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創価中学・高等学校第25回栄光祭、関西… 「勇気の翼」あれば前途は無限

1992.97.17 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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4  「われとともに行く者は勝利す!」
 しかし、獰猛な海賊たちの中にあっても、彼は悠然と一日一日を過ごす。
 海賊たちを恐れるどころか、彼らとゲームをしたり、詩やスピーチを聞かせてやったりした。そして、彼の詩やスピーチをほめない者がいると、「この美しさがわからんのか。おまえたちはやばん人だぞ」(池田宣政『プルターク英雄伝』潮出版社)と叱りとばしたという。
 シーザーは、海賊の捕虜になっていたにもかかわらず、まるで海賊が、シーザーを警護しているかのようであった。
 「勇気の翼」を広げれば、何も恐れるものはない。前途は無限に開かれていく。「幸福」と「勝利」へ飛んでいくことができる。
 勇気のない人は、行き詰まる。グチの人生になる。目下の人にいばったり、いじめたりするのも、本当の勇気がない人である。
 ようやくお金が届き、シーザーは解放された。自由になるや否や、彼は船と水夫を集め、海賊の退治に乗りだす。そのまま黙って引きさがる彼ではなかった。相手の意表をついた逆襲であった。愚かでは戦いに勝てない。賢明でなければならない。シーザーはあくまでも賢く戦った。「勇気ある者」は、冷静にものごとを見るゆえに「知恵ある者」となれる。そして「知恵ある者」は、先を見ぬいているゆえに「勇気ある者」となれる。また、そうでなければならない。
 シーザーは、島に停泊していた海賊船を攻撃。彼らをつかまえると、皆、牢に、ほうり込んでしまう。そして、取られた身代金を奪い返すとともに、海賊たちが持っていた宝をも、すべて戦利品として取り上げた。シーザーは、見事に仇を討ったのである。まさに「知恵者」であり、「勇者」であった。たとえ転んでも、ただでは起きない――このたくましさ、勝負強さが、人生には大事である。
 私も、戦い、勝ちぬいてきた。いかなる策謀も、障害も、見おろしながら、「大いなる仕事」を後世に残す決心で、すべてを乗り越えてきた。
 シーザーはつねに「勇気」と「確信」で、みずからの運命を切りひらいていった。
 どんな時でも、”自分は絶対に負けない””かならず勝ってみせる”――この確信が「幸福」を築く。
 ある戦いの折、逆まく怒濤に、船頭をはじめ皆が怖気づいた。
 今と違って羅針盤も何もない時代である。しかし、「勇気の人」は、動じない。シーザーは、力強く励ます。
 「びくびくするな。おまえたちはシーザーとシーザーの運命とをお前たちの船に積んでいるのだぞ」(同前)と。
 ”私が一緒にいるのだから心配するな。私は世界一の幸運の王者なのだ。絶対に沈むはずがない”との確信の一言である。
5  父母・友人に安心と希望を
 私は、十九歳ではじめて戸田先生にお会いした時、「この人と一緒に行けば間違いない」と確信した。福運のある人と心を合わせていけば、みずからの福運を増す。つく人を間違えれば、人生の軌道は狂っていく。
 私は、「学園生は世界一福運のある青春である」と申し上げたい。
 諸君の先輩たちは、世界中で活躍している。皆、成長し、凛々しく戦っている。本当に「後生畏るべし」である。
 どうか皆さんも、”私と一緒にいるかぎり心配ない。大丈夫だ―”と、周囲の人に安心と希望をあたえていける勇者に成長していただきたい。(拍手)
 そして、お父さん、お母さんを喜ばせ、幸福にしてあげられる”創価のシーザー”になっていただきたい。おうちの方々によろしく。健康・無事故で、有意義な夏休みを送ってください。またお会いしましょう。世界一の栄光祭、そして学園祭の大成功、本当におめでとう。

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