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東京創価小学校第12回卒業式、関西創価… 皆さんは21世紀を照らす「光の子」

1993.3.16 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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1  東京校十二期生、関西校十期生の皆さん、ご卒業、まことにおめでとうございます。
 この六年間、本当によくがんばりました。皆さんの見事な成長に、私は心から拍手を送ります。また、ご家族の皆さま、本日は大変におめでとうございます。教職員の皆さま、ありがとうございました。
 私は今、サンフランシスコに来ております。世界のあらゆる国々へ、皆さんの道を開くために働いています。離れていても、会えなくても、私の心には、いつも皆さんがいます。きょうは、その皆さん一人ひとりと握手し、対話するような思いで、 一通のお手紙を紹介したいと思います。
 それは、インドの初代首相ネルーが、牢獄の中から、娘のインデイラに宛てた手紙です。当時、彼女は十三歳。ちょうど皆さんと同じ年ごろでした。
 何が正しく、何が正しくないかに迷ったとき、何をなすべきかわからなくなったとき、どうすればいいか。ネルーは彼女に、こう書いています。(『父が子に語る世界歴史1』大山聡訳、みすず書房を参照)
 「何をするにも、人に知られたくないことや、隠したいと思うことは決してしないこと。何かを隠そうとするのは、恐れているということだ。それは、おまえにふさわしくない。勇敢でありなさい。すべては、そこからかならず開かれていくよ」と。
 ネルーは、インドの民衆の解放のために戦い、捕らわれの身となりました。いくつもの刑務所を転々とし、そこで、娘に宛ててペンを走らせたのです。
 手紙は、こう続きます。
 「私たちは何をするときも、言うときも、少しも恐れない。私たちは、太陽と光の、まっただなかで働いている。同じように日常生活においても、太陽を友とし、光の中で働こう」
 「もし、おまえがそうするなら、おまえは、何があっても恐れない、うろたえることを知らない、光の子として育つだろう」。
 この父の言葉を、インデイラは胸に深くきざみました。皆さんと同じ年ごろから、父ネルーと同じ非暴力革命の運動に参加して戦いました。父も母も、ともに牢獄にいれられ、ひとりぼっちのときもありました。自分自身が一年間、投獄されたこともありました。しかし、「勇敢であれ」「光の子となれ」という父の願いを決して忘れることはありませんでした。のちに彼女は、インドの第三代の首相となり、尊敬する父の志を継いでいったのです。
 太陽は皆さんの心の中にあります。勇気、希望、正義――それが心の「太陽」です。創価小学校で学んだ皆さんは、自分の心の「太陽」を絶対に裏切らない強い人であることを、私は信じています。
 いちばん苦労した人が、いちばんの勝利者です。いちばん悲しみを乗り越えた人が、いちばん晴れやかに輝く人です。
 インディラにしても、正義のために戦う大好きな父や母を牢獄に奪われて、さぞかし悔しかったでしょう。悲しい気持ちに襲われることもあったに違いありません。しかし、彼女は、誇り高い「光の子」として、その悔しさや悲しさに負けることなく、一生懸命、勉強に取り組んでいきました。
 二十一世紀を照らす「光の子」である皆さんもまた、どんなにつらいことも成長のバネに変えて、太陽のように輝いてください。そして、困っている人、苦しんでいる人を、温かな「光」で包んでいく人になってほしいのです。
 今は、そのための勉学への挑戦であり、努力の日々であります。どうかこのことを忘れずに、さらに大いなる海への船出をしてください。
 近いうちに、いちだんと成長した皆さんと、お会いできる日を楽しみにしております。
 皆さんの健康と成長を心から祈りつつ――。

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