Nichiren・Ikeda
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家庭看護
家族の連帯が最高の癒し
「健康対話」(池田大作全集第66巻)
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14 気持ちを理解
池田 たとえば、我慢強い人は、自分の苦痛や不安を口に出せない。「心配ないから」と言って、「気分がいいふり」をする人もいます。
小島 たしかに、そういう人は病気の回復が遅くなってしまいます。不安や苦痛を抑圧せずに、素直に口にできる相手が必要です。
池田 そのほうが早く治るわけですからね。また周囲も、病人が不安を口にした場合、簡単に「大丈夫よ!」とか、「くよくよしないの!」とか、一笑に付さないで、よく聞いてあげることです。
むしろ、「そうね。不安だよね。だからいっしょに頑張ろうね」と寄り添ってあげたほうが安心することもあるのです。
松本 病院でも家庭でも、周囲が、そういう気持ちを、わかつてあげる必要がありますね。
池田 そう。「自分の気持ちを知ってくれている」という安心がいちばん大事なことだと思う。病気の人の心は、いつも揺れ動いています。ちょっとした変化で一喜一憂したり、とかく悪い方向へと考えがちになります。
健康な人には、ささいなことと思えることも、病気の人には気になることがあるのです。これは病気になったことのある人にしか、わからないかもしれない。
ナイチンゲールも、「病人の神経は常に、あなたが徹夜したあとの神経と同じ状態にある」(前掲『ナイチンゲール著作集』1)と教えています。
松本 そのとおりです。天井のシミが気になって眠れないという人もいます。9999
小島 枕の高さやシーツの張り具合など、ささいなことが気になって、回復を遅らせることもあります。
稲光 かなりストレスがたまりまずから、できれば、なるべく要望はかなえてあげたいですね。子どもの場合は、いつもより甘えさせてあげてほしいと思います。
池田 「不安をあたえない」、そして「不安をとりのぞいてあげる」、また「安心と希望をあたえる」。これが、病気の人の生命力を高めるポイントですね。