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日蓮大聖人・池田大作

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大切なのは「一念の健康」 心が強ければ、病にも負けない

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

前後
1  池田 大きな会合には、ドクター部や白樺会・白樺グループの友が待機してくださっている。これほど心強いことはない。全国の同志が最大に感謝していると思います。
 森田 会合中、具合が悪いのを我慢していて、結局、倒れてしまう方もいます。調子が悪いなと思ったら、我慢することなく、安心して私たちを訪ねてほしいですね。
 豊福 急病人が出た場合、私たちは病状を見きわめ、適切な対応をします。このまま様子を見ていていいのか、早めに医療機関で受診したほうがいいのか――患者さんの今後の方向づけをするのが役目です。
2  持病のある人は薬を持って参加
 小島 ただ、注意していただきたいのは、会館には薬を常備しているわけではないということです。
 高田 ですから、心臓病や高血圧など持病のある方は、日ごろ服用している薬をつねに持って会合に出かけるよう心がけてください。
 池田 大事なアドバイスです。「会合に行くのだから大丈夫だろう」と油断していて、万一、倒れたりすれば、大勢の人に迷惑をかけることになってしまう。
 池田 日ごろから、自分の健康に注意し、自分で工夫して体調をコントロールしていかねばなりません。自分が″医師″となり″看護師″となって、賢明な生活をすることです。
 溝田 風邪やインフルエンザなど、人に伝染する病気にかかっている場合も、お互いのために会合に出るのは控えたほうがいいと思います。
3  信仰は病気と闘う生命力の源
 池田 そもそも会館は「信仰の力」で人々を救っていく場です。
 信仰によって、人間に内在する″病に打ち勝つ力″を引き出していく。生命の根底から人間を健康の方向へ向かわせる。これが、日蓮大聖人の仏法の目的であり、宗教本来の使命なのです。
 もちろん、仏法は医学を否定するものではありません。
 戸田先生も「病院には病院の使命がある。私たちは、信心を根本にして医学を生かしていけばいいのだ」と言われていた。朗々たる唱題で生命力を強くし、医学の知識や力を賢明に活用する智慧をわかせていけばいいということでしょう。
 森田 生命力で思い出しましたが、学会の草創期には、病気で悩んでいる方がたくさん会合に集っていた。それでも「病、何するものぞ!」と、闘う息吹があふれでいた気がします。
 池田 そうでしたね。皆が「いかなる病さはりをなすべきや」の精神ですね。
 もちろん、人間だれしも体調の悪いときはある。当然、医学の助けも必要です。しかし、心まで弱気になれば病気に負けてしまう。
 妙楽大師の言葉にこうあります。「必ず、心が堅固であれば、諸天善神の守りは強いのである」(御書九七九ページ等、通解)と。
 大切なのは「一念の健康」です。
 「広宣流布のために健康に、なろう!」――そう一念を燃やせば、医師や薬が薬王菩薩の力を発揮し、何より生命力が増して健康の方向へと進んでいけるのです。
4  会館で重病人が出たら救急車を
 小島 会館で、病人が出た場合の対応として、確認しておきたいことがあるのですが。
 池田 どうぞ、お願いします。
 小島 もし重病人が出た場合、当然のことですが、ためらうことなく救急車を呼んでほしいと思います。
 森田 心筋梗塞など、一刻を争う病気の場合、様子を見ている間に、取り返しのつかない状態になってしまうケースがあります。
 池田 「スピード」が大事ですね。
 かけがえのない命です。大切な使命の人生です
 大聖人は「生命というものは、あらゆる財宝の中で最高の財宝である」(御書一五九六ページ、通解)と仰せです。
 生死を分ける重要なときに「会館に救急車を呼ぶなんて体裁が悪い」「信仰の力がないと思われはしないか」――そんな遠慮は、いりません。少しでも躊躇すれば、助かる命も助からなくなります。
5  主要会館にはAEDが設置
 高田 事故や病気で倒れたときには、救急車が到着するまでの数分間をいかに迅速に対応するかも、生死に大きく影響します。
 豊福 昨年(二〇〇四年)、厚生労働省の通達によって、これまで医師にしか許されなかったAED(動体外式除細動器)が、一般の人でも使用できるようになりました。
 池田 AEDデスか? もう少しくわしく説明していただけますか。
 豊福 はい。現在、わが国の心臓突然死の原因として、「心室細動」が注目されています。
 心室細動とは、心臓の筋肉がけいれんして、ポンプとしての心臓の働きが機能しなくなり、血液を送り出すことができなくなる状態です。
 森田 この心室細動が起きてしまった場合の唯一の蘇生法が、心臓に電気ショックをあたえる治療です。
