Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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だれもが21世紀の主人公!  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

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13  断じて勝て! 何かで勝て! 最後には勝て!
 王者の宝物とは
 池田 みんなの晴れの出発に当たって、私の大好きな話を贈って、終れりたい。それは、今から二千数百年の昔(前四世紀)。マケドニアという国に、一人の青年がいた。青年は二十二歳。若き王だった。
 彼は一国の運命を背負って、当時の超大国ペルシャとの戦いを決心した。
 彼の名は、アレキサンダー。
 旅立ちの時が来た。彼は何と、自分のいっさいの宝を、臣下たちに分け与え始めた。「全部、もっていってくれ、遠慮するな」と。
 遠征の途中で、彼らに、もしものことがあっても、残された家族が暮らしていけるようにという配慮だったのでしょう。
 しかし、それでは、アレキサンダー自身は困らないのか?
 心配した臣下の一人が、聞いた。
 「王よ、すべての宝を分けてしまって、王ご自身は、いったい、どうするおつもりですか? 出発なのに、もう何も残っていないではありませんか」
 「私か?」。アレキサンダーは微笑んだ。
 「私にも、宝が残っているぞ。それも、最高の宝だ。それをもって、私は旅立つ」
 臣下は、けげんな顔をした。宝だって? どこに?
 「その宝とはな、その名を『希望』というのだ。私は、ただ一つ、この『希望』という宝を握りしめて、出発するのだよ!」
 そう言って、にっこりと青空を見上げ、めざす東の地平線を指さした青年王者アレキサンダー。(『ブルターク英雄伝』河野与一訳、岩波文庫、参照)
 そのりりしき姿を、未来部のみんなの姿と二重写しにしつつ、この「希望対話」を終わります。
 君よ、あなたよ、「断じて勝て! 何かで勝て! 最後には勝て!」と祈りながら。

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