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日蓮大聖人・池田大作

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子どもの眼  

「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)

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4  「使命の人生」に″退する心″は禁物
 松岡 学会創立記念日がお誕生日で、九十九歳になる納富常一さんという佐賀県の方がおられます。聖教新聞佐賀支局の記者から、取材リポートが寄せられています。早朝五時に起床。一時間の唱題を終えたあと、自転車などに乗って五百メートルほど離れた畑で、仕事をするのが日課です。
 佐々木 老人会の友人たちが、「あんた、どこさそうつきよると(歩き回っているの)。もっと楽にしんしゃい」と言うほど高齢者教室に通ったり、活動したりと大忙しです。
 松岡 納富さんの写真撮影に行った別の記者も、明治生まれの、とても明るく気骨ある快男児に感激をしていました。百歳になろうというのに耳は達者で、語り口もハキハキし、学ぶ意欲に満ちあふれでおられる。スケジュールもいっぱいなんです。
 大学で開催されるセミナーに勉強に行ったり、老人会に行ったり、旅行にも元気に行ったりして、文字どおり飛び回っておられる。もちろん、学会活動にも喜々として取り組まれているそうです。
 池田 日蓮大聖人は、高齢であった千日尼に対し、「なはて堅固なれども蟻の穴あれば必ず終に湛へたる水のたまらざるが如し」と仰せになっている。
 これは、積み重ねてきた修行や功徳も、油断や退する心が少しでもあれば崩れ去ってしまうことを、御教示されたものです。
 「使命の人生」でありながら、途中で″もう、このへんでいいだろう″とか″そろそろ引退だ″とか、勝手に決めて、一生成仏への勢いをゆるめてしまったのでは、本当の意味での総仕上げはできません。
 命のあるかぎり、広布のために進むことが、大満足の自分自身をつくりあげる道なのです。
 佐々木 納富さんは、「老人が、若者に、前はこうだった、ああだったとかいって、訓戒を垂れてはいけない。その時代、その時代に皆生きているんだから、私は若い人の意見をいつも、うんと聞くように心がけているんです」と、言われています。納富さんの目標は、いつまでも健康でいることです。
 「健康といっても、体が丈夫で強いことだけを言っているのではありません。それもありますが、心の健康のことです。世の中のことを考え、人のためになるようなことを、やりたいと思っています。これからが、勉強ですよ」
 松岡 また、「今の時代は、指導者をもたない。また、もとうとしない。そういうなかで、池田先生が、世界から賞や学位をいただいておられることは、うれしくでしょうがない。私は、こういう偉い人の後に続いているのだと思うと、誇りでいっぱいだ」と、言っておられます。
 池田 私のほうこそ、このような方が学会を支えてくださっていることを、最大の誇りにしています。世界からの賞は、皆さま方の代表としてお受けしたものです。
 全国の多宝会、宝寿会、錦宝会の方々が、健康第一で長寿を勝ち取り、今世だけでなく来世に向かって、いや永遠の生死をふまえて、前に前に進もうと生きぬかれることを心から祈っています。
 いずれにしても、永遠に闘争です。人生も、仏法も……。闘争をやめた瞬間、人間は生きながらの″死″を迎えてしまう。そうした人生は、あまりにもむなしい。
 あの南アフリカのマンデラ大統領も、二十七年間の獄中闘争を勝ち取った。忍耐強い人が、闘争心を失わない人が、勝つのです。
 たとえ途中で敗れても、忍耐強く、闘争心を失わなければ、むしろ負けたことによって、最後は勝っていけるのです。戦いに、年齢はありません。

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