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日蓮大聖人・池田大作

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人生を劇のごとく  

「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)

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4  最悪の環境で最高の悟りを
 池田 戸田先生は、三畳の凍えるような冷たい牢獄で、肺病、喘息、心臓病、リウマチと万病に侵されながら、「地涌の菩薩」の使命を自覚された。広布実現のため、自分は悪世末法に願って出現したのだ――と。
 地涌の菩薩の私どもの使命は、そこにあるのです。
 戸田先生は、よく言われていました。
 「″貧之菩薩″や″病気菩薩″のように見えるが、それは人生の劇を演じているんだよ。正真正銘の地涌の菩薩なんだ。人生の劇なら、思いきって楽しく演じ、妙法の偉大さを証明してごらん」と。
 仏法では、苦しむ人々を救うため、あえてみずから業をつくって、同じ苦悩のなかに生まれてきたと説く。これが、「願兼於業」という菩薩の誓願です。苦難の道を歩むことで、同じ苦しみをもっ人々の心がわかる人になっていく。そうやって苦しみを達観できれば、試練に立ち向かっていく姿勢も変わっていきます。
 松岡 Tさんは、多くのお年寄りと出会ってきた実感として、「素敵な生き方をしているなと思う人は、皆さん、信心をされています!」と言われていました。
 池田 そうですか。全国の多宝会、宝寿会、錦宝会の皆さんにとっても、大いなる勇気の言葉ですね。
 佐々木 大塚さんのお宅は、座談会場です。大塚さんの存在が、周囲の皆に大きな影響をあたえています。
 たとえば、子どもは気兼ねもなしに、「大塚さんは目が見えないのに、どうやって勤行を覚えたの」と聞いたりします。それで、大塚さんが「目は見えないけど、お友だちから電話で教えてもらって、勤行を覚えたのよ。全部、覚えるのに、一年半かかったのよ」と話します。
 それに感動して、自分から勤行を覚えた未来部員もいるそうです。
 池田 哲人プラトンは、″年をとったら、若い人の生き生きとした姿に、あなたの若い日を重ね合わせながら、若い人の動きをエネルギーの源にしなさい″とアドバイスしたと言います。
 逆も言えるだろうね。
 老若男女が集う学会の座談会は、年配者が若者から、みずみずしい生命力を吸収する。反対に、若い人が年配者の経験や知恵を学んでいける。
 仏法にいっさい、ムダはないのです。高齢社会の先取りです。
 ともあれ、つねに希望に生きるのです。理想に生きるのです。命あるかぎり、この世で果たさん使命あり、です。
 アメリカの詩人ロングフェローは謳いました。
 「老いは、装いこそ違え、青春に勝るとも劣らぬ好機なり。あたかも、黄昏過ぎし夜空に、白昼隠れて見えぬ星の、満天に輝けるに似たり」
 ともどもに、星降るようなすばらしい満天の夜空ような総仕上げの人生を描いていきたいものです。

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