Nichiren・Ikeda
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生涯学習の喜び
「第三の人生を語る」(池田大作全集第61巻)
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3 「死の宣告」にも負けない
佐々木 創大の通信教育が日本の生涯教育をリードする大発展をとげたのも、こうした創立者の心に支えられているのですね。
先生が、ベートーヴェンの家を訪問され、思索の一時を過ごされたことがありました。(一九八一年)
その時に、先生にお聞きしたのですが――運命は無残にも、世界最高の音楽家の聴力を奪った。音楽家にとって、耳が聴こえないのは、「死の宣告」に等しい。しかし、ベートーヴェンは負けなかった、と。
池田 ベートーヴェンは、叫んでいます。
僕は運命の喉元を締めつけてやりたい。
どんなことがあっても
運命に打ち負かされきりになってはやらない。
――おお、生命を千倍生きることは
まったくすばらしい!(ロマン・ロラン『ベートーヴェンの生涯』片山敏彦訳、岩波文庫。参照)
運命に打ち勝っていく人は、人生を十倍にも百倍にも、千倍にも充実したものにしていける。年とともに若返っていくのです。
佐々木 「心こそ大切」なのですね。
ところで、読者の方から「信心してきたのに、最近、ボケ気味で困っています。どう考えたらいいのでしょう」という質問が寄せられていますが……。
池田 そう言える間は、ボケてはいない人です。安心していい。
私の考え方の基本は、本人も周囲も、信仰者として「何があっても驚いてはいけない」ということです。
ともすれば人は、暗いほうへ、暗いほうへと考えがちになるが、ホッと明るくなるほうへ、希望の方向へ考えていくことが大事です。
この問題は、おいおい論じていきたいが、解決できるのは信心です。
佐々木 わかりました。