Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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如是。我成仏己来。‥‥  

講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)

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12  本因妙の精神は「無限の希望」「永遠の向上」
 仏界にも苦悩の九界が具わり、また九界の現実に即してしか仏界も顕れない。十界互具という生命の実相が現れるのです。
 大切なことは、苦難があっても、絶対に、ひるまぬことです。嘆きや疑い等の弱き心を持つてはならない。「これからだ」という強き一念が、一念三千の法理に則り、三千次元に回転して、崩れぬ幸福の大境涯をもたらすのです。
 苦しみにつけ、喜びにつけ、一心にただ一生成仏を願ぃ、妙法を唱えていく。何があろうとも、そのたびに一歩また一歩、強き心で広宣流布へと勇んで進んでいく。その強盛なる「信心」を貫く人こそ、瞬間、瞬間、かぎりなく御本仏の大慈悲に生命が包まれゆく人なのです。ここに「本因妙の仏法」のすぼらしき醍醐味があります。
 釈尊は、こう語っている。
 「過去を追うな/未来をいたずらに願うな/過去は、すでに捨てられたのである/また未来は未だ到達していない/現在のことがらを、現実の中でよく見極め/揺らぐことなく、また動ずることなく/それを明らかに知った人は/その境地をいちだんと高めよ/ただ今日まさに為すべきことを心を尽くしてなせ」(一夜賢者経)と。
 大切なことは、今、この瞬間です。現在の一念です。決意です。過去の業因業果の呪縛を自らの内発の力で断つことが、確たる幸福への軌道に乗ることになるのです。永遠の幸福境涯、最高の人生を目指して、つねに生命の本源から出発していくのが「本因妙」の信心です。本因妙の精神とは、「無限の希望」「永遠の向上」にあるのです。
 ゆえに、私たちは、毎日、つねに本源の出発点に立ち戻り、そこから新たに前進を開始するのです。勤行・唱題は、毎日、久遠元初の世界に立ち返る秘法です。毎日が久遠元初からの出発です。永遠に原点から出発し続ける信心──これが「本因妙の仏法」なのです。

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