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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十九年(八月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

前後
2  八月五日(木) 晴
 十時五十分―――。
 先生と共に日航機に乗る。
 天気上々。最高の飛行日和とのこと。
 予定より十分早く、十二時三十分、大阪・伊丹空港に着く。
 S氏等、二十数人、出迎えに来ていた。
 直ちに花園旅館に行く。着くなり、先生は真剣に指導に入られる。
 六時三十分から、夕陽ケ正会館にて指導、講演、質問会等あり。―――八時終了。私も参謀室長講演をする。
 八時より、臨時部隊長会を行う。吾人の最も縁深き関西、東京に次ぐ牙城・関西、ますますの発展あれと心で祈る。
 先生、二次会に出席されず。吾人一人、出席。途中、停電あり。
3  八月六日(金) 曇
 六時三十分、起床。
 非常に疲れていた。
 先生のお部屋にご挨拶に行く。先生、悠然と思索に入られていた。尊い姿である。
 大指導者の姿であり、神々しいばかりに感ずる。
 ″大作、今臨終になったら、従容としていられるか″と語られる。また″いま総理になったら確信があるか‥‥″とも語られていた。
 大阪九時発の特急「つばめ」にて帰京。
 暑い一日であった。
4  八月七日(土) 晴
 三十二度を越す、猛暑であった。
 わが社は、皆、健在、頼もし。安心する。
 午後まで重役達と語る。
 夕刻、支部長室へ。もっと支部員のために、学会のために、そして広布のために、真剣になってもらいたいと思う。
5  八月八日(日) 晴
 暑い一日であった。
 家の経済の事も、心配してあげねばならぬ。
 十時より、夏季地方折伏の打ち合わせ会。
 この闘争の一週間を、全魂を打ち込んで戦おう。札幌方面の予定とのこと。
 学会の前途を考えると、頭がくらくらする。先生を護りゆかねばならぬ。運命の大指導者の子として。
 暑い夜であった。近所の銭湯に行く。
 良い月夜でもあった。
6  八月九日(月) 晴
 本年最高の温度。三十四度。
 一日じゅう社にいる。疲れる。汗が流れる。
 全国に亘り、夏季折伏に出動している同志のことを思う。事故なきよう、健康であれと―――。
 先生、四時三十分、九州より羽田空港に帰られる。お疲れの様子。
 多数出迎えに来ていた。先生と共に乗車、本部へ。明日は北海道行きである。
7  八月十日(火)〜二十日(金)
 十日=羽田発午後二時二十分〜千歳着五時二十分。
 二十日=千歳発午後七時四十五分〜羽田着十時三十分。
 十日間、北海道にて、札幌を中心に活躍。
 我等の拠点・丸新旅館も、きっと思い出深き歴史を刻むことであろう。
 雄大なる曠野。ポプラ並木花咲く大通り公園。平和な家、平和な人々、平和な街々。憧れの北海道の香りが、多感な青年に滲み透ってくる。
 特に、先生の故郷・厚田への旅は、印象深きものであった。
 石狩川の激流。一直線の山道を疾駆する爽快さ。先生も嬉しそうであられた。
 三日間、先生の生家付近の親戚宅にて過ごす。師に、お仕えでき得たことは、最大・最高の誇りである。
 厚田の港の岬より、東洋に向かって、様々な確信を一人叫んだ。
 夜の石狩ナベの美味も、忘れることはできぬ。
 この歴史、いつの日か記さん。
 わが頭脳に、深く刻みゆく使命であることを痛感する。
8  八月二十五日(水) 曇一時雨
 涼しい一日であった。
 身体の調子、良好。
 信心を忘れてはならぬ。厳しい修行を忘れてはならぬ。自分とは、弱いものだ。自分とは、意気地のないものだ。
 強き信仰が必要だ。強き先輩が必要だ。否、強き師匠が必要なのだ。そして強き弟子になることである。
 午後、T会社へ行く。経営面でなかなか大変な模様。一日も早く大会社になってもらいたい。
 六時過ぎ、M氏等と新宿にて会食。
9  八月二十九日(日) 曇一時晴後雷雨
 身体の調子、良好。嬉しい
 これを転換期として、さらに人間革命してゆかねば―――。
 午前中、在宅。子供、うるさい。しかし、元気で良し子供の成長をまざまざと見、驚く。生涯、老いたくない。世紀の若人として送りたい。
 A、S両部隊長、後にS君等多数来宅。
 夕方、豪雨。落雷。
 矢口ノ渡のS宅に行く。明日より再び闘争だ。
10  八月三十日(月) 曇
 先生、お元気であられる。実に蹴しい。
 午前、横浜方面に出張。
 午後五時より、教授会。
 大阪支部に毎月、出張講義に行くことになる。勉強せねばならん。
 七時、全体会議。楽しい会議であった。
 早目に帰宅。勤行を忘れてはならぬ。
11  八月三十一日(火) 雨一時曇
 涼しい一日であった。
 皆より、野菜を食べるよう注意受ける。その通りだと思う。
 薬より、毎日の食事栄養が最も身体に影響あることは、道理として納得できる。
 六時三十分―――豊島公会堂にて本部幹部会。
 続いて、常在寺に於て大幹部会。
 最高幹部が、もっと全体の幹部の意見を聞いてゆくようにならねば―――と心配する。理事室の、一段の成長を期待して止まぬ。
 帰り、Z氏と、とくと語る。少しは、わかったことであろう。情けない、弱き人だ。実に見損なった。
 帰宅、午前零時を過ぎる。明日より九月だ。
 静かな、日本の秋がやって来る。春の到来と同じく、秋の到来は、懐かしきものだ。日本的である。秋は、日本的なものの究極といえよう。

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