Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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昭和三十一年(七月)  

「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)

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3  七月二十一日(土) 晴
 一日中、先生と、お目にかかれず。
 淋しい。朝夕、考える胸は、先生の面影で、いっぱいである。
 師弟の仲とは、親子とは、これでよいのか。誰人に聞くわけにもゆかぬ。
 夕刻より、四年ぶりにて、博正と三人にて熱海へ行く。F旅館に休む。粗末な部屋に驚く。本年最高といわれる暑い街を、伸びのびと三人にて遊ぶ。
 熱い夏に、熱い温泉には、来る人少なく、街静か。
 三年後の自己の姿──学会の全貌──日本の潮流──を思うのみ。
 生命長遠──一生涯──思索──実践。
 理と事、智と識、静と動、善と悪。
4  七月二十二日(日) 晴れたり曇ったり
 九時まで休む。いつも疲れる。疲れが出るのか、疲れていくのか、自分ではわからぬ。
 朝食をなし、午後より遊覧船に乗る二ニ人にて、錦ケ浦、巌岸のまわりを快走。
 錦ケ浦は、朝日(太陽あがる)のとき、また、夕日のとき、巌に波打つ、その銀波、金波に、錦の模様の虹ができる云々と。
 その手前、洞窟。石橋山に敗れし、頼朝の、真鶴を経て、安房に逃れし、途中の、かくれ場所なりと。
 なお、本年に、六十幾体の、入水の悲劇あると聞く。
 六時四十八分──東京へ向かう。
 『新・平家物語』、『ナポレオン戦史』を読了。
 此の三年間、歴史書に、全力をあげる。
 「依法不依人」――これ、信心の根源なるか。

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