迫害に妥協しなかったゆえに、弟子にも批判され、宗門にも裏切られた。しかし、「日蓮と同意」の信心で、牧口先生はそれらを笑い飛ばしておられた。
 「諸法実相抄」にのたまわく、「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか、地涌の菩薩にさだまりなば釈尊久遠の弟子たる事あに疑はんや
 ――日蓮と同じ心ならば地涌の菩薩といえよう。地涌の菩薩と決まれば、本仏の久遠以来の弟子であることを、どうして疑えようか。間違いないことである――。
 創価学会は牧口先生以来、「日蓮と同意」の教団です。信仰上のこの信念、この行動をば、誰人も規制することはできません。
 皆さまも、「日蓮と同意」の信心で、いつも御本仏とともに生きぬき、ちっぽけな嫉妬など一蹴して、楽しく、大笑いしながら、堂々と前進していただきたいのであります。
 牧口先生の大確信をそのまま受け継がれたのが戸田先生です。戸田先生のお心もまた「日蓮と同意」であられた。
 「開目抄」の有名な一節に「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん」と。
 この大聖人の仰せのままに立ち上がられたのが、戸田先生です。
 戦後まもないころ、戸田先生は青年にこう語られました。
 「我等の目標は、人類永遠の安心立命の地を建設することに他ならない。このためには、あるいは弾圧迫害も覚悟しなくてはならないだろう。しかし我等は、法華経のために身を捨てるならば、霊山浄土において、日蓮大聖人からお褒めの言葉にあづかるのである。何ぞ現世の微々たる人爵(人から与えられる地位)を重んじようか。青年諸君よ、大いに奮起しようではないか」(「価値創造」昭和21年7月号)
 二十一世紀へ、力強く銅鐸どらを打ち鳴らしながら船出した青年部に、そして青年教育者の皆さまに、この戸田先生の言葉をそのままお贈りしたい。
4  戸田先生は、こうも語っておられる。
 「私どもは凡夫の身として、同じく広宣流布にいそしむ光栄は、何ものにか例えられましょう。さぞや三世の諸仏はお喜びになり、菩薩はその果報を御うらやみ遊ばされ、諸天善神は擁護の心を働かしておられることでございましょう。釈尊は本願を違わざるを喜ばれ(=釈尊の人類救済の願いどおりに行動している学会員を見て喜ばれ)、大聖人様は我々凡夫の頭を撫でられて、魔に怖れずに戦えよと御励ましくだすっておりましょう。ただ、ありがたいことでございます。また、牧口先生は霊鷲山会にさぞや、肩身を広くしておわすることでありましょう」(「価値創造」昭和21年11月号)と。
 真剣なる「祈り」のあるととろ、三世十方の諸仏・諸菩薩・諸天善神が、こぞって皆さまを称え、皆さまに合掌していくのです。そして、広布への「行動」のあるところ、仏菩薩、諸天はこぞって喜び、皆さまと一緒に動いて、厳然と守ってくださるのです。
 牧口先生、戸田先生も、霊鷲山において、居並ぶ仏菩薩に向かい、”この堂々たる学会員の戦いを見たまえ!”と、笑顔で語り合われ、さぞかしお喜びであるにちがいありません。
 私どもは本年もまた、日蓮大聖人が、そして牧口先生、戸田先生がお喜びくださる「大勝利の一年」を飾ってまいりたいと申し上げ、祝福のメッセージとさせていただきます。
 (東京牧口記念会館)

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