Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第十八章 末法下種の主師視 濁世に慈悲の薫風を

講義「開目抄」「一生成仏抄」(池田大作全集第34巻)

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9  「慈悲の世界」の破壊者との闘争
 この法華経の「慈悲の世界」を断絶しようとする悪人が出現するのが末法です。直接の破壊者が出現するだけでなく、末法の病根は、本来であれば法華経を継承すべき者たちが、その破壊に対して放置して傍観の態度をとることです。
 無責任の傍観者が破壊者を生み出す温床となる。その意味で、本来の役割のうえから、傍観者のほうが罪は大きいと言えます。
 したがって、大聖人は「開目抄」の結びにあたって、先に挙げた主師親三徳の御文の次下に、大聖人御自身と対比される表現で「一切天台宗の人は彼等が大怨敵なり」と仰せられ、日本の天台宗を痛烈に破折されています。
 民衆のために法華経を宣揚し、法然らの邪義を打ち破って立ち上がらなければならなかったのに、既成権力に媚びるいき方を選んだ。大聖人は、そうした天台宗の輩こそ、日本国の諸人にとって「大怨敵」であると呵責されているのです。この破折こそ、大聖人の宗教革命です。
 現代で言えば、まさに、本来立ち上がるべき時に立ち上がらず、かえって謗法の軍門にくだり、果ては、仏法の正義に立ち上がった牧口先生を切り捨てようとした戦時中の宗門こそ、この「大怨敵」の末流であると呵責しておきたい。そして、この保身の傍観者から、今日、広宣流布を破壊しようとする極悪・邪法の日顕宗が生まれたのです。
 謗法を責めぬいてこそ、宗教革命は成就する。戦えば、必ず変革を拒む者たちから中傷されます。しかし、そうした輩に中傷されることこそ、牧口先生、戸田先生は誉れとされました。
 永遠の指導者、牧口先生・戸田先生の両先生が創価の旗を掲げて以来、地涌の闘将に呼び出された無数の尊き庶民が、全世界で慈悲の光輝を放っています。悲惨と不幸に苦しむ人々に希望を灯し、すべての母と子が安穏に生きる平和の社会を築く潮流は、全世界で確固たる大河となりました。
 全世界の同志の皆さまの勇気ある慈悲の行動を、必ずや牧口先生も戸田先生も喜ばれていると確信します。また、世界中の地涌の勇者の慈悲行を、日蓮大聖人が賞讃なされていることは間違いありません。
 創価学会は仏の慈悲の団体です。創価学会こそ、濁流と化しつつある世界の宿命を転換する主師親の本流であるとの誇りも高く、私たちは、二〇三〇年の創立百周年を目指して、創価の世紀を築いていこうではありませんか。

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