Nichiren・Ikeda
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昭和二十八年(六月)
「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)
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2 六月十四日(日) 曇
梅雨。
心身共に苦痛。宿業か、罪業か。
先生、関西総会に出席のため、九時の特急「つぼめ」にて、出発される。駅までお見送りをする。
自分も、最早二十五歳となる。
牧口先生は、三十二歳にして、革新に富んだ、世界的な『人生地理学』を著される。
我が恩師、戸田先生も、三十代にして、『指導算術』をはじめ、自力の出版にて、日本を席巻せらる。
自分は、その年になにを成すか。―――
橋本地区総会に出席。盛大であった。十時九分発にて帰る。
疲れる。本年最大の疲れなり。
3 六月十五日(月) 雨後曇
心身共に疲労困憊。十時三十分まで休む。
K兄には、ほとほと困る。
梅雨一入深まる。自己の身体の、苦痛の如し。
″健全ナル精神ハ、健全ナル身体ニ宿ル″か。否、心身同時に、健全でなくてはならぬ。これこそ、信心の極理であるのだ。
左の事項を、完遂しゆくこと。
一、吾が支部の目標達成
一、吾が職場の使命達成
一、教学の研究
夜、武蔵野地区総会。全く不況。残念である。
最近、頭が鈍って来たようだ。根本的な解決は以信代慧しかない。
就寝、十二時。
4 六月十六日(火) 快晴
今日より、上衣を脱ぐ。夏らしく暑くなった。
午後、K宅にゆく。長時間、種々懇談―――。
良くなったものだ。嬉し―――。
夜、水滸会。先生、ひどく怒らる。
我等悪し。全く、魂なく、意気地なきことを反省する。
先生、約一時間にして、退場なさる。
我等、十時まで反省する。心、雲の如し。
一、時間ノ観念
二、部隊長同士ノ団結
三、水滸会ノ目的、決意、熱意
先生の怒りは、全部、吾人の責任と猛省するのみ。
この転換は、信心。信心の力以外に、解決と前進の道なし。
夜半、兄来る。非常に大変な様子。
5 六月十七日(水) 晴
部隊会。小岩、M宅―――道を間違えて、会場に八時着。
出席人員、約百名。皆、元気。希望と、決意と、躍動と。―――
嬉しい。この中より、未来、幾人の高杉晋作が、久坂玄瑞が出現することか。
汚れた服―――よれよれのシャツ―――ばさばさしている髪―――而し、未来を指して生きゆく、青年の尊き瞳。
況や、内証は、妙法の若き革命児の集合なり。
この百人を、千人に、万人にしてゆくことを、胸深く決意する。後輩を大事にしよう。後輩を、吾れより偉くせねばならぬ。これが、先輩の、幹部の使命と自覚する。
十時過ぎ、集会届けの件にて、警察に呼ばれる。一人、小岩警察におもむく。段々、面白くなって来た。
充分事情を説明して、遅く帰宅。
何事モ、戦イ抜ク者ガ
最後ノ勝利者ナリ。
就寝、三時。疲れる。
6 六月十八日(木) 曇後雨
六時三十分、本部にて、部隊長会議。皆、真剣。非常に意義あり。
議題
一、国柱会破折ノ件
一、仏立宗攻撃ノ件
一、妙福寺問題ノ件(編注・福島、正宗寺院の村八分事件)
一、水滸会ノ在リ方
一、教学振興ノ件
以上
梅雨、しきり。大森駅にて、豪雨に遇う。
身体の具合悪し。
就寝、二時少々前。
7 六月十九日(金) 曇時々雨
心身共に、疲れてならぬ。
一日中、重病人の如き思いあり。悲し。悔し。
鳴呼、罪業か、宿業か。宿命のつらさよ―――。
負けてはならぬ。使命あれば、勝たねばならぬ。為すべき仕事、多々あるなれば―――。
師匠、戸田先生に捧げし、此の一生。
こんなことで、わが意思が崩れてたまるか。
恐ろし。
吾人の我儘と、軽率を、反省せねばならぬ。
ただ、ただ、先生に、申しわけなきことばかりなり。
金曜講義。「四条金吾女房御書」及び「四条金吾殿御返事」なり。
実に、感銘深き講義であった。
偉大なる師匠についた幸福は、正に無限である。
帰りに、同志二、三人に、すしを御馳走してあげる
疲れた。
8 六月二十一日(日) 曇時々雨
夕刻小雨あり。
九時少々過ぎ起床。
K氏来る。彼には、ほとほとよわる。
S兄、来宅。
二時三十分、星薬科講堂における蒲田支部総会に出席。
盛大であった。図に乗らず、撓まず、前進されんことを祈る。
来賓祝辞をする。
帰り、H兄と、五反田にて食事を共にする。
友よ、元気で、明るく進まれよ!
六時三十分、T支部長宅。七時三十分より、支部幹部会を開催。
本日までの折伏、百十四世帯。支部発足以来の成果となる。
来月は、二百世帯突破を誓い合う。
着々と学会軍勢の、駒は進む。否、仏の軍勢の白馬は、怒濤を乗り越え、進まねばならぬのだ。
9 六月二十二日(月) 曇時々雨
身体の具合、全く悪し。
夜、四級講義を休む。早目に帰宅。
友の、元気に講義を受ける姿が目に浮かぶ。前進せねばならぬ時、休むことは、これ程までに辛いものか。
明日の、仕事のことを思索する。元気なし。
題目を、沢山あげることにする。
就寝、十一時。