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創価中学・高等学校第22回入学式、関西… 学びの心で「新世界」の扉を

1989.4.8 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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1  晴れて創価学園に入学された皆さん、本当におめでとうございます。
 ご両親の皆さまにも心よりお祝い申し上げます。
 皆さんの希望みなぎるスタートに、私は一言、「学びの心で”新世界”への扉を開け」と申し上げたい。
 モスクワ大学のログノフ総長は、私の大切な友人の一人です。総長と私は、戦争に苦しめられたおたがいの青春を振り返りながら、皆さん方の活躍する平和な未来を見つめつつ、対談をおこないました。今や世界的な物理学者として名高い総長も、若き日には、自然の中で友人とサッカーなどスボーツに、思うぞんぶん汗を流したとうかがいました。とともに総長は、ご自分の中学時代の次のような思い出を、私に紹介してくれたことがあります。
 それは、ある時、大好きな数学の先生が「私は二日間もある問題に取り組んで苦しみとおしたが、結局は答えを出せなかった」と言った。そこでログノフ少年と仲間は、その先生でさえ解けないという難問に勇敢に挑戦したというのであります。当然ながら、何日も何日も悪戦苦闘の連続でした。しかし、ついに解答を見つけることができた。
 じつは先生は、皆の意欲をかきたてるために、わざと自分はできないと言ったのです。けれどもその時は、自力で”新発見”を成し遂げて、それこそお祭りがやってきたようにうれしかったと、総長は述懐しておりました。
 人間の英知は、今どこまで到達できているのか、その極限を自分は見きわめたい。そして、それをさらに乗り越えて前へ進んでいきたい――このみずみずしい「学びの心」で、ログノフ少年は、新しい世界への精神の冒険をいつも続けていったのであります。
 皆さんも「学ぶ」という一点に、どこまでも満々たるファイトを燃やして、粘り強く挑んでいっていただきたい。ここに、皆さん方の先輩が築きあげてきた学園の伝統があるからです。
 そして、その意味でも、まず、きょうの一日を大切にしてください。
 インドの劇作家カーリダーサの「夜明けへのあいさつ」という詩があります。私も、かねてよりたいへんに好きであった詩のひとつです。
2  今日という日に目を向けよう!
 これこそ生命いのち、生命のなかの生命なのだ。
 その短い行程の中には
 君の存在の真理と現実とがすべて含まれる。
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 精一杯に生きた今日は
 すべての昨日を幸せな思い出に変え
 すべての明日を希望の見取図とする
 だから目を開こう、今日に向かって!
 夜明けへのあいさつはこれだ。(カーネギー『道は開ける』香山晶訳〈創元社〉所収)
3  どうか皆さんは、勉学に、クラブ活動に、また友との友情の語らいにと、精いっぱいに学園生活を謳歌しながら、かけがえのない「今日」を勝ち取ってください。
 これからの三年間、約一千日、皆さんが力強く日々成長しゆく姿を胸に描きつつ、お祝いのメツセージといたします。近いうちにかならずお会いできることを、楽しみにしております。

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