Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

わが友へ――新年に贈る  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
1   
 われらが地上に
 新しい 春が来た
 この年からは 負けるまい 恐れまい
 白雪の王者 富士の如く
 寒風も 烈風も
 思いきり 受けながら
 毅然として動じまい
  
 一時的な勝利があっても
 敗北する時がある
 敗北に見えるようであるけれども
 確定的な勝利の道を開く場合もある
 所詮 生の哲学をもち
 庶民を味方にしたものでないところに
 永遠にして 最大盤石の
 勝利というものはないはずだ
  
 われらの前途には 荒野が待つ
 風が吹き 大地に塵が舞い上がるのは
 当然である
 しかし 共に 久遠の兄弟として
 疾風のあかを
 あの真如の都を目指して
 まこと 溢れる 励ましあいを忘れず
 馬上凛然と 今日も進むことだ
  
 君も立ち上がれ 僕も立ち上がる
 僕は 君のために
 幸せの法鼓を無限に打ち鳴らすから
 君は 群がる民衆の一人一人の胸に
 幸せの花束を 握らせる文化運動を
 持続してくれ給えと 祈りたいのだ
  
 完全にちかい如説修行のわれらにとって
 三障と 三類の難事があることは
 論をまたない
 もはや その現象なきところのものは
 死せる宗教であり 偽善の行者である
 ゆえに
 われらは 誇り高く
 柔和と忍辱の駒を進める
2  使命に生きる 元気な笑顔の
 君達の実在がある限り
 一つの岩が 大波を押し返すが如く
 少数精鋭の偉大な連帯と
 なっていることを忘れまい
 虚飾と装飾の世界にあって
 われらは
 熱烈たる人間本質の信仰の波を
 再び起こしたい
  
 激流を越え
 岸壁をよじ登ることがあるとしても
 われらの平和への行進は
 五年や十年で終わるような
 短い行進ではない
 延々と スクラムを組み
 力を蓄え、ながらの 末法万年までの
 遠征であることを決して忘れまい
  
 われらの行動の原点は何か
 それは 人間革命の
 最小にして極大の運動である
 人間主義と 人間文化の
 晴れやかなる運動である
 仏法回帰と復権へ
 無限に拡張しゆく
 崇高なる運動である
 そこにのみ 人間世界の
 真実の故郷ふるさとが 待っているからだ
  
 世界の最高峰ともいうべき
 広布の山を登攀のため
 いま われわれは そうとう高度の
 大きな斜面の地点に到達した
 次のキャンプ場への行動のために
 食糧 ロープ 酸素器具 懐中電灯などの
 準備を 忘れまい
3  現在の わが境涯と
 十年先の わが存在では
 雲泥の相違があるを 確信しながら
 外なる革命に 内なる革命と
 信仰の消えざる 燃焼の日々でありたい
 ともあれ わが十年の軌跡を
 見てくれ給えと
 胸を 躍らせながら
 今日も一夜を過ごすのだ
  
 瞬間的に速度の遅延があったとしても
 時を待つがよい
 時とともに 加速度を増しながら
 総合的勝利の決定が
 必然的になされゆく
 因果律を体得して
 今日も 生命力を躍動させたい
  
 去るものは追うまい
 また 必ず会う時があるだろう
 いま私達は 高所に立って
 ある人は 黙々と次の作業にかかり
 ある人は 完全縦走の準備をしながら
 夜明けを待っているのだ
  
 策略と 野蛮と 文明が
 葛藤しゆく 絶望の時代にあって
 われらは 生命の世紀という
 希望の世界を創造するのだ
 そして 価値観の転換による
 あらゆるものの 没落と衰亡のなかに
 われらは 体験と説得と
 哲理の実践によって
 揺るぎなき 永遠の都の創建に
 ひたぶるに今日もはし
4  君と僕との この呼吸がある限り
 たとえ 少人数であっても
 地域の人々から 信頼され
 尊敬される存在になってみせる
 その第一義の姿勢は 誠実と
 隣人が 作業服を着た
 僕の肩に寄りかかって
 ほほえんでくれるような
 自然の力を 備えたい
  
 今 私の人生は
 二十年先の 人間革命と
 総体革命を 目標としたい
 平然とうけ流して進むのだ
 ただ 友の不幸に
 嘆きの歌をうたいながら
 友の幸に 喜びの曲を弾きながら――
 夜も 昼も 民衆とともに
 大いなる凱歌をあげながら暮らすのだ
  
 限りなき 第二の青春を迎えるために
 私達は 日々 新たなる信仰に励む
 そこにのみ 単調な生活を打ち破って
 そよ風の如き 和楽の家庭を迎えよう
 さらに 短い人生の間に
 時勢遅れにならない 社会人としての
 脈動と 沸騰がみなぎるからだ
  
 私達には 日本はともあれ
 アジアの民が待っている
 世界の友が待っている
 二十一世紀の本命の舞台が待っている
 さらに
 讃嘆惜しまぬ 歴史の審判が待っている
 ゆえに
 妙法の 消えざる
 核の点火を忘れまい
  (1972.1.1)

1
1