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日蓮大聖人・池田大作

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関西創価小学・中学・高等学校合同第5回… 戦いが結ぶ「父子の絆」は美しい

1992.10.25 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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4  厳然と「わが道をゆく」人生
 この父の手紙を受け取った娘インデイラは、さっそく、父の部屋の大掃除をはじめたという。
 ほほえましい光景が目に浮かぶようである。どんなに離れていても、父と娘の心の扉は、いつも開かれていた。私と学園生の皆さんも、まったく同じである。(拍手)
 またある時、娘に元気がない、落ちこんでいるようだと感じると、父は手紙を書き、獄中から娘に送った。
 「ともあれ、たとえ全世界が誤った方向へ走ったとしても、私たちが個人として、運命に従わなければならないという理由は、何もありません。
 ベートーヴェンが言ったことを覚えていますか?
 よりによって、耳が聞こえないという苦難に見舞われた、あのベートーヴェンが言った言葉です。
 彼は『私は運命の喉を絞めてやる。運命が私を打ち負かすことなど、絶対にさせない』と言ったのです」
 「人間は、一念を定めさえすれば、天国からの風にも、地獄からの風にも、不動の姿勢で立ち向かえるのです。
 そして人間は、運命そのものを左右し、転換することができるのです」
 ”運命をけちらせ!””運命の鎖をたたき切れ!””運命なんかに負けてたまるか!”――これがベートーヴェンの決心であった。
 不屈の人生である。厳然と「わが道をゆく」人生である。
 ”人間は、いかなる運命をも転換できる”――これは私が小説『人間革命』『新・人間革命』でつづっているテーマでもある。
 愛する娘に獄中から送った父の言葉――。私はそれをそのまま、私の生命の娘であり、息子である学園生に贈りたい。(拍手)
 仏法でも「八風」(=楽しみや苦しみなど、人の心を動かす要素を八つの風にたとえた)に負けない人が、まことの賢人であると説く。
 どうか学園生は、どこまでも自分らしく、揺るぎない「一念の強さ」をもっていただきたい。そのうえで英知を磨きに磨くことである。いくら英知を磨いても、「不動の一念」「不動の信念」がなければ、風に飛ばされる木の葉のようなものである。
 やがては人類の運命、世界の運命をも転じゆく二十一世紀の大指導者を育てるのが、学園の使命である。諸君のご健闘を祈りたい。
 ご両親によろしくお伝えください。ありがとう! お元気で!

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