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日蓮大聖人・池田大作

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腰痛 「腰」は肉体の「要」

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

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6  適度の運動で筋肉を強くする――あぐらより正座
 豊福 「あぐら」より「正座」のほうが、腰への負担は小さいとも言われています。
 池田 そうでしょうね。天台大師は、仏道修行のあり方として「調五事(調食・調眠・調身・調息・調心)」を示しました。
 このうちの「調身」は、一般的に言うと、姿勢を正すことでしょう。食事・睡眠・姿勢・呼吸・心を整えて、心身ともに、安定した状態にもっていくのです。そうやって、わが生命が宇宙と交流するための準備ができる――としたのです。
 豊福 正座で背骨をまっすぐに伸ばせば、血液の流れもスムーズになります。
 森田 ただし、太っていると正座は苦しい。(笑い)
 池田 苦しいからこそ、ダイエットを決意できるとも言える(笑い)。ほかに日常生活でできる工夫はありますか。
 豊福 物を持っときは、たとえ軽いものでも、中腰でなく、深く腰をおろしてから持ち上げるようにしてください。また、重い荷物の場合は、なるべく体のそばに近づけて、ひざを軽く曲げて持ち上げるようにすれば安全です。
 池田 持ち上げる前に、これから物を持ち上げるんだ」と、しっかり意識することも大事ですね。
 森田 はい。どんな動作でも、反射的に体を動かすと、脳からの指令が間に合いません。腰の筋肉が働く態勢に入る前に、動作が始まってしまう。その結果、「ぎっくり腰」になるのです。
 豊福 冷えや寒さも、腰痛の大敵です。着る物やカイロなどで腰のまわりを温めるとよいでしょう。
 森田 腰を支える筋肉の力を鍛えることも大切です。その意味で適度な運動が必要になります。
 池田 具体的には、どういう運動がいいのでしょうか。
 豊福 いちばん実行しやすいのは「歩く」ことです。少し大股で、手を振って歩くと、血液の流れもよくなり、全身が生き生きとしてきます。肥満の解消にもなります。また、一般に腰痛体操と呼ばれている体操も適していると思われます。
 森田 腹筋や背筋の筋力アップは、最低でも三カ月はかかりますから、楽しく長続きするものがいいでしよう。ただし、腰痛になってしまった人は、強い痛みがおさまり、医師の了解を得てからにしてください。
 池田 冒頭、「腰は肉体の要」と言いました。日蓮大聖人が、「我等が頭は妙なり喉は法なり胸は蓮なり胎は華なり足は経なり此の五尺の身妙法蓮華経の五字なり」と仰せのように、「心の不思議」こそ、仏法が説く肝心要であるとされています。
 その意味で、「腰」は、そびえ立つ「宝の塔」を支える「要所」と言えるでしょう。正法のために心を使い、体を使っていくならば、全身が「妙法の宝塔」と輝き始める。心身ともに健康になっていくことは間違いありません。「もっと健康になろう。そのために動こう」との一念で、楽しく、生き生きと、足取りも軽く行動していきたいものです。

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