 池田 人工呼吸や心臓マッサージでは効果はないのですか。
 豊福 それだけでは、なかなか、もとにもどりません。そこで注目されているのが、このAEDです。
 倒れた人にとりつけて操作すると、自動的に心室細動かどうかを判断してくれます。必要であれば、電気ショックをあたえることができます。
 池田 なるほど。一般の人でも手軽に使えるのでしようか。
 高田 使用法は簡単で、機械の音声ガイドにしたがってボタンを押すだけですが、いざというとき、あわてないためには、講習を受けておく必要があります。
 高田 AEDは学会の主要な会館にも設置されています。AEDや心肺蘇生法については、講習会等があれば積極的に参加していただきたいと思います。
 池田 大事なことです。知っているのと、いないのとでは、天地の差が生まれます。
 とくに、日本の救急医療システムは、欧米に比べて遅れている。欧米では、一般市民レベルから真剣に取り組んでいると聞きます。かけがえのない命を守るために、社会として積極的な取り組みが必要でしよう。その意識を高めるためにも、こうした「救命措置」を皆の「常識」としたいですね。
6  幹部は言葉に出してお礼を
 森田 いざというときに同志の皆さんの命を守れるよう、ドクター部も白樺の友と、日ごろから連携を密にし、しっかりと心をあわせて任務に臨んでいきます。
 池田 皆さんは広布のため、学会のために、無償で尽くしてくださっている。崇高な薬王菩薩の使命の方です。幹部は、その尊い行動を当たり前と思ってはいけない。しっかりと言葉に出して、お礼を言うべきです。
 「皆さん、いつも本当にお世話になっています!」「ありがとうございます!」「どうか、よろしくお願いします!」――ていねいに、さわやかに、心からの感謝を伝えていただきたい。
7  白樺の友の出動の原則は厳守
 森田 ありがとうどざいます。
 ドクター部の私から言うのも変ですが、ここで一つお願いがあります。現在、白樺のメンバーが救護役員として出動する会合は原則として、規模によって決まっています。
 メンバーは、不規則な勤務をやり繰りして、大変ななかを出動してくださっています。それ以上の依頼には対応できない場合もあることを、ご了承ください。
 池田 うるわしい同志愛の言葉ですね。そのとおりです。
 今、言われたように、白樺の友は多忙な仕事の時間をさいて、役員を引き受けてくださっている。たとえ夜勤明けでも、″大切な同志に何かあってはいけない″と、「奉仕の心」で駆けつけてくださっている。この真心を忘れてはならない。
 本来、仕事と信仰は別です。出動しなければならない義務は何もない。
 その真心に甘えて、幹部の都合や人間関係から、原則を破って無理をお願いすることのないようにしていただきたい。
 社会のため、何より気高い命を守るために苦労し、力のかぎり働いている。最高の勲章を贈ってたたえられるべき存在です。まして、学会の看護師さんは、広宣流布という人類の最高の価値創造にも貢献してくださっている。たいへんな功績です。功徳も大きい。
 銀河系には、太陽のように自分で光る星(恒星)が二千億個ほど集まっていると言われています。また宇宙全体の銀河の数は、約一千二百五十億個と言われる。この事実は、法華経に説く「無量無辺」「百千万億」という生命観、宇宙観を見事に証明している。このように仏の御金言は全部、真実です。目には見えないが、信じるに値する大法なのです。
 ですから、この信心を純真に貫いていくならば、その福徳は一家一族を永遠につつんでいく。子孫末代まで行きわたるのは間違いありません。
8  ナイチンゲール「看護は人生の最高の喜び」
 小島 ありがとうございます。皆さんに安心と希望を送れるよう、いっそう、技術と人間性を磨いていきます。
 池田 偉大な使命に生きておられる看護師さんです。だからこそ、大事にしなければならない。
 たしかに苦労は多いでしょう。ふだんは患者さんや医師に忍耐強く接していても、身も心も疲れ果てると、「もう、こんな人たちの面倒は見きれない」(笑い)――そう思うことがあるかもしれない。
 しかし、人の苦悩を癒し、人のために働く尊さは何物にもかえがたい。そこに看護の本質的な喜びもある。ナイチンゲールは言っています。「看護は犠牲行為であってはなりません。人生の最高の喜びのひとつであるべきです」(薄井坦子代表編訳『ナイチンゲール著作集』3、現代社)
 皆さんが健康を守った方々が社会に貢献し、生き生きと活動していく姿を目にすることほど、うれしいことはないでしょう。人生の最高の充実もあります。
 長年、こうして陰で活躍されている白樺の友を、学会本部として最大に顕彰すべきではないか、と私は提案しておきたい。
 創立記念日に向かって、本年の総仕上げの活動も始まります。わが同志の健康・無事故が第一です。皆がはつらつと、楽しく健康で長寿の人生を謳歌しでいけるよう、私は妻とともに、さらに真剣に祈ってまいります。

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