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日蓮大聖人・池田大作

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薬と生命力 希望、使命感、愉快な心が健康力

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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10  心と体は一体
 荻上 「責任感」「使命感」も、「治す力」を引き出す要因ではないでしょうか。
 私の母の例で恐縮なのですが、五年前、子宮がんになりました。
 池田 おいくつですか。
 荻上 現在、九十一歳です。高齢のため手術はできないと診断され、放射線治療を始めました。放射線治療は若い人でも体に負担がかかります。
 当時、母は、副看護部長で忙しい私にかわって家事を引き受けてくれていました。そのため母は「私が寝込んだら、この家は持たない」と(笑い)、入院中も週末には家に帰ってきて、家事を続けたのです。
 医師や看護師、他の患者さんもびっくりするほど元気で、治療も効を奏し、がんは治りました。現在まで再発もありません。
 池田 まさに″母は強し″ですね。たしかに何らかの仕事、使命の実現に励む人は、年齢にかかわらず強さがあります。
 古代ローマの哲人セネカも「仕事は高貴なる心の栄養なり」と言っている。「自分には、なすべき使命がある! 使命があるかぎり、倒れるはずがない!」――この確信がお母さまの生命力のもとになったのではないでしょうか。もちろん信心の力が根底にあったことは言うまでもありません。ほかに「治すカ」を強める心の働きはありますか。
 森田 「ユーモア」や「笑い」も、そうだと思います。
 「ユーモア」や「笑い」が、がん細胞の発生を監視するナチュラルキラ!(NK)細胞の働きを強めるという事実は有名です。
 上東 カズンズ博士も、「笑い」が「治す力」に優れた効果をもたらすとして、こんな研究を紹介しています。
 十人の学生に愉快な映画と、そうでない映画を十分ずつ見せたところ、愉快な映画を見たあとでは目立って、だ液中の免疫の働きが活発になったというのです。
 反対に、つまらない映画を見たあとには、そのような変化は見られなかった。(「ヘッド・ファースト――希望の生命学』上野圭一・片山陽子訳、春秋社、参照)
 池田 有名な実験です。カズンズ博士も「人体そのものこそ最良の薬屋(『笑いと治癒力』松田銑訳、岩波書店)と指摘されていた。これも生命に備わった「病気を治す力」を譬えたものでしょう。
 それは、人間の真の健康とは何かを示唆しているように思われる。
 日々、朗々たる唱題で生命力を増し、「希望」と「使命感」と「愉快な心」を持って、最高に充実した毎日を送っていきましょう。

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