Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

富士に祈る  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
1   
 人類の 覚醒めざめめ時は来りぬ
 黎明よ 黎明よ――
 永久とこしえの光 聖なるしら
 生気は韻律リズムに満ちみち 
 雄大なる力は溢ふる
  
 富士の山は 黎明のように人生をうるわし 
 富士の山は 悠久の聖霊を蔵す
 深き冥想よりさめゆく 碩哲のごとき尊容すがた 
 凛々たる朔風に 微動だにせぬ平和すがた
 端雪頴降ずいせつびんこうに清浄の聖絵を画し
 赤帝の猛威に 薫風の清和を忘れず
 ああ偉なるかな――秀麗の富士の山
  
 歴史のページ 重なること数千万 
 鉄火の蹂躪 営々なおつきず 
 人生の岸辺 いずこに着きぬ
 人類の航路 なお嵐に破れし 帆にくるう
 噫々ああ 悲歎かなしき 地球の流転ながれ
 ただ ねごうてやまぬ 厳然たしかなる指針さだめ
  
 涸渇の大地に生きた 中世の民は 
 スコラの清水を吸みて 復活しぬ 
 荒浪にもだえおののいた ユダヤの民は
 救世主の出現を信じ 息吹をたたえん 
 迷える道につかれたる 東洋の民は
 霊鷲りょうじゅの聖哲にいて 生命の花咲きぬ
2  時は去り 時は来る
 なべてのローブ いまや擦り弱り
 濁世の怒濤 今しきりなり 
 嗚呼――富士の霊峰に救祈ちかわん
  
 富士を讃える人 そのかずをしらず 
 われ 偏狭な誇大を好まず
 世紀の 貪婪なる火宅の中に 
 虚色なくたたずみ 駁説ばくせつじぬ 
 われ 遙かなる富士を讃う
 二十億の民が 太陽の尊光ひかりを拝するように 
 嫦娥じょうがの幽光にひたるがごとくに 
 彼方 富士の山から
 聖鐘 鳴り響きけり
 自由と平和と尊厳の――
  
 時は来ぬ 
 生命に目覚めぬときは来ぬ
 聖麗の富士の山より
 永遠の平和の鐘とともに
  
 あな尊し 富士の山
 大聖哲の御書みふみを護り
 永劫の導師ぬしを遊ばす
 偉なる哉――ひじりの山
 連綿として幾星霜 大宇宙の鍵なるか
 究竟の宝座の扉は開きぬ
  
 聖の鐘は鳴り響く 
 黎明だ 黎明だ――
 人類の覚醒めざめの時 遂に来る 
  (1950.1)

1
1