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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十八年(三月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

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1  三月一日(日) 曇
 春暖。弥生の月に入る。人生の、理想と、希望とが換発しゆく候だ。
 此の一か月、若さの限り、振る舞うことだ。青春を謡歌しながら。
 昨日は、S氏、H女史を、指導、折伏する。生意気のようなれども已むを得ない。
 Sさん、お守り御本尊様を紛失す。生涯の信心を、深く清くなしゆくことだ。これ以外にお詫びはなかろう。而し、純真、清純なる心に、大聖人様が、生涯、このことを、苦しめ通しでゆかれることも無いと信ずる。所詮は、その人、その人の真心に尽きると思う。
 四時三十分、先生の奥様、来て下さる。
 七時三十分、小岩支部幹部会。出席。
2  三月二日(月) 曇後雨
 新教学部員会。約五十名出席。於本部。真剣なる教学の態度に、胸を打たる。此の人達が、十年後、二十年後の学会を、思想界を、立派にリードしてゆくことだろう。頼もし。
 本部の帰り、小雨降る。
 T兄、S兄、共に家に来る。
 「観心本尊抄文段」の研究を始む。
  一、学問ヲナスコト
  一、研究的デアルコト
 十二時過ぎまで、談合。
3  三月三日(火) 曇
 六時、常在寺にて、青年部会。
 第一部隊、断然、第一位となる。他の三部隊、驚歎の様子なり。
 先日は、班長全員に歌を託す。
 ここに、新たに、分隊長全員に檄文を送る
 我が部隊より、力ある広布の人材が、ぞくぞく輩出することを祈る。全部隊員よ、一人も退転するなと祈る。全部隊員よ、全員吾れより、優れた人材に育てと祈る。
 御本尊様の大慈悲を、沁々と感ずる日々である。
4  三月四日(水) 快晴
 先生、肩桃腺とのこと。遅くお見えになる。大事にして戴きたい。それには、弟子が速やかに育ることだ。
 スターリン首相、重態の発表あり。世界の一大転換期に入る。
 七時三十分―――私宅にて、青年部員約二十数人と共に、「諸法実相抄」の講義。十時三十分、散会。
 身体の調子、少々良好となる。
 春来たる。翠光薫る、春来たる。
 青年の胸よ、弾け、羽ばたけ。―――
 就寝、十二時半。
5  三月六日(金) 快晴
 身体の具合、全く悪化。昨夕は、全体会議。先生、荒れ狂うが如く、指導、叱咤さる。思うこと、誠に多し。
 金曜講義。講義中、眠くてたまらなくなる。こんなことは、初めてなり。
 女房の父母、S兄、T兄、来宅。遅くまで談合。みんな、吾が家に来ることが、楽しいとの事。十一時過ぎ、帰る。
 種々、自分のことを反省する。
 就寝、一時三十分。
6  三月八日(日) 朝雨、晴後曇
 朝方、豪雨。
 七時起床―――早急に品川駅にゆく。T部長らと共に登山の途につく。
 十二時床―――本山着。
 一時、お目通りをなす。
 二時三十分、御開扉。
 五時―――下山
 信心して六年。月参りをすることが出来た。実に嬉しいことだ。福運大なり。
 人のため、法のため、社会のために、心おきなく活動出来ることは、実に幸せのことなり。これ宿命打開の直道とならん。
 ソ連、次期首相にマレンコフとのこと。
7  三月九日(月) 快晴
 本部にて四級講義。剣豪の修行を思わせる先生の峻厳さ。弟子達の真剣さ。
 教学の度に思うことは、勉強不足である。勉学の必要を、深く深く感ずる。
 U男子部長と共に帰る。健康を欲する。
 学会の幹部は、未来の人、そして、孤独の人、誠実なる人を、心から激励し、擁護してあげねばならぬ。
 自己を、深く反省する。決して自惚れてはならぬ。建設と、修行と、努力と、教学をば、生涯失つてはならぬ。
 帰宅、十一時すぎる。

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