Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

昭和三十四年(十一月)  

「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)

前後
1  十一月二十日(金) 晴
 十七日──第六十五世堀米日淳上人ご逝去。
 細井日達猊下の新時代に入る。第六十六世、新猊下の時代に、必ず、広布を実現せんことを決意す。
 多繁な、一日一日になる。
 広布の黎明、近きにありを、実感。
2  十一月二十七日(金) 曇
 十一月度本部幹部会。台東体育館。
 秋、深し。
 学会も、一日一日、暗夜去りゆきて、夜明けの幕を開く、重大な時になってきた。真実の中心がいないと、これほどまでに、私は苦労をせねばならぬのか──。
 国会議事堂に、二万人のデモ隊おしかける。革新の怒涛。いつの日に静かなる太平の社会に。緑の平和、青い海原、輝く太陽の──安穏楽土の国土が現出するのだろう。
 われらの責務大。心身を鍛えておかねば。
 戸田先生の構想を、泌々と感ずる昨今。
 味方は少なし。われ一人、恩師の姿を浮かべて、闘いゆく以外なき宿命。
 この一生、妙法流布に捧げゆく命、徴少の風に紛動されて何かせん。
 法力・仏力、われは信力・行力。
 諸天よ守れ。諸天よ歓べ。
 諸天よ、われら、地涌の陣列の前途を祝福せよ。
3  十一月二十八日(土) 晴
 自転車にて蒲田駅まで。寒い。
 夜、「三重秘伝抄」の講義。一生涯、勉強せねばと痛感。慢々緩々、後悔の身になるらん。
 本部、次第に落ち着く。来年は、一段と多繁にして大事な年となることだろう。覚悟。誰よりも。注意、自重。
 信心──教学。人間学。
 尊き真実の青春──妙法に俸げゆく、一切の躍動。
 明二十九日、第七回女子部総会。正午より、両国・日大講堂。
4  十一月三十日(月) 快晴
 一日中、心身共に疲れる。
 B前支部長の支部葬を、常泉寺にて催す。午後四時より。
 幹部の出席、まことに少なし。多忙のためか。淋しい思いをする。老兵の最期に涙する。心より、追善の供養を。
 限りなく戸田先生を思い出す。先生を利用して、保身と名誉と人気のみに、おこがましくあぐらをかく幹部あり、と。彼らの慢心の姿に、われ、学会の将来を深く憂う。
 帰り、理髪店による。いずこの社会にもあるのであろう、ずる賢い、老いた先輩たちの話に、心乱るる思いなり。
 ともあれ、師恩を忘るる卑劣な徒だけにはなることなかれ。師の指向する遺言に少しも動かず──自身の利己満足に終始して、これが真実の師弟といえるか。

1
1