Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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譬如五百千万億。那由佗。‥‥  

講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)

前後
4  広大な境涯を開く随自意の譬喩
 爾前経でも、無量の数を説くことはあります。しかし、寿量品では、たんなる抽象的な数として「無数」を説いているのではない。微塵にして、その塵を落としていくというように、一見、具体的に考えられそうな譬えを用いて、イメージを想起させたうえで、その思索を畳みかけるように次々と打ち破っていきます。同じ「無数」と言っても、弥勒たちにとってみれば、実感が違うし、心の深まりが異なる。
 ここで説かれている譬喩は、爾前経のような随他意(仏が九界の衆生の心に随う)の譬喩ではありません。衆生の狭い境涯を開き、仏の広大な境涯へと引き込んでいく随自意(九界の衆生を仏界に随わせる)の譬喩なのです。釈尊の説法を聴きながら、弥勒をはじめとする大衆は、大宇宙を自在に舞いゆくような仏の大境涯に、ぐいぐい引き込まれていく思いがしたことでしょう。

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