Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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革命の河の中で  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
1   
 時とともに
 革命の厳しき河は流れる
 今日も そして明日も――――
  
 若き君よ
 清新の光を放つ君よ
 君でなければならない
 君のイメージを抱きつづけて
 山河鮮かに
 強靭な 堤防を築くことだ
  
 君よ走れ
 民衆のために 走れ
 君の無辺の限界を探ねて 走れ
  
 古来 革命児は
 この映像と 極限の河の中で
 どれほどの軌跡を描いたことか――
  
 怒りの悶絶
 嘆きのテーゼ
 皮肉の冷笑
 涙ぐんだ瞳
  
 しかし 先駆を走る若人は
 なお この魅惑の挑戦に
 限りなき愛着を示す
 それが 若人の運命かも知れない
 君よ それでいいのだ
 革命とは 所詮 ロマンであるからだ
2  夢みる精神の徘徊 ロマンの接吻
 この人生と社会と歴史をキャンバスに
 鮮烈な点と線をとどめる
 秀絶にも似た 画匠の生涯――
 若き革命家の 英智の勝利は
 その一点にあるのだ
  
 原初の経典に
 心如工画師こころはたくみなるえしのごとし
 また いわく
 説己心中所行法門こしんのなかにぎょうずるところのほうもんをとく
  
 人間という真実から 表現を除けば
 何が残るか
 表現 表現……必然性の表現
 已むにやまれぬ表現
 この 壮麗なる自由を乱舞して
 三島は叫び 太宰は死んだ
  
 彼らは 自らの終末すら
 表現してみせたかったのかもしれない
 でも 君の志向する芸術に
 そんなナルシシズムは 要らない
 本来 無作の表現
 それでいいのだ
 それが 人間真実の帰趨の美であるからだ
  
 誰が見ていなくてもよい
 誰によりりかからなくてもよい
  
 ただ一元的な法に則り
 汝の人生の真相と
 人間党の絢爛たる 勝利の絶大を信じて
 天座に 自在に 舞いゆくことだ
3  われらは
 いかなるセクトも必要ない
 偏狭なる党派 門閥の障壁を
 勇敢に 乗り越えて
 人間として
 赤裸々な人間として
 生き 動き 喜ぶ新社会のために
 君よ 戦え!
 僕も 戦う!
  
 その ノン・セクトのセクト
 セクトにならない 人間というセクト
 これを 人間党と 共に叫ぼう
 或いは 人は笑うかもしれぬ
 不遜な権力者は 無視するだろう
 冷淡な識者は 観念として退けよう
  
 しかし 嘆くな友よ
 彼らに 人間党がわかるはずがない
 傲慢と専横と無知の酔いに 沈んだ人に
 「汝自身」が
 鏡に映る道理がないからだ――
  
 汝の当体が 漠としていて
 民衆への慈愛が 一欠片ひとかけらでもあろうか
 それは まさに不毛の砂漠だ
  
 カラカラに乾ききった 生命の光は
 決して 閉塞の霧の世界を
 晴らさないだろう
 的確な
 未来の路線も見えないであろう
4  宇宙と世界と人生と
 その ザインの根底に流れる
 厳たる法則
 その 不可思議な
 巧まざる 粛然の法に
 汝が立つ時
 初めて 汝の曇れる秘中の鏡が
 輝き 磨かれ
 汝自身を 正確に 投影するだろう
  
 君は――
 君は それをつかんだ若き哲人だ
 ゲーテが
 パスカルが
 アインシュタインが
 垣間見ようとして 果たせなかった
 究極の世界の 知覚者なのだ
  
 これほどの強いものはない
 これほどの頼もしきものはない
 君は 無冠かもしれぬ
 いや 無冠であることを喜ぼう
  
 権力でも 財力でも 勲章でも
 かなわない
 哲理を抱いた 横溢する人間の力――
 君は それを
 終極点のごとく
 心の底に 体現しているからだ
  
 ああ人間
 この飾りなき主体
 この正統なる存在
 この落滅なく 逞しき真髄
  
 君よ
 君は 畢竟 この人間の 滔々たる
 強くして 美しき歓声に
 どこまでも 気高く 会釈したまえ
 そこにのみ 君の描く革命表現の
 唯一の 人間図という 原則があるからだ
5  まさに ここに
 革命の 革命たる動惇があり
 革命が 千波万波としての芸術に
 昇華する実験が あると思うのだ
 そして そこにとそ
 哲理革命の 発現の光がみえるのだ
  
 源より 流れゆく 楽しき
 革命の人生
 苦悶より 開眼の花 咲かせゆく
 革命の青春
 それは 純一な 強き喜びの
 革命の日々
  
 若き心に 求めに求めた
 歓喜感動の 津波が
 此岸から彼岸へ 押し寄せる時
 長遠たる 革命の河の流れは
 壮大なる
 激流と 転じゆく
  
 それは 誰人も まだ見ぬ社会
 そして 誰もが 求めてきた故郷
  
 人は ここに初めて
 暗夜の変遷の中より
 自己に還るであろう
 人類は また
 永劫回帰の オアシスを 得るであろう
  
 それは
 二十一世紀への革命の河の流れの中に
 英邁と 正義の舵をにぎる
 君達の腕にあるだろう
  (1971.9.5)

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