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日蓮大聖人・池田大作

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関西創価小学・中学・高等学校合同第二回… 使命の人に生命の勲章は輝く

1989.1.31 教育指針 創価学園(2)(池田大作全集第57巻)

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3  新たな時代切りひらくのは青年
 いうまでもなく、現在、ノーベル賞は世界で最高峰の国際賞である。また、その目的も人類全体の文化向上を願った崇高なものであった。しかし、構想の発表当時は、このように反対の嵐に直面した。どんなに正しい行動であっても、はじめはかならず無認識の抵抗と圧迫にあう。これが歴史の常である。
 しかし、激しい反対にもかかわらず、やがて、ノーベルのアシスタントの青年たちの手により、一九〇〇年になってノーベル財団が設立された。
 新しい時代を切りひらくのは、青年である。青年の純粋な情熱である。目の利害にとらわれがちな大人たちではない。
 ゆえに私も青年に期待し、新しい”民衆の時代”のために、”新しい学園””新しい大学”を創立した。そして今や世界の各地に、また日本の各界に、卒業生が、はつらつと活躍する時代となった。手紙を送ってくれた彼も、その一人である。
 手紙には、こうした歴史をとおして、”先生の平和への理想と行動も、かならずや、時とともに、その価値が証明され、輝きを増していくと思います。また、それを信じて力を尽くします”と書かれていた。その真心が私はうれしかった。
 学園は知性と文化の庭であり、教養と人格を深める場所である。その意味で、本日の集いでの音楽演奏は、まことに意義があるし、私は感銘した。
 なかでも小学校の「アンジェリック・ブラスバンド」による「アパラチアン序曲」は、その名のとおり、雄大なアパラチア山脈をほうふつさせるような立派な演奏であった。
 同ブラスバンドは大阪府の吹奏楽コンクールで四年連続「金賞」の栄誉に輝いている。その評価も、もつともであると納得できた。
 また中学・高校の「オーケストラ・クラブ」による「シンフォニー・フォー・バンド(吹奏楽のための交響曲)」(ジェイガー作曲)も、難曲中の難曲といわれているにもかかわらず、見事な演奏であった。
 昨年末、同クラブ(中学校)はコンクール(こども音楽コンクール西日本優秀校発表音楽会)ではじめて「優秀賞」を得たと聞いている。私はきょうの二つの演奏のテープを、これから訪れるヨーロッパの大学関係者や各界の人に贈らせていただくつもりである。(拍手)
 最後に私は「自身の胸中に”生命の勲章”を」と強調しておきたい。
 創価学園や創価大学には、パン・ヨーロッパ主義の提唱者クーデンホーフ・カレルギー伯や、モスクワ大学の故ホフロフ総長など、世界の多くの方々が訪間されている。
 その方々が、かつて「すばらしい学校です。かならず、この中から将来、ノーベル賞をとるような人物が出ることでしょう」と語っておられた。
 私も、そうした逸材の輩出を心から期待したい。そして、私は何より諸君に、自分らしく、自身の信念と正義の道を貫き、使命の人生を誇り高く生きぬいてもらいたい。その人の胸にこそ、永遠に色あせない”生命の勲章”が輝くからだ。
 ノーベル賞をはじめ、社会には幾多の有名な賞や勲章がある。その価値は価値として、ある意味で、社会の賞は他人が決めるものである。その人の真価どおりとはかぎらない。これに対し、真実の「人生の勲章」は、すべて自分の生き方で決まる。ゆえに諸君は、だれが認めようと、認めまいと、一時の評価等に絶対に左右されることなく、堂々と「わが道」を行っていただきたい。
 そして学園の卒業生らしく、一人残らず、自分にしか勝ち取れない”わが人生のノーベル賞” ”わが青春の不滅の勲章”をつかみとっていただきたい。これが私の最大の念願であることを申し上げ、本日の話としたい。

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