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日蓮大聖人・池田大作

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創価学園1 中学校・高等学校[昭和44年度]

教育指針 創価学園(1)(池田大作全集第56巻)

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2  (真の包容力とは何でしょうか、との質問に答えて)
 今はまだ、諸君は包容力などいりません。一生懸命自分らしく生きていきなさい。そのうちに、しぜんにわかってきます。しぜんにできあがってきます。焦ることはありません。今から諸君が、一から百まで四十歳の人と同じような人格であったら失敗です。今は現在のままで、自分らしくいけばいい。再来年は、さらに立派な青年に育ち、やがて偉大な指導者に育っていくのです。
 一つには各自の自覚も必要ですが、今は先生方がきちんと考えて指導してくれます。安心しなさい。またそのことで真剣に悩みなさい。悩んでいけば、しぜんに包容力もでてきます。人からいわれて、そうかという、そんな簡単な問題ではありません。
3  (成績のことについての質問に答えて)
 成績がよくなくても、偉大な使命を自覚し、その路線の上を進んだ人は立派になるし、偉くなります。下のほうでも偉くなる人はたくさんいるし、上のほうだからといつて偉くならない人もたくさんいます。ただ私は、自信をもって進んでもらいたいと思います。
 自分はいつも成績が悪いから、だめなものはだめなんだ、などと考える必要はありません。アポロを打ち上げた立役者の一人にドイツ人がいます。その人は勉強があまりできなかった。そのかわり、天文学にかけては絶対に負けなかった。学校の先生よりも勉強していて、みんなに教えたという。そうした場合もあります。むろん成績はよくなってもらいたい。しかし、上であってもかならずしもよいとはかぎらない。下だからといつて、かならずしも悪いとはいえない。成績が下のほうでも、偉くなった人はいる。一人も使命のない人はいないのです。全員が自信をもって、伸び伸びと、自分の前にある山を登りきっていこうという果敢な戦いだけはしてもらいたい。
 深い悲しみのあった人ほど、世界の指導者になれるのです。悲しみをたくさんもてないような人間、悩みをたくさんもてないような人間は、偉い人にはなれません、と申し上げて、本日のあいさつとさせていただきます。

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