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日蓮大聖人・池田大作

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月光  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

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 白銀の王朝の輝く世界に
 静寂なおとぎの平和な光
  
 私は月光に酔いたい
 それは 甘い感傷からではない
 天然と調和の極に生きる人間として
 その元初を見失うまいとする
 ゆとりある自然人として
 私は月光を愛したいのだ
  
 深秘なる夜半の中天の一点から
 静やかに射し込む月の光線
 ――そこには生命の
 無言にして厳格な光がある
 本有の法則に生ききるものの光沢がある
 私はそこから
 どれほどの沈黙の厳しい忠告と
 励ましの光路みちを学んだことだろう
 ある人は 十五夜を歌う
 ある人は奏鳴曲ソナタを奏でる
 アポロは 表情を映し出す
 私は 月光の姿勢を見たい
 静にして動の宇宙の縮図は
 人間生活の縮図であるとおもうからだ
  
 円の庭園に
 うっすらと黄金の波を浮かべる
 このけがれなき鏡は
 悩み動く青き地球を慈光で眺める
 私は月光が好きだ
  
 かれは雲にもおかされない
 風にもおかされない
  
 一閃の金火にかげりがない
 今宵も一人わたくしは 月光と語る
 悩みの積もった自身の命に
 何かを想いながら
 月光を
  (1972.5)

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