Nichiren・Ikeda
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昭和三十年(四月)
「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)
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2 四月十日(日) 晴後曇
朝九時過ぎまで休む。
心落ち着かず。
十一時、K氏の選挙事務所へ行く。何となく、いやな感じであった。
学会初陣の、文化闘争の幕が開かれたのである。自分が、先生より、印綬を渡された、城南、横浜の総司令である。
学会の、王仏冥合のための、選挙に、思う事多きを痛感した。
信心ある人、力ある人、人々を心から大事にする人、即ち、有能にして高潔なる人物を送り出すことだ。戚張る人、利用根性の人、出たくてたまらぬ人、これらを、断固防がねばならぬ。責重大なり。
特に、上層幹部に世辞をいい、へつらう小人には、重々、注意。
一時より、街頭演説に行く。四時過ぎまで。
世間の選挙通顔して、罷り通っている幹部。それのみ信用して、信心、学会を忘れんとしてゆく候補。愚や、愚や。
その内、眼が醒めゆく事であろう。
3 四月十一日(月) 快晴
春光、瞳にまばゆし。
本部へ、夜行く。長時間、唱題。
不退転。―――勇猛精進。―――
帰り、選挙事務所、I宅に寄る。
楽観許さじとの事。皆、真剣になってきた様子。互いに意見、囂々として、まとまりなくなってきたとの事。
戸田先生も、非常に心配のご様子。
小生、最後の勝利の鍵は、団結と。私の示す編成にせよと、強く主張。
新たなる、前進の息吹を知る。一安心。今夜より、事実上の指揮者となる。
苦労多し。
4 四月二十七日(水) 雨後曇
具合悪し。
五時より、神奈川の橋本へ行く。I女史の個人演説会に出席。
全魂を打ち込み、彼女のため、熱弁して帰る。当選、間違いなしと確信する。
皆、勝たしたい。負ければ、本人も、家族も、応援した多数の人々が悲しむ。可哀想だ。負ける戦は、させてはならぬ。勝負は時の運、とはいいながら。―――
T支部長と、車中、他の支部出身の、区議会議員候補達のことを心配し、語りつつ帰る。
帰宅、一時近し。疲れた。
此の一家、諸天善神の、加護ぞあれ。