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日蓮大聖人・池田大作

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昭和三十四年(七月)  

「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)

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1  七月六日(月) 晴
 本部職員の旅行から帰る。疲れる。健康第一。
 夕刻、久しぶりに教授会に出席。戸田先生の講義の、録音テープを中心に。師の教え実践するを、弟子とはいうなり。
 学会も、大きな急坂道に入る。大事な時に、忍辱の力をもたねば。決然として、目的のために、死を覚悟する友は少なし。同志少なし。これが、大聖人の仏法の縮図か。
2  七月八日(水) 晴後曇
 昨日はK宅を訪問、お祝いにゆく。
 師おわせぬ、創価学会の淋しさよ。しかし、それにかわる幹部の、強き情愛が流れゆくことのみを祈る。
 広宣流布のために、立体作戦の一端として、新しい、企画をいくつか練る。
3  七月九日(木) 晴後曇
 青年部長更迭式。本部広間において。
 青年部幹部全員、重大な決意で未来に進む広布を誓う。
 今、青年指導者たちが、勇敢に、突破口を開くか否かの、大事の秋となる。
 夜、中野公会堂に、女子部の幹部会に出席。
 いかなる会合にせよ、一人でも、二人でも信心と使命感を自覚し、起ち上がることを期してゆこう。これが偉大な折伏であることとして──。
4  七月十日(金) 曇
 邪悪な人は、和合僧を破壊する魔の働きである。それが何であるかを見破ることだ。仏法上、破和合僧は五逆罪の一つであれば、和合僧を築き護ることは、偉大なる折伏に通ずる。
 ゆえに、学会だけは断じて崩させてはならぬ。強き青年が、公平に、清純に、学会を護りゆくことだ。そこにのみ、宗門の安泰もあるのだ。
 夜、台東体育館へ、小岩支部結成大会に行く。
 人びとを動かしゆく根本は、信心しかない。雄弁でも、策でも、金銭でも決してない。その信心とは、人間としての力、社会における力──あらゆることを意味する。
 その信心即世雄、信心即実相に、はじめて一切の勝負の決定がなされよう。
5  七月十七日(金) 曇
 心ゆくまで唱題。いつもながら──。
 師の慈悲が、次第に胸に広がる。言語に絶する父子の情。師弟の心境。絆。この深き、深き不二の血脈を、誰人か知る。
 夜、理事長、Z氏と、Bにて会食。善人なれど、慈愛深くなってくれと念ず。
 指導者、小人なりし時は、その世界、また不幸なるか。
 帰り、友らと皇居前広場を通りぬけて、広布の未来図を論じながら──帰宅。
6  七月二十日(月) 晴
 再び身体悪化。苦しむ、一日中。
 鉄のごとき、生命を、創りたいものだ。運命、宿命、宿業。打開、打破、転換。
 戸田先生の講義・講演の、レコード完成。実に嬉しい。報恩。
 帰り、理事たちに″すし″をご馳走する。遅く帰宅。
 N氏が、新しい姿して、政界に出てくる。
 歴史の動き──社会の動き──われらの舞台はいつの日となるか──。
7  七月二十一日(火) 曇
 暑い日が続く。
 冷房が、非常に、身体に悪いとのこと。自ら実験してみよう──。
 人事、運営、共に順調に進む。
 夕刻、築地支部の結成大会に出席。御書講義を、全力をあげてする。
 信心は即生命の発露である。
8  七月二十二日(水) 晴後曇
 今日も暑い。暑さが続く。
 身体を頑健にすること。思考。
 N代議士が来訪。図々しき人物。軽薄な政治家。学会のK氏が、つまらぬ人物とつきあわぬことを祈る。学会のために、本人のために。
 夜、葛飾のブロックの人びとに、お別れする。
 皆、淋しそうであった。大きく、暖かく、そして深く、見守ってあげねば。
 遅く、多数の人びと、来宅。指導、打ち合わせ、報告等々。
 狭き思索の場──大混乱。
9  七月二十三日(木) 曇
 今日も、また暑い暑い日。
 定例幹部会のため、本部は超満員。早く、新本部の建設を考えねば。
 幹部会所感──首脳たちが、もっと会員のことを真剣に思うべきである。自己を投げだして、会員に奉仕することだ。その叫びに、その姿勢のみに、皆は喜んでついてくるのだ。ずるい指導者になるなかれ。会員が可哀想だ。
 一人、苦しむ。ことにあたって、先生の生存中を、思い出してならない|。
 暢気な人びとの多きことよ。われ、自ら死闘を決するしかなし。
 前進だ。三十代の──。
10  七月三十一日(金) 晴
 九州、中国(岡山)ならびに大阪へ、指導と講義。
 昨夜、十一時帰京。疲れる。
 夜、新宿のDにて、友ら数人と会食。K君、田舎に行くとのこと。送別会も兼ねる。可哀想な男だ。堂々と、信心と自己の力で生きてゆけぬとは。友人たちを頼って、歩みゆく弱者の青年。ずるい、あまりにもずる賢い人問。戸田先生の怒れる表情が、目に浮かぶ。
 夜も暑かった。

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