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日蓮大聖人・池田大作

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親に反発してしまう  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

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9  親は「私はあなたの最大の味方」と伝えてほしい
 池田 その一方で、親御さんのほうでも、できるかぎり、子どもに「私は、あなたの最大の味方なんだ」という気持ちを伝えてもらいたいと思う。黙っていても通じる場合もあるが、そうでない場合も多い。
 「私は、あなたが、どんなふうになっても、絶対に、あなたを守る。あなたを支える。あなたが『いい子』だから愛しているんじゃない。『勉強ができる』から大事にするんじゃない。『がんばっている』から好きなんじゃない。あなたがあなただから好きなんだ。もしも、世界中の人が、あなたを非難しても、みんながあなたをいじめても、私だけは絶対に、あなたを守る! あなたは、私だけは信じていいんだよ!」と。
 あらたまって、そんなことを言う必要はないが、「心」もやはり、何らかの「かたち」にして伝えないと、わからない面がある。″雑音″の多い現代は、なおさらです。
 「ありのままの自分を、そのまま受け入れてくれる人」が一人でもいれば、「自分の幸せを自分以上に喜んでくれる人」が一人でもいれば、「その人がいる」と自覚していれば、人間は、そんなに大きく道を誤らないものです。お子さんを「一個の人間」として尊敬し、信じてあげてほしいと思うのです。そして、子どもは、時々「休む」ことがあるものです。それは親から見たら、怠けているだけのように見えるが、次へのエネルギーを「充電」している場合も多いものです。半年くらいしたら、また元気にがんばりだすことも多い。ゆったりと包んであげたほうがいいときに、追いつめると、逆効果になる場合があります。
 子どものために「よかれ」と思ってしたことが、かえって裏目に出る場合もある。本当にむずかしい。しかし、時間がかかっても、粘り強く乗り越えれば、かけがえのない経験となって光るものです。
 長い目で見てあげてください。親の愛を求めていない子はいません。親が信じてあげなければ、だれが信じてあげられるでしょう。
 あとは、叱らなければいけない場合も、「父母が同時には叱らない」――子どもは行き場がなくなってしまいます。
 また「他のきょうだいや、よその子どもと比べない」ことも大事だと思います。なにげない一言に、子どもは深く傷つくものです。
 人の子の親にとって、むずかしい時代ですが、なんとか工夫して、子どもと「心と心のギア」を、かみ合わせて、乗り切っていってほしいと思います。
 どんな子も、全員が、一人残らず、「二十一世紀の宝」なのですから!

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